Business Challenge story

分散サーバーを本社に集約した直後に仮想化への移行ニーズが急浮上

コスト削減を最優先しつつ、来る景気回復期に備えた先見性が問われる難しい時代。多くの企業でIT投資の抑制傾向が続き、システム部門が苦しい選択を迫られることも少なくありません。

同社管理本部 情報システム室 室長の高橋和良氏も、「ものづくりに直結するアプリケーションと違い、特に基盤となると、何がどう変わるのかがユーザーに伝わりにくい。技術の進化も著しく、こうすべきというものが見えないため、戦略的投資の判断は難しくなります」と指摘します。

しかし2006年、増え続けるサーバー群を前に、複雑化したITインフラの最適化に照準を定めた同社は、ひと足早く将来を見据えた経営基盤の変革に踏み出すことになります。IBMの協力を得ながら綿密な現状調査と分析に基づいて策定したロードマップに従い、まず取り組んだのが、各工場に分散した業務サーバー群の本社への集約です。

同社管理本部 情報システム室 管理運用課 主任の久保浩一氏は、「サーバーの物理台数を減らし、導入および運用コストを削減したいというのが集約の動機です。各拠点で複数サーバーを抱えており、管理業務の標準化が難しく、管理者の技術面の負荷も大きかったと思います。また、老朽化に伴う障害発生の多発も、運用コストの増大に拍車をかけていました」と振り返ります。

そこで高密度なブレード・サーバーの可能性に着目した同社は、IBM BladeCenterによる物理統合を実現。すでに次の仮想化統合フェーズを見据え、並行で情報収集や製品調査、実機評価なども進めていましたが、そのタイミングは意外にも早く訪れました。IBM Lotus Notes/Domino が稼働するサーバーの老朽化に伴い代替機への移動を決めたものの、同じWindows NT 4.0ベースのサーバーの手配が難しいとの理由から、仮想化技術の活用が唯一の選択肢となったのです。

Transformation

IBM BladeCenterVMwareの組み合わせに仮想化統合のメリットを確信

急遽、Lotus Notes/Dominoの本番機に仮想化を適用することを決めた同社は、当時実機評価を行っていた仮想化ソフトウェアを用いてIBM BladeCeter上に仮想化環境を構築。しかし、思うような性能が出ず、VMware Infrastructureへの変更を決断しました。

久保氏は、「他に選択肢がなく、いきなりの実運用でした。VMwareの製品成熟度や機能の充実度には以前から優位性を感じていましたが、まったく問題なく安定稼働することが実証され、実用性への確信を得るいいチャンスになりました。自社内ですべて環境を構築できたのも、インストールや設定が非常にわかりやすく、あらゆる手順が洗練されていたからだと思います」と評価します。

もちろん、仮想化のメリットを最大限に引き出すためには、物理インフラの果たす役割も重要になってきます。「物理統合の際にIBM BladeCenterとSANストレージのIBM System Storage DS4700で構築した環境が、VMwareの仮想化に最適なプラットフォームだったことも、スムーズに導入できた理由でしょう。物理統合からの流れとはいえ、IBM BladeCenterの高い堅牢性、可用性、運用管理性は十分に実感できていましたし、仮想化に際して迷う理由は特に見当たりませんでした」と久保氏。

さらに、同社管理本部 情報システム室 管理運用課 課長の木村友重氏が、これまでのIBMとの関係から、「ハードウェアの抜群の信頼性に加え、部品の供給体制やサポート体制など、トラブルへの対応能力に優れています。万一の際の安心感が違うと常々感じていました」と語ります。

Benefits

導入コストを約半分に抑えつつトラブルもなく抜群の安定稼働を継続

2007年、IBM BladeCenterとVMware Infrastructure 3の組み合わせでLotus Notes/Dominoの本番環境を仮想化して以来、同社はその適用範囲を徐々に拡大。現在本社では、得意先受注システム、在庫場所管理システム、セキュリティーシステム、ID管理システムなどの本番業務が仮想化環境で多数稼働しています。

具体的な構成としては、IBM BladeCenter HS21が3台、IBM BladeCenter HS22が1台の計4台の物理サーバー上に23台の仮想マシンを配置。また、本社への集約を機に御殿場工場内に構築した災対サイトでは、2台のIBM BladeCenter HS21上に6台の仮想マシンが配置されています。

さらに同社では、2009年にVMware vSphere 4の検証を実施。最新のブレード・サーバーとの組み合わせで安定稼働を実現できることを確認し、その後、最新の仮想化機能の価値を享受すべく、旧バージョンからVMware vSphereへの移行を段階的に進めているといいます。 「VMware vSphere 4の新機能で現在活用しているのは、シン・プロビジョニング機能です。この機能により、CPUやメモリーだけでなく、ディスクの効率的な運用が可能になりました」(久保氏)。

こうして物理統合から仮想化統合へ、着々と歩みを進めてきた結果、同社は大幅なコスト削減を達成。仮想化統合によって導入コストを50%近く削減できただけでなく、エネルギーコストの削減にも効果が見られています。

「運用負荷も確実に軽減されていますし、集約率をより高めていけば、さらなる効果も期待できます。災対サイトにも仮想化を全面的に採用することで、構築コストを大幅に抑制できました」(久保氏)。

「どんなにいい製品も使えなくては意味がない。稼働率を重視する我々にとって、3年間一度もシステムが停止することなく安定稼働している点は重要です。また、IBMのサポートライン契約にはVMwareのサポートも含まれているため、技術的な問い合わせにも的確かつ迅速に対応してもらえて助かっています」(木村氏)。

さらに、仮想化は同社のビジネス・スピードにも変化をもたらしました。従来ならサーバーの構築に約1カ月かかるところを、今では数時間もあれば環境を用意できます。構築時間の短縮と同時に、今あるリソースを無駄なく活用し、投資を抑制できるのも大きなメリットです。

 

将来の展望

グローバルなサービス提供を目指してITインフラのクラウド化を計画

IT投資における先見性が功を奏し、ITインフラの最適化計画は早くも次の段階を迎えています。今後導入するサーバーは仮想化を標準とする方針という同社は、引き続き残るサーバー群の仮想化への移行を推進する一方で、今回構築した仮想化環境をプライベート・クラウド基盤として発展させ、ショーワ・グループ各社へのグローバルなサービス提供を目指す計画です。 「今後はさらなる全体最適化の実現に向け、より仮想化に適したプラットフォームを追求していきたい」と語る久保氏は、2007年にVMware認定プロフェッショナル(VCP)を取得しており、その活躍も期待されます。 信頼性の高い仮想化プラットフォームを確立し、高い柔軟性とスピード感を味方に付けたショーワは、ますます全社一丸となって世界への躍進を続けようとしています。

 

お客様情報

ショックアブソーバやパワーステアリング等、自動車用機能部品の製造。お客様のニーズに的確かつ迅速に応えるために、技術を核として、開発、生産、販売などの強化と効率化を推進しています。

 

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