Business Challenge story

DR/BCP対策のニーズに応える付加価値サービスとして遠隔バックアップに注力

大規模なリソースを安価に提供する、スケールメリットだけを訴求するインフラのホスティングやハウジングのサービスでは、データセンター事業に将来はない。この考えから同社は、「100%の満足を、お客様とともに創りつづけたい」というスローガンの もと、付加価値サービスの「merisis(メリシス)」を拡充しており、気象庁から配信される地震情報と連動し、社員とその家族の安否を確認する「Safetylink24」、既存の紙の書類をそのままのイメージでワークフロー化して申請・決裁業務を改善する「ActionPassport」など、すでに数種のアプリケーションをSaaS(Software as a Service)型のクラウド・サービスとして提供しています。

この付加価値戦略の新たな発展を探る中で、同社が着目したのが、多くの企業の喫緊の課題であるDR/BCP対策です。同社の代表取締役社長である上岸弘和氏は、次のように話します。

「私たちが本社を構える金沢市は、歴史的に災害が少なく、日本海側に位置することで、懸念される南海トラフ巨大地震においても、津波の被害を受けるリスクはほとんどありません。2015年春には北陸新幹線が開業する予定で、4時間近くかかっていた東京−金沢間の移動時間は、2時間半程度へと大幅に短縮されます。この地の利を生かしたDR/BCP対策のソリューションを提供することが、数あるデータセンター事業者の中で、私たちの存在意義を示すことにつながると考えました」

こうして2013年12月、同社はmerisisの新ラインアップとして、「Dispatchers(ディスパッチャー)」という遠隔バックアップ・サービスをリリースしました。ユーザー企業がオンプレミスで運用しているサーバーのデータを、データセンター内に用意されたセキュアなクラウド・ストレージ環境に定期的かつ自動的にネットワーク経由でバックアップを行います。

バックアップ・データは、いざというときに迅速かつ確実にリストアできなければ意味がありません。そこで同社は「パーキング」というオプション・サービスを用意し、災害や事故によってシステムが停止した際に、クラウド環境に待機させておいた仮想サー バーにバックアップ・データをリストアします。復旧までのほとんどの作業を同社が代行するため、短時間でシステムの稼働を再開することができます。

加えて同社は、仮想サーバーではなく物理サーバー上にデータをリストアした上でユーザー企業に送り届ける「デリバリーサービス」も用意しており、ユーザー企業のDR/BCP対策を手厚くサポートします。

Transformation

ハードからソフトまで一貫したIBMの製品群でエンタープライズ用途に向けたサービスを具現化

Dispatchersの最大の特徴は、ディスク容量1Gバイトあたり月額わずか90円という画期的な低コストで、しかも完全な従量制の料金体系で利用できることです。

一般的なオンライン・ストレージのサービスは、従量制課金をうたっていても、実際には「1Tバイトまでは月額いくら」といった大枠な契約単位が設定されていて、そのリミットをほんの少しオーバーするだけで、一気に上位プランの料金体系に跳ね上がってしまいます。一方、Dispatchersは、毎月実際に利用したディスク容量に単純に容量単価を掛け合わせた金額しか課金されないため、無駄なコストは一切発生しません。

このDispatchersのサービスを支えているのが、ストレージ管理ソフトウェアのIBM Tivoli Storage Managerと統合インフラ製品であるIBM PureFlex Systemです。2013年8月、イーネットソリューションズは国内5カ所目のデータセンターとして、北陸地区で最高レベルの通信環境を有する金沢第2データセンターを開設し、IBM PureFlex Systemを基盤としたクラウド・インフラを構築しました。その環境下にIBM Tivoli Storage Managerを導入することで、Dispatchersの構想が具現化しました。

「クラウド環境の導入に最適化されたIBM PureFlex Systemと、グローバルで豊富な実績を持つIBM Tivoli Storage Managerのコンビネーションによって、エンタープライズ用途に十分に耐えられる高度なサービス・レベルを実現することができました」(上岸氏)

サービスを提供する基盤がいかに優れた信頼性やパフォーマンスを備えていたとしても、その運用や維持管理のために多額の投資が必要とされるのでは、ユーザーにコストメリットを還元することはできません。

「お客様にスモールスタートで安心して使っていただけるビジネス・モデルを実現できた背景には、ハードウェアからソフトウェアまでワンストップで対応するIBMのサービス体制とともに、ユーザーの需要変化にきめ細かく追随できるIBM Tivoli Storage Managerの柔軟なライセンス体系があります」(上岸氏)

Benefits

IBM Tivoli Storage Manager の先進機能を生かし バックアップに費やすコストを大幅削減

同社は、IBM Tivoli Storage Managerのさまざまな先進機能を積極的にDispatchersに組み込み、よりコスト効率の優れた遠隔バックアップ・サービスを実現しています。

「永久増分バックアップ」もその一つです。従来の増分バックアップは、世代を重ねるたびに整合性がとれなくなるリスクが高まり、定期的にフルバックアップを取り直す必要がありました。これに対してIBM Tivoli Storage Managerの永久増分バック アップは、初回のみフルバックアップを行えば、その後はフルバックアップはまったく必要ありません。バックアップ・データに対して「圧縮」や「重複排除」を施すことで、ディスク保存容量や転送データ量をさらにコンパクトにすることも可能です。

「ユーザー企業は何世代ものフルバックアップを管理しなければならなかった非効率な作業から解放され、余分なコストの発生もなくなります」(上岸氏)

また同社はDispatchersのユーザー向けに、現在のバックアップ状況をスマートフォンから簡単に確認できる専用サイトを独自に開発・提供しています。この専用サイトで、サーバーごとのバックアップのポリシー定義や実施スケジュール、進捗状況を どこからでも確認できるほか、オンライン・ストレージの消費量もリアルタイムで確認でき、当月の使用料金をあらかじめ把握することができます。

「私たちは日本国内における IBM Tivoli Storage Manager 活用のトップランナーとなることで、Dispatchersサービスひいてはイーネットソリューションズの企業としてのブランド力を高めていきたいと考えています。今回開発したスマートフォン用専用サイトは、その足場を築いていくうえでの強力な武器になると自負しています」(上岸氏)

 

将来の展望

運用自動化やセキュリティーなど高付加価値サービスを包括的に提供していく

Dispatchersはさらにサービスの拡充を続けており、ユーザーが個別に指定したデータをバックアップする基本サービスに加え、Microsoft SQL Server、Oracle Database、Microsoft Exchange Server、IBM Notes/Dominoの各システムのデータをバックアップするサービス、VMwareの仮想マシンを丸ごとバックアップするサービスなど、豊富なオプションが整ってきました。

そして、2014年2月を目標に同社は、「Dispatchers for PC」という新機軸のサービスを開始予定です。既存のDispatchersはサーバー上のデータをバックアップ対象としているのに対し、Dispatchers for PCはクライアントPCの任意のフォルダーやドライブに保存されているファイルや、変更が加えられた特定アプリケーションのファイルを、自動的にクラウド環境にアップロードします。

「アップロードされたファイルは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも参照することが可能。単なるデータ保護だけでなく、エンタープライズ向けのセキュアなファイル保管としても活用していただけます」(上岸氏)

さらに、同社は、バックアップにとどまらずIBM Tivoli Storage Managerがサポートしている幅広いストレージ管理機能に注目。merisisの多様なデータセンター・サービスと連携を図りながら、運用自動化やセキュリティー対策といったより高度なソリューションを包括的・統合的に展開していくための、新たな技術基盤とサービス提供のスキームを構築しようとしています。

「今後もIBM Tivoli Storage Managerの強みを生かしたユニークなサービスを、積極的に展開していきます。その意味でもIBMには、製品情報の提供や技術支援に加えて、マーケティングなどのサービス立案やリリース運用、技術者育成のための教育支援など、広範囲なサポートを期待しています」と上岸氏は話します。同社はIBMとのパートナーシップを深めつつ、多様化するユーザー企業のニーズに応えていく付加価値ビジネスを追求。データセンター事業の既成概念を超えるITサービスのコンシェルジュとなることを目指しています。

 

お客様の声

“私たちは日本国内における IBM Tivoli Storage Manager 活用のトップランナーとなることで、Dispatchersサービスひいてはイーネットソリューションズの企業としてのブランド力を高めていきたいと考えています。今回開発したスマートフォン用専用サイトは、その足場を築いていくうえでの強力な武器になると自負しています”

株式会社 イーネットソリューションズ 代表取締役社長

上岸 弘和氏

 

お客様情報

2000年12月設立。本社を置く金沢市のほか、東京都と名古屋市に合計5カ所のデータセンターを構える。企業固有のニーズに徹底して対応するマネージド型ホスティングサービスやハウジングサービスを展開するとともに、近年ではアプリケーション領域に踏み込んだ付加価値追求型のデータセンター・サービスを事業の主力としている。特定非営利活動法人ASP・SaaSクラウドコンソーシアム(ASPIC)が運営するASP・SaaSクラウドアワードにおいて、2011年にベスト地域貢献賞を、2012年には委員長特別賞とベストイノベーション賞を受賞するなど、革新的な取り組みが社会からも高く評価されている。

 

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    • Riverbed / Whitewater and IBM Tivoli Storage Manager