ニュージャージー州地域社会局（DCA）とニュージャージー州公益事業委員会（NJBPU）は、地方自治体、地域社会開発組織、企業、住民に行政指導、財政支援、技術支援を提供するために設立された州機関です。

プロセスは手作業で紙ベースで断片化されており、各機関は相互に連携しない別々のシステムを使用していました。この非効率性により、給付金申請の評価が過度に複雑になり、給付金の承認に予想以上の時間がかかっていました。住民は、ガイダンスが不明瞭でアクセスが制限されているため、これらのサービスを十分に利用していないことが多々ありました。

同省は、給付金の申請、裁定、管理を合理化し、モダナイズするために、住民と世帯の包括的な見解、つまり「データ・モザイク」を求めていました。さらに詳しく言うと、当局は、居住者、ニュージャージー州DCAの裁定人、公共事業ベンダー、地域社会ベースの組織（CBO）、およびその他の利害関係者が使用する顧客関係管理（CRM）システム、レポート、ダッシュボードを統合した新しいポータルを構築したいと考えていました。

IBM^®コンサルティング、ニュージャージーDCA、およびNJBPUが協力して、ユーティリティー支援プログラム（UAP）ポータルを構築しました。このサイトでは、次のようないくつかの州のプログラムの管理を効率化します。

• 州が資金を提供するユニバーサルサービス基金（USF）プログラムと連邦政府が資金を提供する住宅エネルギー支援プログラム（USFHEA）は、ニュージャージー州の低所得および中所得の住民の冷暖房費を支援します。​
• 低所得世帯向けに連邦政府の資金によるエネルギー効率改善を提供する耐候化支援プログラム（WAP）。
• 鉛塗料の危険性に対処する鉛塗料危険性支援プログラム（LRAP）。

IBMは、一時的なプログラムを促進するためのポータルも作成しました。

• アメリカン・レスキュー・プラン（ARP）
• 低所得世帯水支援プログラム（LIHWAP）

このIBM Consulting for Microsoftプロジェクトの一環として、IBMチームはIBM Design Thinking手法により、統合ケース管理に加えて次の機能を提供するソリューションを設計しました。

• 市民のセルフサービス申請。Microsoft Power Pagesを使用して、ガイド付きのオンライン・アプリケーションと迅速なデータ・インポートを実現し、より迅速な申請を可能にするユーザーフレンドリーなポータルを作成
• ケース管理。Microsoft Power Platformの機能強化により、申請処理の高速化と支払いメリットの強化を実現
• ドキュメントの自動化。Microsoft Azure AI Document Intelligenceを活用して、必要なドキュメントから重要なデータをレビューおよび抽出
• 信頼できる唯一の情報源。セキュリティーに重点を置き、Microsoft Azure Cloudでホストされる、データ、ドキュメント、レポート、アウトリーチの統合ソースを作成
• データレイクハウス。さまざまなシステムとNJBPUデータソースをMicrosoft Azure Databricksがサポートする包括的なデータレイクに統合
• 消費。Microsoft Power BI と組み合わせた強力なリアルタイム分析ツールを提供

IBMコンサルティングのデリバリー・チームは、生成AIを組み込んだプラットフォーム、IBM® watsonxで構築されたIBM Consulting Advantage for Cloud Transformationも使用して、主要なプログラム・サポート・マテリアル、内部ワークフロー、プロジェクト管理ドキュメントを作成しました。このソリューションにより精度が向上し、より迅速かつ情報に基づいた意思決定が可能になりました。

UAPポータルは、居住者とDCA審査官に画期的な体験を提供します。その結果、給付金の処理がより迅速かつ正確になり、次のようなメリットが得られます。

• 住民が自宅で快適にセルフガイド式の申請を自分で完了できるため、アウトリーチが拡大し、アクセスと利便性が拡大
  • 居住者がUSFHEA申請を完了するのにかかる平均時間が60％短縮
• 裁定時間を88％削減
• UAPの採用が4倍に増加
• 革新的なプログラムをシームレスに作成し、さまざまなアプリケーション間でデータとドキュメントを効率的に取得するための再利用可能な集中型フレームワークを導入し、居住者とその世帯のデータ・モザイクをさらに完成させる
  • WAPとLRAPの最新プログラムを2つ追加
  • 再利用されたUSFHEAデータとドキュメントは、LIHWAP、LRAP、WAPアプリケーションの作成に取り込んだり、逆にこれらのアプリケーションからデータやドキュメントにアウトプットすることが可能
  • 住民とその世帯に関するデータ分析を強化し、より多くのメリットを提供
• ビジネス・インテリジェンス・ダッシュボードとレポート・ツールへのアクセスを作成し、サポート・プログラムに対するより深い洞察と分析を促進し、DCAとその関係者が将来のイニシアチブをより迅速にデプロイおよび判断可能

「IBMチームは、ニュージャージー州公共料金局（NJDCA）向けに、公共料金支援申請の処理時間を大幅に短縮するソリューションを構築しました。これにより、ニュージャージー州の家族や住民への支援がより迅速に提供されるようになり、経済的な安心感と生活の質が向上します。」John Harrison氏、IT部地域問題担当部長

次なるステップとして、IBMコンサルティングは、生成AI機能をUAPポータルに直接統合するお手伝いをします。IBMチームは、Microsoft Copilot Studioを使用して、質問に適切に回答し、確立されたポリシーに照らしてアプリケーションを評価するエージェント型AIを開発します。

New Jersey DCAは、ニュージャージー州における生活の質向上を目指して、地方自治体、地域開発組織、企業および個人に行政指導、財政支援、技術支援を提供する州機関です。この組織は、火災と建物の安全性、住宅生産、地域計画および開発、地方自治体の管理および財政など、公共の関心事に対応するプログラムとサービスを提供しています。