Business Challenge story

SAPのバージョンアップにあたりサービス・レベルを維持しつつTCOをいかに削減するか

昭和シェルグループでは、10年以上前から基幹システムとしてSAP R/3を導入し、Unix環境で運用していました。当初は、財務会計(FI)、管理会計(CO)のモジュールを導入し、次のバージョンアップでは、販売管理(SD)、在庫購買管理(MM)を追加導入と、段階的に使用するモジュールの範囲を拡大。現在では、販売管理(SD)、在庫購買管理(MM)、財務会計(FI)、管理会計(CO)、生産計画/管理(PP)など、ほとんどのモジュールを使用して、業務の効率化やBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を実現しています。

直近では、SAP R/3のバージョン4.6を使っていましたが、SAPの保守サポートが終了になることから更新の対応が必要でした。そこでSAP R/3からSAP ECCにバージョンアップすることを決定します。SAPのバージョンアップについて、プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト プロジェクトマネージャ 本村哲氏は、次のように話します。

「これまでも何度かSAPのバージョンアップは実施してきました。その際は、旧環境を残しつつ新環境を構築して、システムを切り替えるという方法でバージョンアップを行ってきました。今回は、旧環境をそのまま新しい環境にバージョンアップする初めての試みを実施しました。このとき、周辺システムにも影響が及ぶことから、システム全体の見直しも行っています」。

SBISでは、物理サーバーの数が増える中、その管理が煩雑になることが予想されていたため、これまで以上にハードウェア基盤の集約や共通化に取り組んでいました。またストレージ環境に関しても、統合ストレージ環境としてIBM XIV Storage Systemを導入したり、バックアップ用のテープ装置としてIBMの仮想テープ・ライブラリー(VTL)製品IBM ProtecTIERを導入したりするなどの取り組みも推進する中で、サーバーに関してはVMwareを導入したサーバー仮想化にも取り組んできました。

SAPをバージョンアップするにあたり、TCO(総保有コスト)をいかに削減するかも取り組むべき課題の1つでした。本村氏は「サービス・レベルを維持したまま、TCO削減を実現できるかの観点から、いくつかのハードウェア基盤を検討した結果、高いコスト・パフォーマンスや拡張性、信頼性を評価して、Flex Systemの採用を決定しました」と話しています。

Transformation

10年先を見据えた先進的なアーキテクチャーを評価

SBISでは、2012年5月からSAP ECCへの移行作業を開始。8月ごろから導入ハードウェアの検討を開始し、10月にFlex Systemの採用を決定します。その後、2013年7月から、Flex Systemの上で稼働するSAP ECCの本格的な運用を開始しています。今回、既存仮想化基盤へのリソース増強の用途として、IBM Flex System x440を4ノード導入。Flex System上では15台程度の仮想サーバーを動かして、SAP ECCをはじめ周辺システムも含め稼働しています。またIBM System x3650 M4を、IBM Tivoli Storage Manager用のサーバーとして導入しています。

オペレーショナルサービス部 サービスマネージメントグループ 兼 プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト インフラ基盤/BASISチームの森勇二氏は「基幹システム環境の構築プロジェクトとして、Flex Systemを使い始めてから半年以上が経過していますが、ハードウェア障害はまったくありません。また7月の本稼働以降も、Flex Systemは問題なく稼働しています」と話します。

また、プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト インフラ基盤/BASISチーム リーダー 金井修治氏は「Flex Systemは、SAPおよびVMwareの動作認定を取得しているので、導入時にも苦労することなく、安心して進めることができました。これまで他社製のネットワーク・スイッチ製品を使っていたので、Flex Systemに搭載されているネットワーク内部スイッチの操作方法に最初は少し戸惑いましたが、IBM担当者のサポートにより問題なく操作できるようになりました」と話します。

基幹システムのハードウェア基盤にFlex Systemを採用した理由について森氏は、次のように話します。「Flex Systemは、他社製品と比較して、最新かつ先進的なアーキテクチャーを持ったハードウェアでした。新しい製品なので導入実績も当時はまだそれほど多くなく、当初は正直なところ不安もありましたが、SAPやVMwareのハードウェア認定も取得していること、I/Oスピードや集約率、省電力性能などを総合的に評価してFlex Systemの採用を決定し、とてもよかったと思っています」。

また本村氏は「メンテナンスのための計画停止を月に1度行っているので、厳密には24時間365日の稼働ではないものの、稼働中にシステムが停止すると、ビジネス面に大きな影響がある基幹システムですので、計画停止時間以外には停止しない高可用性システムであることが非常に重要でした。また、せっかく新しいシステムを導入するので、今後10年の次世代の仮想化に対応できる先進的なアーキテクチャーであることも高く評価して、採用を決めました」と話しています。

Benefits

夜間バッチの処理時間が約半分になるなど、明らかなパフォーマンスを発揮

Flex Systemを導入した効果を森氏は「まだ導入したばかりなので、実業務の効率化などエンドユーザーの評価はこれからになります。一方で、システムの運用面では、夜間バッチの処理時間が従来と比較して約半分になるなど、明らかな効果が出ています。旧システムとの単純比較は難しいものの、Flex Systemはわれわれの期待どおりのパフォーマンスを発揮しています」と話します。

森氏はまた、システム管理面での効果を次のように話します。「これまでは、物理サーバーに障害が発生した場合、サーバーの設置場所に赴いて対応しなければなりませんでした。Flex Systemでは、ハードウェア管理のすべてをリモート・コンソールで行えます。そのため何らかの障害が発生した場合でも、PCからリモート・コンソールで電源のオン/オフできるなど、リモートからのサーバー運用監視が可能となり、非常に効率的になりました」。

さらに金井氏は「Flex Systemは、集約率が高いので設置面積がとてもコンパクトになりました。これまで標準的なラック3本程度で運用していましたが、現在はラック半分以下に集約されています。電力消費量も低減し、運用効率も向上しています。今後は、数年かけて物理サーバーで稼働している周辺システムをFlex System上に集約・統合していくつもりですが、その際、スケールアップにもスケールアウトにも対応できる柔軟な拡張性があることも、大きなメリットと評価しています」と話します。

そのほか経営面での効果について本村氏は「昭和シェルグループ全体としてもIT費用をどのように下げていくかは継続的に検討していくべき課題となります。仮想化によるハードウェア集約効果およびその基盤となるFlex Systemは、ビジネスの収益性を向上させる施策の1つとして、経営層からも期待されています。当初想定していたコスト削減目標は、ほぼ達成できました」と話します。

IBMのサポート体制について森氏は「Flex Systemは新しいアーキテクチャーを搭載していたので、導入時に必要な設定や、ネットワーク環境を含むハードウェアが稼動確認まではIBMにサポートしてもらいました。またIBM SAPコンピテンス・センターから得られた情報に基づいて、独自にシステムサイジングを行い、その結果としてうまく稼働しており、とても満足しています」と話しています。

 

将来の展望

IBM PureSystemsが実現する次世代ITの世界のメリットを将来的には享受したい

SBISでは今後、SAP ECCの周辺にある基幹システム以外も、順次Flex Systemに統合していく計画です。本村氏は「数年かけて、基本的にはすべての物理サーバーを仮想サーバーに移行していきます。また今後、ディザスター・リカバリー(DR)環境の構築も視野に、バックアップ・サイトの構築も含めて、具体的なプランに落とし込んでいきます」と話します。

また森氏は「必要に応じて、順次Flex System自体も拡張していく計画です。例えば来年、再来年に向けたサイジングで、Flex Systemの集約率をさらに上げることができれば、よりコスト削減効果を期待できるでしょう。また今後、Flex System Managerの導入も積極的に評価していきたいと考えています。これまで人手で実施していた作業でも、システムに任せ自動化できる部分が出てくると、運用管理の効率化や単なるコスト削減の範囲を超え、これまでは想像できなかったような、システム自体が柔軟性と自立性をもつ世界がくると聞いており、期待しています。今回は、Flex Systemの導入でしたが、今後はアプリケーション運用までを含めたIBM PureSystemsのメリットを含めた提案の継続をIBMに期待していますし、さらなるシステム変革に向け、われわれも挑戦を続けていくつもりです」と話しています。

 

お客様の声

「サービス・レベルを維持した上での、TCO削減の観点からの比較検討の結果、高いコスト・パフォーマンスや拡張性、信頼性を評価して、Flex Systemを採用しました。今後10年の次世代の仮想化に対応できるアーキテクチャーの先進性も高く評価しています」

昭和シェルビジネス&ITソリューションズ株式会社 プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト プロジェクトマネージャー 本村 哲氏

「Flex Systemは、SAPおよびVMwareの動作認定を取得しているので、導入時にも苦労することなく、安心して進めることができました。また設置スペース、電力消費量も低減し、運用効率も向上しています」

昭和シェルビジネス&ITソリューションズ株式会社 プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト インフラ基盤/BASISチーム リーダー 金井 修治氏

「夜間バッチの処理時間が従来の半分程度になるなど、大きな効果が出ています。Flex Systemは期待どおりのパフォーマンスを発揮しています」

昭和シェルビジネス&ITソリューションズ株式会社 オペレーショナルサービス部 サービスマネージメントグループ 兼 プロジェクトマネジメント部 石油基幹システム更新プロジェクト インフラ基盤/BASISチーム 森 勇二氏

 

お客様情報

昭和シェルグループの情報システム会社として、最先端の情報技術を活用し、コンサルティング、システム開発、インフラ構築、システム運用など、幅広い分野でビジネスソリューションを提供しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM Flex System x440
  • IBM System x3650

ソフトウェア

  • VMware ESXi

Solution Category

  • Systems Hardware