Business Challenge story

ヘネピン郡では、住民の生活全体にわたるサービスの提供を合理化し、住民サービスを統合することを目的に、複数の保健福祉関連局を合併しました。しかし合併時は、どの局も独自の記録管理システムを保有していたため、サービスの統合という目標を達成するにはいくつかの障壁をかかえていました。

  • それぞれ異なるプログラム領域に携わるケース・ワーカーたちが、同じ住民に対して、そうとは知らずにサービスを提供していた。
  • 住民が複数のケース・ワーカーから同じ文書の提出を何度も求められることがよくあった。
  • ケース・ワーカーが住民の郡当局との関わり方を十分に把握できず、その結果、住民に相反する情報を提供することがあった。

合併したある局ではイメージ処理システムが導入されていましたが、ほとんどの職員は依然として紙ベースのファイルを使用していました。その結果、非効率な管理に加え、HIPAAへの準拠、個人情報保護、記録管理に関するリスクが存在しました。さらに、リモートで作業をするケース・ワーカーは中央庁舎まで出向いて、郵便物やファイルを受け取ったり、住民に各種書式を送付したりしなければなりませんでした。

同局は2005年、ファイル・システムを統合して、全部局をEnterprise Communications Framework (ECF) と呼ばれる単一の共有システムに移行することを決定しました。

Transformation

同局では既にFileNetイメージ処理システムを導入していたため、FileNetをアップグレードして、全員がコンテンツ管理にアクセスできるようにしました。ヘネピン郡は、プロジェクト・マネージャーとしてのコンサルタントと FileNet アーキテクトを雇い、システム設計を依頼しました。また、IBM FileNetサービスを使用してソフトウェアのインストールと構成を行いました。このアプリケーションを複数の既存のケース管理システムと統合することにより、ユーザーはケース・データ (対象者の状況や他の部局とのやりとりなど) とケース・ファイルの内容を1つのビューで表示できるようになりました。

また、ヘネピン郡では、内部および外部のビジネス・プロセスに対応した電子書式を開発し、ケース・ワーカーがシステムから直接住民に書式を送付できるようにしました。

プロジェクトの第1フェーズは2007年後半に児童支援担当の300人のケース・ワーカー向けに実施され、第2フェーズは、児童保護と児童福祉担当の300人のケース管理ワーカーに対して実施されました。現在では、600人のケース・ワーカーが日常的にこのソリューションを使って、郵便物やケース・ファイルを管理しています。届いた郵便物はスキャンされ、該当するファイルに取り込まれます。ファックスは自動的に読み込まれて該当するファイルに取り込まれます。

Benefits

ヘネピン群ではすべてのコンテンツを1つの電子システムに統合し、ケース・ワーカーと管理者に対して一元管理されたアクセスを提供することにより、サービスの提供と説明責任を改善しながら、完全成果主義の職場環境(Results-Only Work Environment、ROWE)を実現するという目標を支援できるようになりました。プロジェクトの利点としては、生産性と柔軟性の向上、経費削減、説明責任の向上、住民管理の改善、HIPAAおよびデータ処理に関するコンプライアンスの強化などが挙げられます。

生産性の向上: 情報へのアクセスを一元化することにより、文書の検索に要する時間が短縮され、ファイル消失のリスクが軽減されました。(消失した場合は裁判所の記録から再作成する必要がありました。)

柔軟性の向上: ケース・ワーカーは、外出中にラップトップ・パソコンから安全なWeb接続を介してファイルやメールにアクセスできるため、法廷審問や会議を待つ間でも住民に対する業務に携わることができます。また、電子書式を使用することにより、ケース・ワーカーは、いつどこにいても住民管理に携わることができるようになりました。

経費削減: ヘネピン郡では、事務机と書類キャビネットを常時必要とするケース・ワーカーがほとんどいなくなり、書類保管スペースとオフィス・スペースに費やす経費を徐々に削減できるようになります。

説明責任の向上: すべてのデータを1つのシステムにまとめることによって、どのケース・ワーカーがどの住民を担当しているかを、すべてのユーザーが知ることができ、システムに記録された結果に基づいて業績を評価することが可能になります。

対象者管理の向上: ケース・ワーカーは対象住民と当局のすべてのやりとりをより詳細に把握した上で、他の職員との間で活動を調整できるため、対象者をより積極的に管理できるようになり、何度も対象者から情報を収集する必要性が軽減されます。

HIPAAおよびデータ処理に関するコンプライアンスの強化: 機密情報を含むケース・ファイル文書は、セキュリティーで保護され、許可されたスタッフのみがアクセスできるように制限することができます。また、セキュリティー管理者は、追跡記録によって、対象者ファイルの内容を閲覧した人を特定できます。

ヘネピン郡では、既存のイメージ処理システムによって既に多少の効率向上を達成してはいましたが、ケース・ワーカーがいつどこにいても対象者の情報にアクセスできるようにすることで、生産性が徐々に向上し、業務に従事する労働力が増大することに気付きました。この投資により、ケース・ワーカーが、より柔軟に業務を推進でき、対象者の状況に応じた迅速な活動が可能になったことで、より大きなインパクトをもたらすことができます。

投資回収率(ROI)の計算

Nucleusは、ソフトウェア、ハードウェア、コンサルティング、人件費、研修にかかるコストを3年間にわたって計算し、ヘネピン郡による IBM FileNetへの投資額を定量化しました。ヘネピン郡は既存のFileNetのライセンスを既に有していたため、全ユーザーを 移行するのに要したソフトウェアのアップグレード・コストが、プロジェクトに使用したライセンスの継続保守料金のほかにかかった唯一のソフトウェア投資でした。ヘネピン郡によるコンテンツ管理への投資は継続中のプロジェクトであり、今後の開発計画に関わる人件費とコンサルティング費用は、このプロジェクトのコスト計算には含まれていません。今後の開発は別の取り組みで進められるためです。

郡は税を納めていませんが、Nucleusのすべてのケース・スタディーの場合と同様に、標準の50%の税率と5年間の定額減価償却スケジュールが適用されています。したがって、この結果は、民間企業で想定される結果と同等と見なすことができます。

Nucleusは、児童支援担当のケース・ワーカーと児童福祉担当のケース・ワーカーに関する生産性の向上度合いを、ファイルや書式へのリモート・アクセスが可能になったことによって節約できた1週間あたりの平均時間に基づいて定量化しました。また、節約できた時間と追加労働時間との間の非効率な移行時間を計算に入れるために補正係数を使用しました。この計算は、1人のケース・ワーカーの平均年間総負担コストに基づいています。定量化された直接的な利益からは、イメージ処理のサポートに要したスタッフの人件費が除外されています。イメージ処理がさらに自動化されて全文書が1つのシステムに格納されたためです。また、書式コストの削減が反映されています。ROIの計算にあたり、ケース・ワーカーがオフィスの外でも働けるようになったことによってヘネピン郡のオフィス・スペースとファイル保管スペースが削減されることは考慮されていません。また、コンテンツ管理を他の部局および職員にも展開することによって、ヘネピン郡が得られる追加利益も考慮されていません。

詳細財務分析まとめ

年間の投資回収率 (ROI): 61%

回収期間: 1.88年

年間の平均利益額: 2,482,291ドル

平均年間総保有コスト: 1,730,894ドル

利益

直接利益: 4%

間接利益: 96%

総額: 7,446,872 ドル

導入費用

研修: 2%

ソフトウェア: 27%

コンサルティング: 13%

ハードウェア: 4%

人件費: 54%

総額: 5,192,683 ドル

財務上の前提条件

すべての政府税率: 50%

割引率: 8%

 

お客様情報

ヘネピン郡は米国ミネソタ州87郡の中で最大規模の予算、見積もり市場価値、人口を有しており、同州の人口の約4分の1が暮らしています。ミネアポリス市はヘネピン郡最大の都市であり、郡庁所在地です。同郡保健福祉局は2004 年、郡の6つの局を統合することにより設立されました。その使命は、コミュニティーの安全性と安定性の向上、自立促進、収入確保、健康増進を図ることにより、個人、世帯、コミュニティーを強化することです。この局の対象住民は20万人であり、2010年の運営予算は4億7600万ドルです。

 

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ソフトウェア

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  • IBM Hybrid Cloud