Business Challenge story

年間100150台ペースで増え続けるサーバー。平均使用率16%という現実に、全体最適化を決断

ITISが仮想化を活用したITインフラの再構築に着手したのは2006年。しかし、同社の仮想化への動きは、それ以前からスタートしていました。技術管理統轄部 インフラ技術室 室長 菖蒲真希氏は、「仮想化を採用したそもそものきっかけは、サポート期限を迎えたWindows NTサーバーの老朽化対策でした。Windows NTサーバーの延命措置として、VMwareによる仮想化を選択したのです」と振り返ります。

また一方で、データセンターの移転を計画していた同社は、サーバー台数の増加に伴う課題にも直面。技術管理統轄部 インフラ技術室 統轄グループリーダーの佐山昌之氏は、「年間100~150台ペースでサーバーが増えていき、複数のベンダーのサーバーが混在した状態で全部で1,100台以上にもなっていました。しかし、サーバーの平均使用率は16%、ディスクは割り当てられたのが平均で38%ぐらいという状況。つまり、実際には使っていないものが多数並んでいる状態でした。移転先データセンターの限られたスペースに、増え続けるサーバーをどうやって収納するか、これは大きな課題でした。当社の中長期方針の中で運用コストの削減を重要テーマに掲げていたこともあり、データセンターの移転計画を機に、仮想化統合への動きが一気に加速することになったのです」と説明します。

Transformation

サーバーおよびストレージの仮想化統合によるITインフラ全体の最適化計画を立案

ITISは仮想化統合を進めるに当たり、IBMが提供するサーバー統合を中心としたITインフラの最適化手法「サーバー統合ことはじめ*」を活用。IBMとともに具体的な統合プランを検討していきました。佐山氏は、「約6年前に、国内ベンダー5社とSI業者3社からサーバー統合の進め方を提案してもらったのですが、短期間で現状分析や効果測定が行えるIBMのコンサルテーション・サービスは非常にわかりやすく、実践的かつ戦略的でした。その後、2005年1月から具体的なプランニングを始めたのですが、そこではより詳細な現状分析をしていただき、サーバー統合における標準化や機器選定、運用の基準、さらには課金の仕組みなどを提案いただきました。この段階で将来にわたる課題解決のアプローチや進むべき方向性を確認できたのは大きな収穫です」と評価します。

また、プランニングの重要なポイントになったのが、サーバー統合だけでなく、ストレージの仮想化統合を含めたITインフラ全体の最適化計画です。IBMからの提案内容はサーバー統合に加え、IBM System Storage SAN ボリューム・コントローラー(以下、SVC)によるストレージの仮想化統合を実現するものでした。これにより、全体最適の視点で一定規模の統合効果が見込まれたことは、プロジェクトの実行を力強く後押しする要因になったと言えます。こうしたアセスメントを経て、ITISは3年計画でサーバーを半減する目標を設定。策定したプランに従って、ITインフラの仮想化統合を段階的に進めることとなりました。その第1フェーズで実施したのが、データセンターの移行です。同社は2006年12月、仮想化統合により、2カ所にあったデータセンターを1カ所に集約。ハードウェアを物理的に移設することなく、テスト環境のほとんどを仮想化環境へと移行することに成功しました。「ここでかなりの台数を削減できたことで、仮想化の有効性を実感できましたね」と菖蒲氏。

続く2007年12月からの第2フェーズでは、既存サーバーの集約を本格化するとともに、新規サーバーも可能な限り仮想化環境に統合する方針でプロジェクトを進行。長期的な視点から戦略的なサーバー統合環境を目指すITISが選択したのが、リソース・プールの活用でした。同社はIBMの提案に基づき、標準的なサーバー構成パターンを「標準化環境」として定義。開発部門からの依頼に応じて、あらかじめプールしたサーバー・リソースの中からこの標準化環境を割り当て、条件に合致しないシステムのみ、従来どおり個別にサーバーを構築するというルールを完成させたのです。

「サーバー統合ことはじめ*

*現在は、以下3つのサービスでご提供しています。

  • クラウド・インフラストラクチャー・ストラテジー&デザイン
  •  ITサービス・ストラテジー
  • IBMサーバー最適化および統合サービス-VMwareによるサーバー仮想化

Benefits

450台のサーバーを79台に集約。新規サーバーの構築期間も4カ月から1日に

2009年からの第3フェーズ、2010年からの第4フェーズでは、いよいよリソース・プールの活用が本格化しました。具体的には、翌年度の開発計画に基づき、年1回必要なサーバー・リソースをIBMから一括購入。それをインフラとして発生する案件ごとに割り振っていくというサイクルが確立。また、システム別課金やサービス・レベル別課金の仕組みも動き出しています。

「従来は購買からリリースまでに最大4カ月かかっていましたが、今では依頼が来た翌日には環境を用意できます」と佐山氏。さらに菖蒲氏が、「一時的にサーバーが必要になるケースや、ディスクやCPUが足りないといった要望にも迅速に対応できるようになり、変化への対応力が向上しています。リソース・プールなら、オーバー・スペックが発覚して購入したものが無駄になる心配もありません。もう仮想化なしでの運用は考えられません」と続けます。

現在も、3年間で約450台を集約するという目標の達成に向け、仮想化の適用範囲を拡大し、統合作業を急ピッチで進めているITIS。リソース・プールを構成するサーバー群は、59台のIBM BladeCenterをはじめ、IBM System x3650やIBM System x3950などを含む計79台。一方、多種多様なサーバーとストレージが混在するSAN環境下において、ストレージの仮想化統合を担うのはSVCです。「IBMは、スケールアウト型とスケールアップ型のサーバー、ストレージの仮想化に対応したディスク装置など、幅広いラインナップを持ち、いろんなパターンに対応できる。特に、仮想化環境でボトルネックになりやすいディスクI/Oの問題を16GBの大容量キャッシュによる制御で回避でき、柔軟なディスク構成や階層型ストレージを実現するSVCは非常に魅力的な製品です」と語る佐山氏は、第4フェーズで新たに導入したハイエンド・ディスク・ストレージIBM XIV Storage Systemにも触れ、「物理ボリュームや論理ボリュームの設計から解放され、27TBものディスクを柔軟に使える。また、ソフトウェアなど必要な機能がオールインワンで用意されています。しかも管理ツールが優れているので扱いが容易。ユーザーにも大変好評です。現時点で、オープン系で最も優れたストレージだと思います」と高く評価します。

今回、導入や構築を担当したのは東京日産コンピュータシステム株式会社(以下、TCS)でした。今回のプロジェクトを振り返り、技術管理統轄部 インフラ技術室 グループリーダーの西村孝治氏は、「実際、初期のフェーズではいくつか技術的な問題が発生しました。しかし、今こうして第4フェーズまで来れたのも、IBMの技術サポートに加え、TCSの障害対応力によるところが大きかったと考えています」と語ります。

 

将来の展望

プライベート・クラウドへの進化も視野にグループ全体で仮想化による全体最適化を推進

ITISでは今回のプロジェクトの成功を足がかりに、今後はグループ全体で仮想化によるインフラ統合を進め、将来的にはプライベート・クラウドへと進化させることを計画。「ひとまず標準化のステージを終え、次の段階では自動化をどこまで推し進めていくかが課題。仮想化が進むにつれ、目に見えない論理的な構成の管理がますます重要になります」(佐山氏)。

さらに、IBM System xおよびIBM BladeCenterの設計思想であるX-アーキテクチャーの進化について、「最新の第5世代X-アーキテクチャー(eX5)では、搭載可能なメモリー容量も飛躍的に増え、低価格でより集約効率の高いインフラが実現できそうです。前向きに導入を検討したいと考えています」と期待を寄せています。

安全で快適な空間作りに総力を結集する住生活グループ。それを陰で支えるITインフラも、さらなる最適化に向けた挑戦が続きます。

 

お客様の声

技術管理統轄部 インフラ技術室 室長 菖蒲 真希氏

「要望にも迅速に対応できるようになり、変化への対応力が向上しています。もう仮想化なしでの運用は考えられません」

技術管理統轄部 インフラ技術室 統轄グループリーダー 佐山 昌之氏

「IBMは、スケールアウト型とスケールアップ型のサーバー、ストレージの仮想化に対応したディスク装置など、幅広いラインナップを持ち、いろんなパターンに対応できます」

 

お客様情報

2002年にトステムとINAXの経営統合によりINAXトステムグループ「住生活グループ」が誕生した際、グループ全体の情報システムの統括を目的として設立。さらに、ITインフォメーションシステムズ株式会社と株式会社INAX情報システム部門、新日軽株式会社情報システム部門、東洋エクステリア株式会社情報システム部門、サンウエーブ工業株式会社情報システム部門は2011年4月1日付をもって組織統合し、新生 株式会社LIXILインフォメーションシステムズとして新たに発足しました。

 

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  • Systems Hardware