Business Challenge story

既存のITシステムを活用した新たなシステム基盤を構築したい

子会社7社を有するユニマットライフでは、異なった業態での新規事業を次々と展開しています。しかしその際、ITシステムを作り直したり見直したりしなければいけないことが、同社のシステム室の課題でした。そこで既存のITシステムを活用できるシステム基盤を構築するためにSOAに着目したのです。

当時を振り返って、ユニマットライフのシステム室 室長 蓮見 裕一氏は、「SOAについてはまだ情報が少なかったため、IBMにSOAの相談をしたのが2008年秋のことです。そこで課題となったのは、一般論のSOAではなく、本当にSOAは自社にとって役立つものなのだろうか。それをどのように見極めればよいか、ということでした」と話します。 その後何度も検討した結果、同社の事業の一つであるトナーカートリッジのリサイクル事業における購買受発注業務を対象にSOA化を検証し、パイロット導入を決定しました。「このシステムは専任者が一人で担当しているため、導入が簡単で効率化を見極めやすかったという点があげられます。また今後、全社的にSOA化を推進するにあたって、対外的な宣伝アピール面でのインパクトの大きさも考えて購買受発注業務を選定しました」と同社システム室 課長代理 沖永 伸司氏は話します。

Transformation

パイロットフェーズとして購買受発注業務をSOA化

SOAの導入はユニマットライフ初の試みとなるため、「本当にSOAを導入できるかどうか不安もありました」と蓮見氏は話しますが、その不安を解消できたのはIBMが提供する「SOAオペレーティング・シナリオ」でした。「SOAを試してみたいが、その方法がわからない」お客様に対して、SOAを効率よく検証し企業内に展開するためのシナリオを作成するアプローチを活用して、2008年12月にはSOAツールのトレーニングをスタート。検証範囲の策定および検証開発を行いつつ、IBMの担当者を交えた定例ミーティングを週に1度は行うことで、スムーズな形でSOA化へのシナリオが進行していきました。

「新たなIT構造をどうするか1年近く悩んでいましたが、SOAオペレーティング・シナリオにより2カ月ほどでSOA化への道程を見極めることができました」(蓮見氏)。

従来の購買受発注業務では、担当者が販売管理システムから受注データを取り込んでいたほか、業者へ発注する際には暗号化してメール送信をするといった一連の手作業が発生していました。そのため、担当者が不在の場合には処理が遅延したり、他の担当者が代理で処理をしなければいけません。また、営業所から受注データの問い合わせがあった場合でも、出荷状況を確認することができませんでした。

「1日のデータ処理量は1000レコードあったほか、お中元やお歳暮におけるギフト品の受発注も購買受発注業務が担当しており、ピーク時には1日あたり2000~3000レコードにもなります。そのため、誤発注が発生することもありました」と同社システム室 岩野 修平氏は話します。

そこで、現行ベンダーであり、SOAのノウハウを持つ株式会社ユーフィット(以下、ユーフィット)の支援も受けながら、SOAオペレーティング・シナリオでSOA化の方向性が固まった2009年4月には購買受発注業務の担当者に対するプレゼンテーションを実施、パイロットフェーズがスタートしました。「ユーフィットには、現行システム運用ベンダーおよび先進的SOAベンダーの両面からご支援をいただき、短期間で検討が進みました」(蓮見氏)。

Benefits

受発注の自動化により効率化と営業へのメリットが実現

従来の購買受発注業務では、一連の作業時間として1日あたり3~4時間を費やしていました。しかしシステムをSOA化したことにより、ボタンを1回だけ押せば作業が完了するように劇的な変化を遂げたのです。「販売管理システムからのデータ抜き出し作業、発注データの暗号化作業、業者への発注メール作業など、一連の作業を「見える化」し、自動化しました。これにより実質的に担当者は不要となりましたし、時間がきたら実行するよう設定すれば無人化も可能です。もちろん、誤発注はゼロになりました」(蓮見氏)。 また、手作業ではできなかった取引先への細かい要望に対して、柔軟に対応することも可能になりました。さらに、出荷状況がリアルタイムで確認できるようになったので、営業担当者にとってもメリットが生じました。

このパイロットフェーズでは目に見える形の導入メリットだけでなく、将来にむけたメリットを感じたことも大きいと、同社 システム室 係長 山陰 敏弘氏は話します。「SOAは、これまでのシステムと比べて将来設計をしやすいと感じています。今後、新たなシステムを開発する際でも、異なるプラットフォームを導入する必要がなく、既存のIT資産を活用できるのがSOAの大きなメリットなのではないでしょうか」

 

将来の展望

今後はSOAの発想でシステム構築をしていくことが基本に

自動化された購買受発注業務ですが、受発注処理は電子メールを使用しています。そこで、「2010年4月以降にはWeb化していく予定です」と、同社 システム室 課長代理 子川 弘二氏は話します。「Web化することで営業所からいつでも受発注状況を確認することができるようになります。これは営業部門からの期待感も高いですね」さらに沖永氏は「これまでは、利用者からのニーズに対応するためのシステムの変更作業は数カ月を要していましたが、SOA化することにより、「メール連携」機能を「Web連携」機能に切り替えるだけで、容易に対応することができるようになります。SOAではシステム機能が部品化されるので追加変更の効率が劇的に高まります」と話します。

そして、購買受発注業務のSOA化の成功を見極めたうえで、ユニマットライフではさらなるSOA化を進めていく予定です。2010年度には、営業部門における見込み客管理やコーヒーサーバーの部品調達システム、そして現在は紙でやりとりをしている経理の仮払い申請の電子化などのSOA化が検討されています。また、同社では全国に120近くの営業所が設置されていますが、それぞれにデータやシステムが分散しているため、それをデータセンターに統合することも考えています。「パイロットフェーズで経営層にSOAのメリットをアピールして、販売系システムの再構築はSOAを意識したものにしたいと思っています」(蓮見氏)。

SOAはシステムをサービス化していくことです。さまざまな業態の事業を持っているユニマットライフでは、各事業それぞれのシステムをサービス化して一つのシステム基盤とするSOAは大きな効率化が期待できます。そこで、「今後は、『SOAという考え方の下にシステム構築をしていくこと』を当社のシステムの基本として考えています。IBMはSOAに関する高い技術力だけでなく、自社固有の状況に応じて適切な展開支援する実績、ノウハウも持っていることがよく分かりました。今後も大いに期待しています」と蓮見氏は話を締めくくりました。

 

お客様情報

1979年、前身となるユナイテッドスティール株式会社においてオフィスコーヒーサービス(OCS)事業を開始。そして1993年には、マット、モップ、空気清浄機、および浄水器などをルートシステムによりレンタル、販売をするレンタル事業を開始。以降、両事業を主力として、ビジネスエリアにオアシスを創造することをめざし、新時代のさまざまなサービスを提供しています。

 

パートナー情報

1970年、銀行系情報処理会社として設立。以降、金融業界にとどまらず、公共部門から、流通・製造業界まで幅広く、システムサポート活動の実績を積み重ねながら、コンサルティングからシステム設計、開発、運用、保守まで、上流から下流まで幅広い総合ITサービスを提供しています。2011年4月、TIS(株)、ソラン(株)、(株)ユーフィットが合併。新生「TIS株式会社」が発足しました。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

ソリューション

  • SOA

Solution Category

  • Systems Software