Business Challenge story

グループ企業に散在するサーバー管理の効率化とコスト削減が課題に

イオングループでは、必要なITシステム基盤を部門最適で導入してきました。例えばサーバーのリプレースを行う場合、会社や部署、業務ごとにサーバーを選定し、導入、設定、アプリケーションの移行などの作業を実施していました。そのため同様の業務システムでありながら、会社や部署、業務が違うために複数のサーバー環境を管理しなければならないという課題を抱えていました。

そこで生鮮システムが稼働していたサーバーのリプレースを機に、個別にサーバーを準備するのではなく、1つのプラットフォームでグループ各社の基幹業務システムを運用できるグループ共通基盤を構築することを決定しました。北澤氏は、「いきなりグループ企業の中核となる業務アプリケーションまで統合するのは難しいので、まずはサーバーやネットワークなどのインフラ部分を統一化していくことを考えました」と話しています。

グループ共通基盤を構築する目的は、ITコストの削減と事業継続性計画(Business Continuity Plan:以下、BCP)強化の大きく2つです。北澤氏は、「複数のサーバーを維持管理するよりも、統合により全体最適化した方が、調達コストも、運用管理コストも低減できます。また東日本大震災以降、BCPの強化が求められていますが、複数のサーバーを統合し、シンプルな環境にすることで、ディザスター・リカバリー(以下、DR)の実現も容易になります」と話しています。

Transformation

IBM iとAIXの両方が稼働できる点を評価してIBM Power 770を採用

イオンアイビスでは、2011年10月からIBM i、AIX向けのグループ共通基盤の構築プロジェクトをスタートし、IBM Power 770を導入したグループ共通基盤を構築。2012年4月から順次業務システムを移行して、6月から本格稼働を開始しています。今回、構築されたグループ共通基盤は、2台のIBM Power 770を冗長構成で導入し、IBM i用の論理区画(LPAR)8区画とIBM AIX用の論理区画8区画に、6台のIBM iと他社製ハイエンドUnixサーバーを移行しています。

IBM Power 770は、IBM POWER7プロセッサーを搭載し、IBM i(旧i5/OS)やIBM AIX、Linuxをサポートする高速かつ高信頼のサーバー製品です。今回、IBM iで動いていた生鮮品の発注システムや物流のシステム、輸入商社系のシステムなどが、IBM iが導入された論理区画で稼働しており、Solaris上で稼働していた生鮮品の発注計画系システムがAIX環境に移植され、AIXが導入された論理区画で稼働しています。

システム開発本部 商品・物流システム統括グループ 統括マネージャーである小林謙太郎氏は、次のように語ります。「IBM iをベースとした生鮮システムとUnixをベースとした発注システムを、いかに効率的に運用できるかがプラットフォーム選定の最大のポイントでした。最終的には、IBM iとAIXをPowerVMにより1つのプラットフォーム上に仮想化できることを評価してIBM Power 770の採用を決めました」。

また、システム開発本部 生鮮システムグループ マネージャーの野田真一氏は、「IBM iの最新バージョンへの移行は、IBMでもすでに多くの実績があるので、まったく心配ありませんでした。一方、SolarisからAIXへの移行以上に、Oracle9i DatabaseからOracle Database 11gへのバージョンアップが必要だったので、業務アプリケーションの3割程度の変更が必要でした。数千本のプログラムのコンバージョンが必要でしたが、IBMミドルウェア・インプリメンテーション・サービスもあり、大きな問題もなく移行できました」と話しています。

Benefits

業務プロセスを変えることなくITインフラの統一化を実現

IBM i、AIX向けのグループ共通基盤にIBM Power 770を採用した効果を野田氏は、次のように語ります。「グループ共通基盤を構築したことで、グループ企業が個別にハードウェアを調達する必要がなくなり、機器調達コストを削減できました。また、それ以上に運用管理や保守、設備など、ランニングコストの削減を期待しています。実際、データセンターの専有面積も半分以下になり、ランニングコストも半減しています」。

野田氏は、「グループ共通基盤は、20社以上のグループ企業が利用しています。今回、利用者に大きな影響を与えないように、業務システムのインターフェースは変えていませんが、パフォーマンス改善による操作性の向上を感じてもらえています。以前はピークの時間帯に反応が遅くなっていた処理も、IBM Power 770のリソースプールにより空きリソースを有効活用できるので柔軟性が向上しました」と話しています。

また小林氏は、「IBM iは、AS/400の時代から15年以上使っていますが、信頼性が非常に高く、これまでに大規模なトラブルはほとんどありませんでした。一方、IBM iとAIXを混在できるIBM Power 770は、これまで利用してきた他社製Unixサーバーに比べてパフォーマンスや可用性に優れており、さまざまなリスクを軽減できました。移行期間も短縮することができ、トータルコストも大幅に削減できました。また、IBMのリモート監視サービスやIBM Tivoli Workload Schedulerを活用することで、運用監視も大幅に効率化されました」と話しています。

さらに今回、AIXで稼働する店舗管理システムのためのストレージ環境として、IBM Storwize V7000が導入されています。IBM Storwize V7000について野田氏は、次のように語ります。「IBM Storwize V7000は、速度も速く、システムを停止することなく保守作業ができるので非常に便利です。また信頼性も高く評価しており、特に瞬時にフェイルオーバーができるのは大きなメリットです」。

そのほかIBMのサポート体制について小林氏は、「システムの提案から開発、テスト、移行に至るまでに、いくつか小さな問題はありましたが、IBMの十分なサポートにより、迅速に解決することができました。毎週、IBMの担当者とミーティングを実施して、課題を洗い出し、優先順位をつけて対応できたのが、短期間でのシステム構築を実現できた要因だと思っています」と話しています。

また北澤氏は、「IBM i、AIX向けのグループ共通基盤を構築したことで、業務プロセスやオペレーション・スタイルを変えることなく、ITインフラ部分を統一化することができました。これだけのシステム構築をほとんど問題なく、短期間で実現できたのは、IBMのサポート担当者のプロジェクトマネージメントにおける経験やノウハウが十分に生かされた結果ではないかと高く評価しています」と話しています。

 

将来の展望

グループ企業で稼働しているシステムの統合とBCP強化にも期待

今後、イオンアイビスでは、ほかのグループ企業に導入されているIBM iやUnixシステムをグループ共通基盤に統合していきたいと考えています。小林氏は、「今後はグループ企業のシステムも、最適なタイミングでグループ共通基盤に統合することで、より一層の効率化を推進していきたいと思っています」と話しています。  また今後、BCPの強化もさらに推進していく計画です。北澤氏は、「BCPの強化に関しては、別のデータセンターにバックアップ機能を構築し、DR環境を実現したいと考えています。今回、複数のサーバーを統合し、DRを実現しやすいシンプルな環境が実現できました。また運用コスト半減によるDR環境構築の原資が見込めるため、今後はシステム全体の可用性の強化を目指します。そのためにも、IBM Power 770を中心としたグループ共通基盤には、今後も大きな期待を寄せています」と話しています。

 

お客様の声

イオンアイビス株式会社 システム開発本部 本部長 北澤 清氏

「これだけのシステム構築をほとんど問題なく短期間で実現できたのは、IBM担当者の経験やノウハウが十分に生かされた結果と高く評価しています」   

イオンアイビス株式会社 システム開発本部 商品・物流システム統括グループ 統括マネージャー 小林 謙太郎氏

「最終的には、IBM iとAIXをPowerVMにより1つのプラットフォーム上に仮想化できることを評価して、IBM Power 770の採用を決めました」   

イオンアイビス株式会社 システム開発本部 生鮮システムグループ マネージャー 野田 真一氏

「グループ共通基盤を構築したことで、グループ企業が個別にハードウェアを調達する必要がなくなり、機器調達コストを削減できました。また、それ以上に運用管理や保守、設備など、ランニングコストの削減を期待しています」

 

お客様情報

2009年8月設立。イオンアイビスでは、総合小売業だけでなく、グループ経営全体で、品質・サービス向上と合理的コスト削減の両立に貢献できるITサービスの提供を目指しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM Power 770
  • IBM Storwize V7000
  • IBM System Storage TS3100 テープ・ライブラリー
  • IBM System Storage TS3200 テープ・ライブラリー

ソフトウェア

Solution Category

  • Systems Hardware