Business Challenge story

高品質を確保した上で低コスト化を追求。顧客ニーズに迅速に対応できる柔軟さも重視

このサービスを提供する上で、IDCフロンティアが最も重視したのが「品質の確保」でした。「安価に提供するからといって、それなりの品質で我慢していただくというのは、私どものポリシーに反します」と説明するのは、NOAHのシステム設計リーダーを務めている、ビジネス推進本部 サービス開発部の寺門 典昭氏です。「クラウド型サービスでも、まずは品質を大切にしたい。その上で低コスト化を追求していこうと考えました」これに加えシステム増強を柔軟に行えることも重要な課題になりました。顧客ニーズや負荷の変動に迅速に対応するには、サーバーやストレージの追加を短時間で行える必要があるからです。

IDCフロンティアではこれらの要件を満たすクラウド基盤を構築するため、2009年11月に複数のベンダーに対しRFPを提示します。このとき仮想化ソフトウェアとしてVMwareを使用することも前提条件になりました。IDCフロンティアは各社からの提案内容について5〜6回程度のすりあわせを行い、提案内容の比較表を作成。その結果2010年2月にIBMの提案を採用することに決定したのです。

Transformation

決め手はビジネス全体を視野に入れた体制提案。調達が容易で故障率が低い製品特性も評価

IBMの提案は、サーバー製品としてIBM System x3650 M2、ストレージ製品としてIBM System Storage N3400を使用するというものでした。IDCフロンティアは最初に数百VM相当を稼働させるサーバーとストレージを導入し、2010年5月から限定された顧客に対するβ版提供を開始。その結果をサービス内容にフィード・バックした上で、2010年6月からの本サービスを開始しました。

「IBM System x3650は供給量が豊富で、必要な時に届きます」と語るのは、NOAHのシステム構築リーダーを務める、ビジネス推進本部 新基盤開発部の菊石 謙介氏です。これはシステム全体の柔軟性を高める上で、極めて重要な意味を持っていると指摘します。またIBMは、発注してから短期間で納入できる体制も整備しています。現在は納品するサーバーを最新モデルのIBM System x3650 M3へと移行していますが、ここでもこの体制は維持されています。

その一方で寺門氏は「メモリー・スロットの数が他社製品より多いこともIBM System x3650のメリット」だと指摘します。メモリー・スロットが多ければ、一世代前のメモリーで大容量メモリーを確保できます。一般に最新世代のメモリーに比べ、一世代前のメモリーは小容量ですが、容量当たりのコストは低くなります。そのためメモリー・スロットが多ければ、同じメモリー容量を低コストで実現しやすくなるのだといいます。

IBM System Storage N3400に関しては、パフォーマンス管理ツールの存在が高く評価されています。適切なストレージ管理を行うには負荷チューニングが重要になりますが、この管理ツールを使うことで、しきい値管理や履歴管理が容易になるのです。

運用管理も容易です。IDCフロンティアでは以前からIBM Systems Directorを導入し、システム運用管理の効率化を進めていました。今回導入されたIBM製品もIBM Systems Directorによって統合管理できます。さらに菊石氏は「故障率の低さも大きなメリット」だといいます。NOAHでは本サービスに入る前、ストレス・テストを含むテストが約3カ月にわたって実施されました。その結果「他社製品に比べてパフォーマンス、信頼性共に高いことが確認されました」(菊石氏)。しかしこれらの製品特徴以上に高く評価されているのが、IBMのプロジェクトマネジメント体制です。「他社は単なる一案件としての提案しかしてくれませんでしたが、IBMはIDCフロンティアのビジネス全体を視野に入れた、継続的な体制を提案してくれました」と粟田氏。このような取り組みが、最終的にIBMの提案を採用する決め手になったのだといいます。

Benefits

ビジネス・サイクルの短い市場で急成長。需要急増への対応もIBMの支援でクリア

IBM 製品でNOAHの基盤を構築することで、顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応できるサービスが可能になりました。その結果NOAHは、ビジネス・サイクルが極めて短いソーシャル・アプリケーション・プロバイダーが運営するソーシャルアプリ向けのクラウド・サービスとして、急成長し続けています。NOAHは2011年3月時点で数百台規模のIBM System x3650を導入しており、ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー向けクラウド・サービスとして数多くのユーザー企業に活用されています。

IBMとのパートナーシップは、需要急増への対応も可能にしています。例えば2010年後半には顧客数の増大と顧客毎の負荷増大が同時に発生し、大規模な需要増へとつながりました。「このときIBMは土日を含めた対応を行い、増大ペースに遅れることなく需要を満たすことができました」と菊石氏は振り返ります。またIBMは週次定例ミーティング等によってNOAHに関する情報をきめ細かく共有しており、需要予測にも参画しています。現在は2〜3カ月先までの予測を行えるようになっており、需要増に先手を打つ体制も整備されています。

IBM 以外のベンダーが提供するソフトウェア製品の機能検証についても、IBMのエンジニアが支援しています。例えばVMware vSphere 4.1ではI/O 制御機能が追加されていますが、この機能の検証と活用メリットの分析はIBMのエンジニアが実施し、その結果がIDCフロンティアに報告されています。「このような対応は新技術をスピーディーに取り入れる上で、大きな貢献を果たしています」(寺門氏)。

将来の展望

広告キャンペーンやスマートフォン向け等他の分野でも積極的にビジネスを展開

現在のNOAHは「ソーシャルアプリパック」等のパッケージ・サービスもラインアップしており、ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー向けのクラウド・サービスとして積極的にビジネスを展開しています。しかし今後は他の分野にもビジネスを拡大していく計画であり、そのための取り組みも着々と進められています。

その1つが「スポット広告パック」の提供です。これは広告キャンペーンのランディング・サイトを提供するサービスであり、すでに提供が始まっています。また2011年4月には、スマートフォン用アプリケーション配信向けの「スマートフォンパック」をリリースしています。

「現在はスマートフォンの他、電子書籍・動画配信・EC 等に加えて企業内情報システムにも取り組んでいます」と粟田氏。「これらのビジネス展開も、ビジネス全体を見てくれる良きパートナーとして、IBMに支えてもらいたいと考えています」

お客様の声

株式会社IDCフロンティア ビジネス推進本部 カスタマーコミュニケーション部 部長 粟田 和宏氏

「IBM はIDCフロンティアのビジネス全体を視野に入れた、継続的な体制を提案してくれました。これが採用の決め手です」

株式会社IDCフロンティア ビジネス推進本部 サービス開発部 寺門 典昭氏

「NOAH で最も重視したのは品質の確保です。まずは品質を大切にしたい。その上で低コスト化を追求していこうと考えました」

株式会社IDCフロンティア ビジネス推進本部 新基盤開発部 菊石 謙介氏

「IBM System x3650 は供給量が豊富で、必要な時に届きます。他社製品に比べてパフォーマンス、信頼性共に高いこともIBM 製品の大きなメリットです」

お客様情報

2009 年2月設立。同年3月にYahoo! JAPANグループに参加し、同年4月に株式会社IDCフロンティアに社名変更しました。長年の経験によって培われてきた高信頼データセンターを全国9カ所に展開し、データセンター専業事業者として国内で豊富な実績を持っています。また最近ではデータセンター事業者として先駆けとなるパブリック型クラウド・サービス「NOAH」を開発し、顧客が必要とす るITリソースを、必要なとき、必要なだけ利用できる環境も実現。多種多様なビジネス・ユーザーのニーズに対応したサービス・メニューの継続的な強化を行うことで、クラウド・コンピューティングとオープン・プラットフォームの利活用を推進し続けています。

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

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*1:出典:IDCフロンティア「プレスリリース」(2010年)​(外部サイトへリンク)

Solution Category

  • Systems Hardware