みずほ銀行、IBM Instana Observabilityによりインシデント対応時間を短縮し、チーム間連携を強化
インターネットバンキングの先駆者である株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)は、Webサイトやアプリを通じて数百万の顧客にサービスを提供しています。オンラインサービスが主流になるにつれ、顧客にとって24時間アクセスでき、一貫した操作性を備えたシームレスなサービスは当たり前のものになりました。一方で、銀行のIT環境はますます複雑化し、大規模で重要なインフラの維持を担う少数の運用チームに大きな負担がかかっていました。
従来の監視ツールは問題の発生後にアラートを出す仕組みであり、チームは問題発生後に手動で原因を調査せざるを得ませんでした。そのため根本原因の特定と報告に3時間を要することもありました。煩雑な報告業務は戦略的な開発のためのリソースを奪い、問題解決の遅れは顧客満足度や信頼性にも悪影響を及ぼしていました。システム障害が社会問題となりうるオンラインバンクの世界において、みずほ銀行は安定性と信頼性を維持し、問題の深刻化を未然に防ぐためのオブザーバビリティー(可観測性)の導入を必要としていました。
運用のモダナイズとリスク低減のため、みずほ銀行はIBM Instana Observabilityを導入しました。このソリューションにより、システム・パフォーマンス やアプリケーション挙動をリアルタイムで可視化し、顧客に影響が及ぶ前に問題を検知・解決することが可能になりました。
みずほ銀行デジタルチャネルITチームの萩原 大貴氏は「新たなインターネットバンキングのリリースに当たって、障害を避け、サービスを守りたいと考えていました。そこでオブザーバビリティーという仕組みを取り入れ、何かあっても迅速に対応できるようにしようと考えました」と語ります。
みずほ銀行がInstanaを選んだ理由は、サーバー1台あたり5分以内に導入でき、既存システムへの影響を最小限に抑えられる迅速性と、技術者・非技術者の双方が活用しやすい直感的なダッシュボードにありました。IBM ConsultingおよびIBM Technology Expert Labsの強力なサポートを受け、みずほ銀行はWeb版のインターネットバンキング「みずほダイレクト」の大型リニューアルの際にInstanaを統合しました。
みずほ銀行のITチームは、複数のシステムやプラットフォームにまたがるシステムの稼働状態や処理速度の低下、取引の流れをリアルタイムで把握できるようになりました。これにより、テスト環境で問題を再現したり、ログデータを待ったりすることなく問題の調査・理解が可能になりました。さらに、Instanaのカスタム・ダッシュボードを活用したことで、特に新サービス開始直後などの重要な時期における情報共有や報告を簡素化することに成功。パフォーマンス・データが可視化され、かつ実用可能になったことで、IT部門とそのほかの業務部門間の連携が強化され、みずほ銀行が「火消し型」から「予防型」へと運用体制をシフトする後押しとなりました。
IBM Instana Observabilityの導入により、みずほ銀行は運用効率、顧客サービス、システムのレジリエンスにおいて目に見える成果を上げました。問題調査・報告に要する時間は65%以上短縮され、約3時間かかっていたインシデント対応時間は1時間にまで改善されました。さらに、技術チームとビジネスチーム双方で共通の可視性を提供するダッシュボードの活用により、レポート作成にかかる時間が50%以上短縮され、経過観察に必要な工数も大幅に削減されました。
みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 IT本部第2事業部第4部課長の岩崎 歌織氏は、「Instanaの導入によって、どこでスローダウンが発生しており、何が問題になっているか、どこまで影響が及んでいるのかといった事柄が可視化され、ぱっと見ただけで状況を把握できるようになりました。現状把握のスピード感に大きな違いがありました」と述べています。
こうした成果を受け、みずほ銀行はInstanaを他のシステムやチャネルにも拡大し、IT環境全体の統合的なオブザーバビリティーを進めています。今後も引き続き、インターネットバンキング基盤のさらなる強化を目指していきます。
株式会社みずほ銀行(ibm.com 外部へのリンク)は、日本を代表する大手金融機関のひとつであり、個人・法人・機関向けに幅広い銀行サービスを提供しています。みずほフィナンシャルグループの中核として、日本の金融インフラを支える重要な役割を担うと同時に、デジタルバンキングの分野でもイノベーションをリードしています。顧客体験と優れたオペレーションを重視し、最新テクノロジーへの積極的な投資を通じて、安全・シームレス・信頼性の高い金融サービスをデジタルチャネルで提供し続けています。
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