ビジネス上の課題

Mitsubishi Motors社の顧客中心のアプローチは目覚ましい成長をもたらしましたが、取り扱い量の増加により、特にピーク時にはITインフラストラクチャーの信頼性が低下していました。

背景と概要

Mitsubishi Motors社は、IBM Servicesとの協業により、既存のSAPインフラストラクチャーをIBM Cloudに移行しました。データの移行は簡単かつシームレスで、所要時間はわずか12時間でした。

成果

80% 削減

災害復旧時に予測されるダウンタイムを大幅に削減

3,000ユーザーをサポート

ピーク時のアクティビティーおよび将来の拡張に備えて容量を追加

管理時間の短縮

営業担当員は販売に専念

ビジネス上の課題の詳細

成長するビジネスと流動的なITニーズ

1年に一度であっても一生に一度であっても、新車の購入は重大なイベントであり、ワクワクすると同時に、いろいろな要素を検討しなければならない複雑さもあります。販売代理店のスタッフは、購入検討中のお客様への電話応対や、商品を吟味しに来たお客様への対応など、最初の段階から重要な役割を果たします。Mitsubishi Motors社のようなディーラーは、信頼関係の構築が購入者の満足につながると考えています。購入者は各モデルの長所と短所を比較検討したうえで、購入条件に関する話し合いに入ります。

そうした販売サイクルの重要な時点においては、販売代理店でのすべての業務が円滑に進む必要があり、ITネットワークは特に重要な役割を果たします。ネットワークが低速であったり不安定であったりすると、お客様はいらだち、信頼感をなくしてしまい、購入をやめてしまう場合さえあります。

幸い、Mitsubishi Motors社の販売代理店のスタッフは人柄がよく知識や経験も豊富であり、彼らが販売する車は魅力的で信頼できます。しかし、中核的なビジネス・プロセスのすべてを実行する同社のITインフラストラクチャーは、月末の販売促進期間など需要が高まる時期に、機能の低下が見られるようになりました。システムはビジー状態になると処理速度が低下し、スタッフは必要とされているときにお客様への迅速で丁寧な対応ができなくなっていました。

問題は繁忙期の処理量の増加だけではありません。最高情報責任者(CIO)のMark Tiddy氏は「当社は飛躍的な成長を遂げており、売上は5年前から約50%も増加しています」と述べています。

同社では、ITインフラストラクチャーを安定的に稼動させながら、持続的な成長と変化する販売サイクルを管理することが困難になりつつありました。そこで同社は、オーストラリア国内の販売代理店にある個々のインフラストラクチャーに対して継続的な増分アップグレードを行う代わりに、業界で先行してクラウドへの全面的な移行を実施することにしました。

旧システムから新システムへ実際にデータを移行する作業はシームレスに行われました。移行作業はビジネスを中断することなく完了しました。

Mark Tiddy氏, チーフ・インフォメーション・オフィサー, Mitsubishi Motors Australia Ltd.

背景と概要の詳細

クラウドへの迅速でシームレスな移行

Mitsubishi Motors Australia社は、オーストラリア国内のディーラー200社をIBM Cloudに移行し、販売、在庫、予備部品、サービス、保証、レポート作成、コンプライアンス、および販売代理店用カスタマー・リレーションシップ・マネジメント・システムを提供しています。

同社はIBM Servicesの支援を受けてSAPシステムを構築しました。SAP ERPを基盤とするこのシステムは、SAP Customer Relationship Management(SAP CRM)、SAP NetWeaver® Portal、SAP Business Warehouse(SAP BW)、SAP Governance, Risk and Compliance(SAP GRC)が組み込まれており、IBM Db2®で動作します。IBMは、同社のSAP環境をアップグレードするいくつかの重要な作業も支援しました。同社はIBMとの30年にわたる良好な関係の継続を目指して、増大するIT要件に対応するためにIBM Cloud SAP認定インフラストラクチャーを選択し、移行を行うためにIBM Servicesを選択しました。IBM Servicesは、エンタープライズ・リソース・プランニング、エンタープライズ・ウェアハウス、CRMの各アプリケーションを含む、IBM Cloud SAP認定インフラストラクチャーへの移行全体を主導しました。

基幹業務のSAPアプリケーションを移行することで、ディーラーはビジネスのニーズに合わせて環境を拡張してピークの販売需要に対応し、業務の中断を最小限に抑えることができます。

Tiddy氏によると、ビジネス上重要なアプリケーションをクラウドに移行すると問題が発生する可能性もありました。「指摘された問題の1つは、SAPが各種のインフラストラクチャー・プラットフォームに対し、非常に厳しい認証プロセスを設定していることでした。IBMはSAPと直接協力し、IBMのインフラストラクチャーが適切に認定されていることを確認しました」とTiddy氏は説明しています。こうしてプロジェクトは順調に進み、Tiddy氏とそのスタッフは移行準備に注力することができました。

Mitsubishi Motors Australiaアカウント担当のIBMデリバリー・プロジェクト・エグゼクティブ、Darryl Crittenden氏も「大規模な移行の場合と同様に、いくつかの問題が発生しましたが、IBMはプロジェクトを最後まで遂行し、初めてのSAP認証を取得しました」と述べています。

その結果、移行は正常に完了しました。「旧システムから新システムへ実際にデータを移行する作業はシームレスに行われました」とTiddy氏は話しています。移行作業はビジネスを中断することなく完了しました。最終的な切り替えは週末に行われました。膨大な量のデータを1つのシステムから別のシステムに移行する必要があったことを踏まえると、ダウンタイムは極めて短時間ですみました」

成果の詳細

レジリエンシー、信頼性、拡張性

Mitsubishi Motors社はデータを移行した結果、新しいIBM Cloudインフラストラクチャーによって実現された改善にも満足しています。Tiddy氏が特に成果を認めているのは、新しいソリューションのレジリエンシーです。Tiddy氏は「IBM Cloudソリューションに移行する前は、実際にDR(災害復旧)システムへの切り替えが必要になった場合、当社の専用インフラストラクチャーでは数週間にわたってダウンタイムが発生していたでしょう」と述べています。現在では、災害時に発生し得るダウンタイムはわずか数時間です。

同社にとってこうしたダウンタイムの削減は特に重要であるとTiddy氏は述べています。「このビジネスでは、1~2日以上のダウンタイムは許容できません。ひと月の間に繁忙期と閑散期があることを考えればなおさらです。」

IBM Cloud SAP認定インフラストラクチャーのもう1つの重要な利点は、信頼性と管理の容易さです。営業担当員は売り場からシステムに速やかにアクセスできるようになったため、自動車購入の機会を逃すことがなくなりました。  

また、SAPソリューションをIBM Cloudに移行することで、これまでにない拡張性がもたらされました。数年にわたる成長と今後のさらなる発展に支えられ、同社は取引量の増加に適切に対処できる態勢を整えています。実際、既に同社はこのソリューションをオーストラリア国外に拡張することを検討しています。「パートナーシップの次は、Mitsubishi Motors Australiaで得た教訓を生かし、それをグローバルに展開していきます」とTiddy氏は語っています。「親会社の三菱自動車工業は、当社のアプリケーション・プラットフォームを世界中の販売業者で再利用することを目指しています。」

Mitsubishi社のロゴ

Mitsubishi Motors Australia Ltd.

1980年に設立され、オーストラリアのメルボルンに本社を置くMitsubishi Motors Australia社(外部リンク)は、世界的企業である三菱自動車工業株式会社の子会社です。2,000人以上の従業員と205カ所の販売拠点を擁する同社は、小型車、スポーツカー、セダン、 SUV、トラック、ハイブリッド車などさまざまな三菱自動車の販売・サービスを取り扱っています。2017年度の年間売上高は68億米ドルでした。

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