三菱自動車工業株式会社
グローバルに展開するサービス拠点と本社間をシームレスに結ぶ故障診断データ収集基盤を構築。顧客対応のスピードアップをIBM Asperaで実現

グローバルに販売網を展開している三菱自動車工業株式会社(以下、三菱自動車)のディーラーのもとには、メンテナンスや修理などで日々自動車が持ち込まれてきます。各サービス拠点の整備工場には専用の故障診断機が設置され、主に電気系統のモジュールのデータを読み取り、故障診断作業をしていますが、以降のアフターサービスの業務プロセスと分断されているのが課題となっていました。これを解決すべく、IBM Asperaを活用したデータ収集基盤を構築しました。車両から実データを計測・収集し、本社側の業務部門に送って分析・診断を行い、その結果をサービス拠点へフィードバックするという一連のプロセスを自動化することで、顧客対応をスピードアップします。また、サービス拠点スタッフの作業時間の短縮についても期待されています。

ビジネス上の課題

三菱自動車の整備工場では「MUT-3」と呼ばれる独自の故障診断機でメンテナンスや修理などで持ち込まれてくる自動車の電気系統のモジュールなどから各種データを読み取り、故障診断に利用していますが、このデータを直接本社側のフィールドサービス部門・品質管理部門・開発部門に送信する仕組みが整備されておらず、販社での故障診断作業を支援するなどの対応を迅速にできませんでした。故障原因の特定や対処方法の判断が遅くなってしまう場合もあるため、顧客満足度の低下につながるリスクがあります。サービス拠点の現場で収集したデータを以降のアフターサービスの業務プロセスとシームレスに連携・連動させるためのシステムを一刻も早く構築する必要がありました。

概要と経緯

課題の解決策を検討する過程で、三菱自動車は社内の2つの業務で既に効果が実証されていたファイル転送ソリューションのIBM Asperaに着目しました。1つは国内外で行われる試験車走行結果データを取集するシステムで、1Gバイトのデータ転送を1時間以内に完了することが可能です。もう1つはグローバルに分散しているノックダウン工場から生産履歴を収集する大容量データ収集基盤で、従来のメール添付によるデータ収集にかえて導入され、業務負担の軽減やセキュリティー向上などの大きな成果をあげています。同社は2017年7月に故障診断データ収集システムへのIBM Asperaの採用を正式決定、同年11月からシステム構築を開始し、現在は試験運用を行っています。

効果と今後の展望

IBM Asperaを基盤とした故障診断データ収集システムは、2019年中に正式稼働予定です。新システムによって、持ち込まれた車両からデータを計測・収集し、本社側に送って分析・診断を行い、その結果をサービス拠点へフィードバックするという一連のプロセスを、ほぼ自動化する機能が実現し、各サービス拠点に対するサービス支援業務が大幅に改善され、顧客対応もスピードアップします。ただし、各サービス拠点やお客様からご満足いただけるレスポンスを実現するために、データ中継ノードを削減することでネットワーク構成の最適化を図る必要があります。また、より正確な故障診断を行うために、MUT-3から収集される計測データだけでなく、動画などの非構造化データも収集できるようにしてほしいとの要望もあり、同社はビッグデータをより効率的かつ自動的に分析することもできる故障診断データ収集システムへの発展を目指しています。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

  • IBM Aspera

当事例に関する図表を含めた詳細な情報は、下記「PDFダウンロード」よりご覧いただけます。

高品質の大容量データのやり取りが必要になったときこそ、IBM Asperaの真価が発揮されると考えています 深谷 俊樹氏 グローバルアフターセールス本部 GAS事業企画部 担当部長 三菱自動車工業株式会社

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