Business Challenge story

大量に蓄積された「眠ったデータ」を活用するために分析ツールの導入を検討

ウェブクルーは、自動車保険一括見積もりサイト「保険スクエアbang!」の運営を目的として1999年に設立。以来、保険分野、生活分野、自動車分野などにおける比較サイトを運営するマーケットプレイス事業を主体に事業展開してきました。近年では、生命保険代理店、飲食店運営などのリアル事業も手掛けるなど、消費者の生活に密着した有益な情報とサービスを多角的に提供しています。

ウェブクルーのビジネスについて、同社 システムディビジョン システム戦略グループ データ分析チーム リーダー 伊藤 智也氏は次のように説明します。

「ウェブクルーは保険や引越しなどの比較サイトを運営しています。サプライヤーの方々から手数料をいただくことで、エンドユーザーはこれらの比較サイトを無料で利用することができるようになっています。この比較サイトを軸にビジネスを推進していますが、そこから領域を拡張してアウトバウンド、インバウンドなどを含めた代理店業務も展開しています」

こうしたビジネス展開を通じて、ウェブクルーではさまざまなデータを蓄積してきました。

「エンドユーザーの情報やアクセス・ログなど、膨大なデータを蓄積していたのですが、その活用に関しては、スタッフが個々の判断で集計していた程度で、組織としてそれらの情報を活用してアクションを起こすということはしていませんでした。この眠ったデータを組織として統合的に活用するためには、分析ツールの導入が必要だと判断しました。またそれまでの集計作業はExcelなどを使っていたので非常に時間を要していたので、それを効率化するという目的もありました」(伊藤氏)

Transformation

SPSS Modelerによる情報分析結果の有効な活用方法を模索

ウェブクルーでは、導入する分析ツールの検討を開始。幾つかの製品を比較検討した結果SPSS Modelerの導入を決定しました。

「ウェブクルーでは以前よりIBM 製品をよく使っていたこともありますが、SPSS Modelerのユーザー・インターフェースは分かりやすく、操作性に優れているということを評価しました。またさまざまな分析機能を備え、拡張性にも優れていたこともSPSS Modelerを採用した大きな理由となっています」(伊藤氏)

SPSS Modelerは分かりやすいビジュアル・インターフェースを操作するだけで、高度な各種分析を簡単に行うことができるデータマイニング/テキストマイニング・ソフトウェアで、ウェブクルーでは2011年10月にデスクトップ版とサーバー版を導入しました。SPSSModelerを導入したウェブクルーは、まずはスタッフが分析作業に慣れるため、研修も含めて試験的な分析作業を進めました。

この段階でウェブクルーが行った分析は、例えばサイトを利用・登録したユーザーに対して電話で製品を案内するアウトバウンド業務において、成約につながりやすいユーザーの傾向について分析するといったものです。これまでウェブクルーのアウトバウンドでは、すべてのユーザーに対して電話を掛けていましたが、この分析結果に基づいて優先順位を付けるなどの工夫をしました。

「このように分析結果を担当部門で利用できるように試みたのですが、このアウトバウンドの例では、優先順位は付けたものの、最終的にすべてのユーザーに電話していたので、業務効率化などの顕著なビジネス成果につなげることができませんでした。例えば、分析結果に基づいて電話の本数を絞り込むなどすれば、利益率の向上につながったかもしれませんが、分析結果の活用に確信を持つことができず、逆に利益率が落ち込むリスクもあるのではないかという懸念からそこまで踏み込めなかったのです。つまりそれまでは社内での情報分析に対する認識レベルが低く、文化が浸透していなかったといえるでしょう」(伊藤氏)

そうした状況の中でもある程度の成果につながった取り組みもありました。例えば、引越しサイトなどで、それまでのユーザーの選択傾向に基づき、幾つかのサプライヤーを推薦するというものです。分析結果に基づいて推薦した場合の結果が無差別に推薦した場合よりも数%上回るという成果に結び付きました。

Benefits

分析の自動化などの仕組みを整え、分析手法もより効果的なものに強化

こうした状況を打破するため、SPSS Modeler による分析結果のさらなる業務反映を模索していたウェブクルーは、手始めとしてAITが2014年3月に開催した「IBM SPSSModeler 無料体験セミナー」に参加。それをきっかけにAITに分析支援を依頼しました。株式会社AIT ソリューション営業本部 戦略ビジネス営業部 主任 齊藤 さや香氏は、ウェブクルーに対する分析支援について次のように説明します。

「それまでさまざまな分析をされていたのですが、その結果を業務に反映することが難しいという状況にありました。そこでまずはその分析結果が正しいものであるのかを確認した上で、改善すべき点があれば改善し、そうでなければいかに分析結果を業務に反映するのかということを検討するという取り組みを推進しました」(齊藤氏)

そうしてAITによる分析支援は、2014年5月より週に1 回のペースで2カ月間実施されました。

また SPSS Modeler の機能の中でそれまで利用できていなかったものについての使い方のレクチャーを受けるという狙いもありました。その一例として、定形的な分析の自動化が挙げられます。

「サプライヤー数はサイトによっては数百社に上るので、分析の度に手動で作業を行っていては大きな作業負荷になってしまいます。そこで、スクリプトの作成方法を教えていただき、自動化による分析の効率化を図りました。定型化できる分析については、あらかじめスクリプトを用意することにより、夜間に自動的に分析が行われ、結果がデータベースに保存されるので、翌日にはその結果を担当部門と共有することが可能になります」(伊藤氏)

分析の自動化が実現したことで、ウェブクルーではビッグデータの分析も視野に入れています。

「膨大なアクセス・ログの分析には多大な時間を要してしまいますので、現状では分析対象データを絞る、あるいは事前にHadoopで必要なデータを抽出した上で分析を行うといった対応をしていますが、今後は SPSS Modeler のサーバー版でバッチ処理を行うなどしてビッグデータの分析にも着手していきたいと考えています」(伊藤氏)

自動化などの仕組みを整え、分析手法を見直したことにより、ウェブクルーでは情報分析を有効に活用する環境が整いました。短期間でここまで取り組みを推進できた要因の1つとして、SPSS Modeler が操作性に優れているということが挙げられます。その点について、株式会社ウェブクルー システムディビジョン システム戦略グループ データ分析チーム 亀井 あすか氏は次のように語ります。

「わたしは2012年10月にデータ分析チームに配属されたのですが、それまでは分析に関する知識はほとんど持ち合わせていませんでした。しかし、セミナーに参加し、基本的な操作を覚えるだけで、一通りの分析作業を行えるようになりました。SPSS Modeler はコマンドなどを手入力する必要はなく、ユーザー・インターフェースを見ながらマウスを使って簡単に操作することが可能です。また他人が作成した分析手順であっても、どこでどのような処理をしているのかということが一目で分かるという点も大きなメリットだと思います」

またAIT からサポートを受けたことも非常に役だったと亀井氏は言います。

「SPSS Modeler は、操作自体は簡単なのですが、どのような情報をいかに分析するかという判断はスタッフの経験値に左右されます。AITからは SPSS Modeler の使い方を新しい視点から教えていただけたので、とても貴重な体験となりました」

今回、ここまで取り組みを進める中で、他部門のスタッフにも分析の有効性を理解してもらえる手応えを得られたと伊藤氏は振り返ります。

「他部門のスタッフに『分析によってこんなことができる』ということを紹介すると、非常に驚かれることが多いですね。今まで分からなかった傾向などが短時間で分かるようになるということは画期的だということです。従来は分析に対する理解があったとしても、リクエストに対してアドホックに分析を行っていたので時間がかかっていましたが、今後は自動化によりスピーディーに分析結果を提供することができます」

 

将来の展望

さまざまな方面に分析結果を提供し、より有効な情報活用を推進

今後は今回整えた分析環境をいかに活用していくのかという取り組みが継続されます。そのため、サプライヤー向けあるいは社内向けに分析結果を活用していく予定だと伊藤氏は言います。

「サプライヤー向けとしては、サプライヤーごとの成約ユーザーの特長や同時に選ばれるサプライヤーの組み合わせといった分析結果を提示することを考えています。そしてサプライヤーの方で今後の施策作りに役立てていただければと考えています」

また社内向けの取り組みについても伊藤氏は言及します。

「社内については、まだ分析に対する認識の浸透度が十分に高まったとはいえない状況にあります。それはそれぞれの部門で分析にかける時間がないという事情もあります。そこで分析チーム側で分析を行い、その結果を提供することによって効率的に各種施策に分析結果を活用できる環境を整えていきたいと思っています。この取り組みを継続することにより、分析の重要性に対する理解度も向上していくのではないかと期待しています。例えば、メール・マガジンに対するコンバージョン率の変化を分析することで、どのようなメール・マガジンがどのタイプのユーザーに効果的なのかということが分かれば、担当部門はその結果に基づいて有効な施策を行うことが可能になります。アウトバウンド、キャンペーンなどでも同様に分析の活用が考えられます。こうした取り組みが推進され、分析に対する理解度が深まることにより、『このような分析をしてほしい』というような社内の要望を吸い上げることにもつながり、より有効な分析の活用が実現するでしょう」今後もAITの支援を受けながら、ウェブクルーは取り組みを推進していきます。

「これまでの取り組みで分析環境は整いました。今後社内への理解度促していくために、どのような情報を提供していけばいいのかを検討し、実際に担当部門の方々とのディスカッションに参加するなどの形で引き続きサポートしていきたいと思っています」(齊藤氏)

現時点でデータ分析チームは3名で構成され、一部の部門の分析を手掛けていますが、今後はさらに拡大していくこと見込んでいます。

「そのためには、分析の自動化をさらに進めていくことが重要になります。そして分析を有効なビジネス成果つながることが実証されるで、チームの増員なども図りながら、対象部門を広げていくことも考えられます」(伊藤氏)

最期に伊藤氏は、今後のビジネス展望について語ります。

「当初は眠ったデータを有効活用する、分析手法を統一する、分析を効率化してコストを削減するといったことが目的でしたが、次のステップは分析結果を活用して新しいサービスを開発することにつなげたいと考えています。まだ具体化してはいませんが、まずはそのためのデータ収集手法から考えていきたいと思っています。こうしてSPSS Modelerを武器として最大限有効に活用することで、ビジネス全体の成長を促していきたいと考えています」

ウェブクルーは、今後もさまざまな情報を有効に活用しながら、人々のより豊かな生活を実現するため、一層ビジネスを発展させていくでしょう。

 

お客様の声

“SPSS Modeler のユーザー・インターフェースは分かりやすく、操作性に優れているということを評価しました。またさまざまな分析機能を備え、拡張性にも優れていたこともSPSS Modelerを採用した大きな理由となっています。”

株式会社ウェブクルー システムディビジョン システム戦略グループ データ分析チーム リーダー

伊藤 智也 氏

 

“SPSS Modeler はコマンドなどを手入力する必要はなく、ユーザー・インターフェースを見ながらマウスを使って簡単に操作することが可能です。また他人が作成した分析手順であっても、どこでどのような処理をしているのかということが一目で分かるという点も大きなメリットだと思います。”

株式会社ウェブクルー システムディビジョン システム戦略グループ データ分析チーム

亀井 あすか 氏

 

分析結果が正しいものであるのかを確認した上で、改善すべき点があれば改善し、そうでなければいかに分析結果を業務に反映するのかということを検討するという取り組みを推進しました。”

株式会社AIT ソリューション営業本部 戦略ビジネス営業部 主任

齊藤 さや香 氏

 

お客様情報

株式会社ウェブクルーは、自動車保険一括見積もりサイトの運営を目的として1999年に設立。以来、保険分野、生活分野、自動車分野などにおける比較サイトを運営するマーケットプレイス事業を主体に事業展開。近年では、生命保険代理店、飲食店運営などのリアル事業も手掛けるなど、消費者の生活に密着した有益な情報とサービスを多角的に提供しています。

 

パートナー情報

株式会社AIT は、オープン・システムの先駆リーダーSRA と日本IBM の合弁によって1991 年に設立されたソリュー ション・プロバイダー。設立以来、IBMビジネス・パートナー としてIBM の製品であるUNIX/AIXシステムを中心に、IA 系、ホスト系にわたる幅広いプラットフォーム・システムの 構築を担い、現在ではクラウド、アナリティクス、CRM、 セキュリティー分野でのソリューション提供を通じて、お客様 のIT イノベーション促進のパートナーとして高い信頼度評価 を得ています。事業実績/サービス・レベルなどの信頼の 証しである、「IBMプレミア・パートナー」の認定を継続して 受けています。

 

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