ビジネス上の課題

大学の資金は学生の入学資格やその他の多くの要因によって変動します。LSBUが、リソース計画を最適化し、慎重に長期的な投資を行うために必要な洞察はどのようにして獲得できるのでしょうか。

概要と経緯

LSBUはIBMビジネス・パートナーのBudgeting Solutions社と提携し、 IBM® Planning Analyticsを使用して計画立案機能を拡張することで、より効率的な予測プロセスで財務チームを強化しています。

成果

85%

毎月の給与計算プロセスを85%高速化

93%

年間予算を会計システムに読み込む速度を93%高速化

向上

時間と場所を問わずプラニング・データへのアクセスを可能にする柔軟性が向上

ビジネス上の課題の詳細

学生数の追跡

多くの大学において、予算の大部分は、学年度に科目を履修する学生の数によって決まります。各科目の履修者数は毎年変動し、学生のドロップアウト率も変動する可能性がありますが、これは事業計画にとって大きな課題となります。学生の需要に合った科目の適切なポートフォリオを提供していることをどのように確認するか、各科目を教えるために適切な数の学術スタッフを雇用しているか、どのような種類の設備、機器、その他のリソースに投資する必要があるか、また現在のニーズを満たすだけでなく今後も安定して大学経営を成功させるにはどうすればよいのか。

ロンドン・サウス・バンク大学(LSBU)の財務計画部門は、こうした課題に直面していました。そのため、持続可能で長期的な財務戦略を設計して実行するための、よりスマートな方法を見つけたいと考えていました。

LSBUの財務計画および財務報告責任者のKeith Would氏は、「効率的で効果的な財務と予測は、学生やスタッフや施設に最適な投資を行うLSBUの能力の基盤となります」と説明しています。LSBUのリソース管理を支援するために、私たちは財務計画ツールを使用して、学生数、スタッフの給与計算、 設備投資に加えて大学の追加コストすべてを含む、大学の財務のあらゆる側面を追跡しています」

時の経過とともに、LSBUは重要な財務データを追跡するために使用していた既存の予測システムが、同校で必要とされる柔軟性、効率性、容量、機能をもはや備えていないことを発見しました。

Keith Would氏は、「予算業務のサイクル完了時には、 約20種類の異なるツールを手作業で更新し、学部生や大学院生、国内外の学生など、さまざまな研究プログラムの学生数と授業料収入の情報を確実に作成しなければなりませんでした。担当チームは膨大な時間をかけて手作業でこの業務を処理するため、あちこちでヒューマン・エラーが起きていました。業務上のニーズが増大するにつれて、これまで使用していた財務計画ツールには単一の連結予算モデルを作成するために必要な量のデータを処理する能力がなかったことが明らかになりました」

「従来の予測アプリケーションでは、スタッフの給与など一部のシステムのために個々のツールを構築することはできましたが、こうしたツールは統一性がなく、情報をさまざまなシステムに抽出してインポートする必要がありました。このため、このプロセスには最大で2日間かかることもありました」

LSBUは、財務計画システムをサポートするために必要な労働集約型の手作業での取り組みが、財務チームの貴重な時間を奪い、チームの長期的な財務戦略を構築する能力に影響を及ぼしていたことを発見しました。

IBM Planning Analyticsの充実した機能により、 私たちはLSBUの学術成果達成を推進するとともに、将来に向けた投資ができるようになります。

Keith Would氏, ファイナンシャル・プランニング・アンド・レポーティング部門責任者, ロンドン・サウス・バンク大学

概要と経緯の詳細

新しいレベルの計画と予測を段階的に実施

計画機能を変革するために、LSBUはBudgeting Solutions社と提携し、クラウドで稼働するIBM Planning Analyticsを実装しました。

Keith Would氏は、さらに次のように述べています。「私たちはさまざまなビジネス・パートナーを検討し、さまざまなビジネス・パートナーに相談した結果、Budgeting Solutions社と提携してIBM Planning Analyticsを導入することを決定しました。多くの企業は私たちが必要とする機能の開発を支援することよりも、単に契約を勝ち取ることに興味を示していたように見えました。Budgeting Solutions社はIBMのソリューションそのものに焦点を当て、このソリューションを使用して本校用にカスタマイズされたツールの開発をすぐに開始できるよう支援してくれたことが大変魅力的でした」

「LSBUの財務計画およびレポート作成チームは、柔軟性を確保するために、システムのスキルと知識をビジネスに組み込む必要があると考えています。つまり必要に応じて、予測ツールを変更できるようにすることが必要です。またシステムをアップデートするためにコンサルタントに頼り、そのためにコストがかかるような体制にならないようにする必要があります」

「IBM Planning Analyticsの素晴らしさは、使い方を比較的簡単に習得できるということであり、ツールを構築するためにITの専門家になる必要はありません」

「Budgeting Solutions社は財務計画およびレポート作成チームのマインドセットを理解し、チーム内のどのメンバーが作業に関わっているかを迅速に理解してくれました。Budgeting Solutions社は、 独自のソリューションを提供しようとすることよりも、同社が知っているコンサルタントの中で、LSBUが求めている内容に最適なコンサルタントを選んでくれました」LSBUはこのアプローチに満足し、これにより財務計画およびレポート作成チームはIBM Planning Analyticsの使用方法をほんの数日のトレーニングで習得できました。

Keith Would氏は続けて次のように述べます。「Budgeting Solutions社は、IBMのソリューションを最大限に活用する方法を習得する支援だけでなく、私たちの給与計算計画システムを今までよりもずっと効率的かつ効果的なものに構造化するためのさまざまな方法も提案してくれました。私たちは通常の予算のほんの一部しかコンサルタント費にかけられませんでしたが、現在では IBM Planning Analyticsを使用することで、十分に自分たちでまかなうことができます。使いやすいソフトウェアとBudgeting Solutions社の優れたメンタリングを組み合わせることで、素晴らしい費用対効果が得られます」

「IBM Planning Analyticsの導入からわずか6カ月以内で、学生数、スタッフ配置のコスト、設備投資の予測に役立つ包括的なプランニング・ツールを構築できました。またこのソリューションのおかげで、IBM Planning Analyticsと私たちがこれまで使用していたAgressoの会計業務システムの間で、簡単にデータのインポートやエクスポートができるようになり、かなりの時間を節約できています」

IBM Planning Analyticsのクラウド・デプロイメント・オプションを選択することで、LSBUはソフトウェアのインストール、保守、アップグレードについて心配する必要はありません。これは、総所有コストの削減と柔軟性の向上に役立っています。

「私たちのIT部門は、IBMのソリューションをクラウド・サービスとして採用することを勧めました」とKeith Would氏は説明します。「私たちのチームはIBMと直接連携できることになり、私たちのITチームの保守作業の負担を軽減できます。導入プロセスやその先も含めて、IBMのサポートは良好で、常に私たちの問い合わせに迅速に対応してくれます」

LSBUは、財務計画チームが異なるシステム間でデータを容易に転送できるようにするために、IBM Planning AnalyticsをMicrosoft Excelの拡張機能に使用して、IBMのプラットフォームからの予算と予測をシームレスに会計業務ソリューションに読み込むことができるようにしています。

あらゆるデバイスからIBM Planning Analyticsにアクセスできるようになったことで、移動中の作業が可能になっただけでなく、現場のビジネス・ユーザーと過ごす時間も増え、より柔軟で生産性の高い仕事ができるようになりました。

Keith Would氏, ファイナンシャル・プランニング・アンド・レポーティング部門責任者, ロンドン・サウス・バンク大学

成果の詳細

将来への投資

予算業務および計画プロセスをサポートするIBM Planning Analyticsを使用することで、LSBUは計画プロセスから時間のかかる手作業の業務を排除しました。これにより、スタッフの柔軟性が向上し、将来の優れた教育の促進を支援する新たな数多くの洞察も獲得しました。

Keith Would氏は次のように説明しています。「IBM Planning Analyticsを使用して計画立案機能と予算編成機能を強化したことで、パフォーマンスが劇的に改善され、より生産性を向上させることができました」

「従来の計画ソリューションでは、給与計算計画を完了させ、月毎の実績で予算を更新するのに、少なくとも1日はかかっていました。このプロセスの間に、ユーザーはデータにアクセスできなくなり、計画部門全体で不便を招き作業の遅れの原因になっていました。現在、IBM Planning Analyticsは同じワークロードを60分未満で完了でき、作業時間を85%短縮しています」

「さらに、従来のシステムではデータを抽出して会計システムにインポートするのに2日かかっていました。IBM Planning Analyticsを使用すると、 これを1時間で実行できます。これは93%以上の改善率となり、空いた時間をより有意義で価値の高い仕事に使うことができます」

「このように時間が節約できるようになり、複数のスプレッドシートを管理するために多くの時間を費やす必要がなくなったことは言うまでもなく、財務計画および財務レポート作成チームは生産性を向上させることができます。あらゆるデバイスからIBM Planning Analyticsにアクセスできるようになったことで、移動中の作業が可能になっただけでなく、現場のビジネス・ユーザーと過ごす時間も増え、より柔軟で生産性の高い仕事ができるようになりました」

IBM Planning Analyticsのインメモリー解析と柔軟なキャパシティーはより大量のデータを処理できるため、LSBUの予算編成と計画策定へのアプローチにも貢献しています。

Keith Would氏はさらに次のように付け加えています。「IBM Planning Analyticsは大規模なデータ・セットを扱うことができるため、 私たちの予測期間を3年から5 年に延長できました。意思決定者に、重要な投資の影響についてより深い洞察を提供できます。これにより、大学は最もプラスの成果をもたらす分野にリソースを提供できるようになります」

「IBMのソリューションの汎用性により、大学スタッフと学生の接触時間の追跡など、大学のさまざまな分野に関する計画および予測ツールを適用できるようになりました。これにより、各学部はさまざまなコース・モジュール間で教職員のワークロードを管理できるようになります。私たちはまた、研究者たちが研究プロジェクトに費やす時間を正確に記録し、監査の際の問題のリスクを軽減するためのツールも構築しています」

Keith Would氏は次のように述べて締めくくっています。「大学の各部門はIBM Planning Analyticsがどれほど強力なソリューションであるかを認識しており、また効率性を最適化するために役立つツールを構築するというリクエストを各部門から多く受けるようになっています。IBM Planning Analyticsの充実した機能により、 私たちはLSBUの学術成果達成を推進するとともに、将来に向けた投資ができるようになります」

「ロンドン・サウス・バンク大学」という文字は、ロンドン・サウス・バンク大学の紋章の隣に書かれており、紋章の下には「1892年創立」と書かれています。

ロンドン・サウス・バンク大学

1892年に設立されたロンドン・サウス・バンク大学(ibm.com外部へのリンク)は、世界130カ国以上の1万8000人を越える学生を有するコスモポリタンな大学です。近年、同大学は、政府のTeaching Excellence Framework(TEF)の下で、教育の優秀性で銀賞を受賞し、2016年度のTimes Higher Education's Entrepreneurial(THES)大学として認定されています。

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Budgeting Solutions社は、計画立案、予算業務、予測、統合、レポート作成、および分析を専門とする、IBMビジネス・パートナーに認定されています。強力な財務の見識によって支えられた幅広いサービスを提供しています。詳しくは、budgetingsolutions.co.uk(ibm.com外部へのリンク)を参照してください。