Business Challenge story

e-ラーニングシステムの成長企業が抱える開発環境の悩みと差し迫った課題とは

1997年に日本初のインドオフショア開発ビジネスで起業し、1999年にベンダー資格取得のための学習支援ソフトウェア「iStudy」シリ−ズの販売を開始したシステム・テクノロジー・アイは、2000年にIBMを含めたベンダー資格の研修を行うe-ラーニング事業に本格的に参入しました。

そして、2004年にITSSに基づくスキル診断および診断結果に基づいた人材育成機能を搭載した国内初の専用イントラネットサーバー「iStudy Enterprise Server」の販売を開始し、さらに2006年からはその基盤を活用したクラウドビジネスとして「iStudy On Demand」のサービスを開始しています。

現在ではヘルスケア、金融、サービス、製造といったあらゆる業界で利用され、e-ラーニングビジネス企業のサービスエンジンに向けたOEM提供も行うなど、すでに380社以上の導入実績と累計で約78万人が利用する、日本のe-ラーニング産業には不可欠な存在になりつつあります。

システム・テクノロジー・アイの製品はデータベースやOSがマルチプラットフォームでサポートされており、プラットフォームテストの自動化が必要なため、2005年に機能テスト自動化ツール「IBM Rational Functional Tester」と、負荷テスト自動化ツール「IBM Rational Performance Tester」、そしてWebアプリの脆弱性テストツール「IBM Rational AppScan」のツールセットが導入されていました。

しかし、その開発環境には大きな課題があったと語るのは、システム・テクノロジー・アイの代表取締役社長兼最高執行役である松岡秀紀氏です。「これまでは、IBM Rationalの3製品やその周辺システムがバラバラで運用され、人手で連携していたため非常に効率が悪く、どのビルドにどんな機能開発が行われ、誰がどれだけのバックログを抱え、予定納期に遅延する可能性があるのか判断しにくかったのです」。

同時に、今後の中国マーケットへの本格的な進出を見据え、iStudy Enterprise Serverの最新版であるVer.5の2010年10月リリースに向けて開発が進められることとなり、開発環境の再構築が必要とされていました。

Transformation

ソフト開発・コラボレーション基盤とテスト・品質管理支援ツールとの統合

そこで同社は、チームによるソフトウェア開発とデリバリーのための基盤としてIBMのJazzプラットフォームに注目。2009年7月にその最初の製品となるソフトウェア開発チーム・コラボレーション基盤「IBM Rational Team Concert」を採用し、その後2010年4月にはテスト管理と品質管理の支援ツール「IBM Rational Quality Manager」を導入することで、Jazzプラットフォームサーバを構築してそれらを統合。その上で、既に導入していたIBM Rationalの3製品と周辺システムとを連携させ、開発環境とテスト環境の再構築による理想の開発基盤を目指しました。

松岡氏は、その選択の理由について次のように語ります。 「IBM Rational Team Concert採用の目的は、ソース管理、ビルド自動化、ワークアイテム管理という考え方を全面的に採用することで、プロジェクト進捗のアナログ感覚での管理を廃止し、すべての開発作業を100%トランスペアレント(透過的)にすることです。また、これまでテスト環境がバラバラに運用され、人手で連携させていたものを、IBM Rational Quality Managerで統合し自動化することが理想と考えました」。

シングルソース、シングルバイナリでマルチプラットフォームを実現することがシステム・テクノロジー・アイのコンセプトであり、昼間に開発されたものが自動的にビルドされ、夜間に無人でテストが行われ、翌朝その結果を確認して修正が行われるといった、開発からテストまで自動実行していくサイクルが究極の開発スタイルだといいます。

また、同社の開発プラットフォームはJava と.NETを採用しており、その両方をサポートしている開発支援ツールを求めていたため、従来からの開発資産を有効活用できる意味でもJazzプラットフォームが最適な選択だったということです。

Benefits

マルチプラットフォームのテスト工程が従来の6分の1程度まで短縮

IBM Rational Team ConcertとIBM Rational Quality Managerの導入効果について、松岡氏は、「iStudy Enterprise Serverの新バージョンの開発作業は完全にトランスペアレントになり、可視化と情報共有が大きく改善されました」と高く評価。現在のバグ状況、開発作業残量、連絡事項が常に明らかになり、社内のミーティング時にはそれらに基づいた課題がシェアされた状況で行われるため、短時間で効率的な会議進行が可能になったといいます。

「新しいバージョンでは、製品品質を向上させるため既存のコードの40%程を作り直していますが、Jazzプラットフォームのツールキットによるテストの自動化が大きく貢献し、バージョンアップ作業に起こりがちなデグレードの早期発見や、無駄な作業の削減、保守性の向上などのメリットが得られています」(松岡氏)。

また、Jazzプラットフォームがシステム・テクノロジー・アイの基幹システムとして定着するようになったことで、8種類のプラットフォームを開発するテスト工程が、従来の6分の1程度まで短縮できたといいます。

さらに同社は、業界内では珍しく毎週水曜日を定時退社日に指定し、心身のリフレッシュを施そうとしていますが、開発環境が改善されたことで加えて、限られた時間内で効率的な業務をこなす習慣に切り替わりつつあることも大きな収穫と捉えています。

「エンジニアが徹夜してまでテストに没頭するのはナンセンスです。自動化を徹底して無駄なことはなくしていくことが将来のIT業界を育てていくためにも必要なことではないでしょうか」。

そう話す松岡氏は、外資系大手ベンダーのエンジニア出身であり、現在でもコードを書き、プロトタイプも自ら作るなど、開発現場がどんな苦労をしているかを肌で理解している数少ない経営者のひとりです。開発環境の改善は、そうした問題意識を業界が少しでも持ってもらうための機会になればと考えています。

 

将来の展望

Android端末への移植にもJazzプラットフォームを活用

そして、iStudy Enterprise Server ver.5のリリース後は、社内の開発工程のみならず、お客様へのインプリメンテーション作業などすべてのサービスの作業工程で、Jazzプラットフォームによるワークアイテム管理を行っていく予定です。 また、工事進行基準による会計処理に合わせて、新たなJazzファミリーとしてリリースされたプロジェクト管理およびリソース管理ソリューション「IBM Rational Project Conductor」を今後評価していくということです。

さらに、iPhone・iPad向けiStudyシリーズやグリーンオプション(電子テキストによるペーパーレス研修)の開発、Android端末への移植にもJazzプラットフォームで統一していくことも表明しています。

「ソフトウェア開発の自動化に向けた道のりは多難ですが、IBM Rationalのヘビーユーザーの立場で、今後もカバーしてほしい要件やアイデアを遠慮なくフィードバックしていくつもりです」(松岡氏)。

先進的な技術をいち早く取り入れ、開発スタイルやスキルの改善を続けることでe-ラーニング業界を牽引していくシステム・テクノロジー・アイ。今後IBM Rationalをどのように活用していくのかが注目されます。

 

お客様情報

個人・企業・学校というフィールドでよりよい学びの環境を提供し、人間の持つ能力を引き出すための支援や、最新テクノロジーを使いこなすためのスキルアップをサポートする株式会社システム・テクノロジー・アイは、CSR教育、ビジネススキル、IT利用スキルのe-ラーニング学習ソフトウェア「iStudyシリーズ」、ITSSやETSSなどのスキル診断からスキルアップの仕組みを構築し戦略的人材育成を支援する「iStudy Enterprise Server」の開発・販売のほか、IBMやOracleの認定研修など教育事業を中心に展開している企業です。

 

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