ビジネス上の課題
KAZANCI HOLDING社は、手作業でバラバラに行われていたプロセスに代わる、グループ全体で統合された財務予算と報告のソリューションを開発することを望んでいました。
概要と経緯
KAZANCI HOLDING社は、Planist社と連携して、IBM Planning Analyticsソフトウェアを活用した集中型の計画作成、予算編成、統合のプラットフォームを導入しました。
成果
5日未満
で、グループ財務諸表を統合(従来の方法より10日間短縮)報告書の精度向上
を、データ・フォーマットの標準化と一元管理ポータルで実現計画と予算の整合性と調整の促進
を、ドライバー・ベースの統合された計画作成モデルにより実現ビジネス上の課題の詳細
課題の規模はビジネスの規模に比例
企業が存在する限り、簿記が存在します。既存資産の所在地や価値を明確にし、過去、現在、未来のキャッシュ・フローを正確に把握することは、企業の意思決定を健全に行う上で非常に重要です。しかし、それらの詳細が不明確なまま、あるいは不正確なままでは、企業、特にKAZANCI HOLDING社のような大企業は、大きな問題に直面することになります。
「私たちのグループは非常に大きく多様です」と、KAZANCI HOLDING社の予算/報告書作成担当ディレクターであるMustafa Özen氏は説明します。「当社はグローバルなエネルギー・グループとして8つの異なる業界で活動し、4大陸の21カ国で事業を展開し、8,000人以上の従業員を擁しています。また、世界173カ国に輸出しています」
実際、KAZANCI HOLDING社は、さまざまな地域や組織の財務を統合するのに約2週間を要しました。これは、グループ全体の運用に対する見識が、常に若干時代遅れであったことを意味します。さらに複雑なことに、各社はそれぞれ独立した財務プラットフォームを使用していたため、収集したデータを使用する前にそのデータを変換する必要がありました。
Özen氏はこう振り返ります。「以前は、グループ会社ごとに異なる独立したプラットフォームを使用していたため、共通の予算編成や計画作成の基準を確立することができず、プロセス全体が煩雑でした。データの収集、変換、統合に多くの時間を費やし、予算を立てるだけで約2カ月かかりました」
これうした手作業のプロセスにより、KAZANCI HOLDING社は予算編成でミスが発生する可能性があるという大きな脆弱性を抱えていたため、より標準化され自動化された戦略を模索し始めました。
“ このソリューションを導入する前は、グループ財務諸表の統合とまとめに約2週間かかっていました。しかし、今では5日間で終わります。 ”
— Mustafa Özen氏, 予算/報告書作成担当ディレクター, KAZANCI HOLDING社
概要と経緯の詳細
統合と自動化Consolidation.
この新しい予算編成、計画作成、財務統合の枠組みを構築するために、KAZANCI HOLDING社は、IBMビジネス・パートナーであるPlanist社とIBM Planning Analyticsソフトウェアに注目しました。
「当社はさまざまな企業を評価しました」とÖzen氏は説明します。「そして最終的には、柔軟なソリューションを手に入れることが当社の選択の鍵となりました。当社は業界、企業、大陸を越えて業務を展開をしているので、標準的な範疇にとどまらないソリューションを必要としていました。すなわち、より堅固なものが必要だったのです。そして、IBM製品とPlanistに対して実施した概念実証試験の結果、当社が必要とする柔軟性を獲得できると確信しました」
Planist社のチームは、1つの統一されたソリューションを導入しました。このソリューションは、グループ全体のさまざまなシステムから関連する財務や運用の記録を自動的に引き出し、その情報を共通の堅固かつ柔軟なキューブ・モデルに統合して、データ・セキュリティー機能が組み込まれた集中型のソリューションからアクセスできるようにします。
「以前は可能ではなかった、非常に包括的なレベルの計画作成が可能になりました」と、Planist社のマネージング・コンサルタント兼ディレクターであるMücahit Erdal氏は言います。「例えば、特定の計画作成プロセスにおいて、このシステムは、収益のみを対象に計画を作成するのではなく、数量、価格、在庫レベル、支払い条件やその他の意思決定パラメーターを対象に計画を作成し、その計画作成プロセスに関連する財務結果の全領域を推進できるようになりました」
Erdal氏は続けてこう付け加えます。「この新しいソリューションには、売上と収益の計画、生産と運用の計画、OpExとCapExの計画、ファイナンシング、税務計画など、本格的な計画作成モジュールも搭載されています。このシステムは、結果を計算して自動的に財務諸表を作成するため、集中型のダッシュボードから損益計算書、貸借対照表、ダイレクト・キャッシュ・フローやその他のあらゆる財務諸表にアクセスできるようになります。また、他に必要なものがあれば、アドホック分析を活用して簡単に構築できます」
この計画作成と分析のプラットフォームのエンジンには、Planning AnalyticsソフトウェアとPlanist社のGroup Financial Consolidation Solutionが使用されています。また、Active Directory統合と、認証とアクセスの管理の監視には、IBMCognos®アナリティクスが使用されています。このソリューションで使用される実際の財務と運用のデータは、SAP ERPインスタンス、地理情報システム(GIS)、サブスクライバー情報管理システムなど、クライアントの統合ソース・システムから取得されます。
“ すべてのデータがトランザクション・ログに記録されるようになったので、誰が何時に変更し、前の値が何で、新しい値が何なのかがわかるようになりました。すべてが追跡可能なのです。 ”
— Gökhan Demiray氏, 予算編成/計画作成/報告書作成アプリケーション担当役員, KAZANCI HOLDING社
成果の詳細
豊かな価値
KAZANCI HOLDING社は、データを共通のプラットフォームに標準化した後、財務計画作成と報告書作成のプロセスを大幅に迅速化しました。
これについて、Özen氏はこう説明します。「このソリューションを導入する前は、グループ財務諸表の統合とまとめに約2週間かかっていました。しかし、今では5日間で終わります。報告書作成の時間もはるかに短縮されました。以前は、運用費用の報告書を作成するのに3日間必要でした。今では半日程度で完了します」
KAZANCI HOLDING社は、時間を短縮しただけでなく、自社の財務情報へのアクセスも改善しました。今では、共有のフォルダーやスプレッドシートを検索するのではなく、先進の分析と報告書作成の機能を備えた、共通の構造化された計画作成と報告書作成のキューブ・モデルからグループの完全な財務記録にアクセスできるようになり、財務担当者とそれ以外の従業員の業務が楽になりました。
「ポータル上のボタンをクリックするだけで、正しい報告書が表示されます」と、KAZANCI HOLDING社の財務システム開発マネージャーであるEray Ersöz氏は言います。「またフィールドを変更するだけで、パフォーマンスを簡単に過去の予算計上の記録と比較して、グループ内の異なる会社間で比較できます」
同時に、報告書作成プロセスの標準化により、会社の財務関連の手作業が減ったため、分析に時間を割けるようになり、記録と報告書作成の精度が向上しました。
KAZANCI HOLDING社の予算編成/計画作成/報告書作成アプリケーション担当役員であるGökhan Demiray氏はこう言います。「財務データのアーカイブと復旧も改善されました。以前は、予算や報告書作成のデータを適切にバックアップし、維持することさえできませんでした。しかし、新しいソリューションでは、そうしたデータは毎日2回、週7日バックアップされ、データが変更された場合の追跡も可能になりました。すべてのデータがトランザクション・ログに記録されるようになったので、誰が何時に変更し、前の値が何で、新しい値が何なのかがわかるようになりました。すべてが追跡可能なのです」
Demiray氏はこう続けます。「さらにITの観点から、ERP、GIS、CRMなどの運用システムの実際のデータを、この新しい本格的な財務パフォーマンス管理ソリューションに完全に統合しました」
最終的に、財務データへのアクセスが合理化され、報告書作成が簡素化されたことで、KAZANCI HOLDING社は同社の複数の組織と地域全体で財務関連の選択をより健全に行えるようになりました。「予算編成プロセスの適用範囲を、グループ内のより大きな組織にまで拡大することができました」とÖzen氏は言います。「これにより、グループのトップから各社の下位レベルのマネジメントまで、予算編成の文化を確立することができました」
Özen氏は最後にこう付け加えます。「当社の変革に協力してくれたPlanistのチームには、本当に満足しています。小さなチームでありながら、当社に大きな影響を与えてくれました。そして、この非常に重要なプロジェクトを達成するために、KAZANCI HOLDINGの予算報告書作成チームが示した並々ならぬ努力と連携も大いに評価したいと思います」
“ ポータル上のボタンをクリックするだけで、正しい報告書が表示されます。またフィールドを変更するだけで、パフォーマンスを簡単に過去の予算計上の記録と比較して、グループ内の異なる会社間で比較できます。 ”
— Eray Ersöz氏, 財務システム開発マネージャー, KAZANCI HOLDING社

KAZANCI HOLDING社
1950年代からの歴史を持つKAZANCI HOLDING社(ibm.com外部へのリンク)は、「Aksa」ブランドの名前で広く知られています。この持株会社とその個々のビジネスは、天然ガスの分配と販売、電力の分配と販売、発電、発電機の製造、農業、観光を専門としています。同社は、トルコのイスタンブールに本社を置き、4大陸21カ国で事業を展開しています。現在、KAZANCI HOLDING社は、8,000人以上の従業員を擁しています。
Planist Bilisim Hizmetleri ve Danismanlik Tic.Ltd.Sti.社について
Planist社(ibm.com外部へのリンク)(正式名はPlanist Bilisim Hizmetleri ve Danismanlik Tic.Ltd.Sti.)は、財務/運用パフォーマンス管理ソリューションのコンサルティングと実装のサービスのプロバイダーです。トルコのイスタンブールに本社を置き、世界中の顧客にサービスを提供するPlanist社は、IBM Planning Analyticsソフトウェアに基づくソリューションとサービスの提供を専門とするIBMビジネス・パートナーです。
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この事例で扱っている IBM のソリューションの詳細については、IBM 担当員または IBM ビジネス・バートナーにお問い合わせください。
Planist社の財務パフォーマンス管理ソリューションの詳細と、同社がどのようにお客様を支援できるかについては、Planist社(ibm.com外部へのリンク)にアクセスしてください。