Business Challenge story

短期間に発生する突発的なデータ集計の依頼増加にともない、使い捨てのプログラム開発の負荷が増大

ヤマトシステム開発の中で、ヤマトグループ各社に対するシステム開発や運用を行っている部門が、グループソリューションカンパニーです。

グループソリューションカンパニーでは、ヤマトグループ各社の情報系システムの運用開発を業務のひとつとして請け負い、定型集計や非定型データの提供を行っています。通常提供している集計データは、基幹システムから各種集計プログラムを利用して必要なデータを集計し、情報系システムの参照用データベースに登録し、ユーザーに提供します。

しかし、ビジネス環境の変化のスピードが速くなり、タイムリーにデータ活用を行いたいというニーズが高まってきたことから、従来から提供している定型・非定型のデータ集計だけでなく、よりスピード感を重視して対応する必要のあるデータ集計の依頼(以下、スポット集計)が多くなってきました。スポット集計とは、たとえば、戦略的な新商品の企画・開発、宅急便の繁忙期、さらには自然災害発生時などに、タイムリーに現状を把握するために必要となる集計のニーズです。

グループソリューションカンパニー システム運用グループ BP マネージャーの山岸 茂氏は、スポット集計業務における課題を次のように語ります。

「スポット集計に対応するためには、その都度個別にプログラムを開発しなければなりません。しかも、緊急性が高くスピードが要求されるため、他の業務より優先的に対応する必要があります。そのために人的な業務負荷が増大することが大きな課題になっていました。また、データ構造の知識がないとプログラムを作ることは困難です。そのため、データ構造を理解している技術者に作業負荷が集中して属人的になってしまうことも課題のひとつでした。さらに、こうしたスポット集計のために開発したプログラムは、基本的に一度しか使われない、いわば“使い捨て”のプログラム資産でした。急いで開発するため、ドキュメントも整備されません」。

こうした開発業務の課題を解決し、開発生産性をあげたいという目的で、従来の開発に代わるデータ集計ツールの検討を開始しました。

Transformation

優れた操作性と業務適応性を評価してIBM InfoSphere DataStageを採用

開発業務の課題を解決するために、ヤマトシステム開発が着目したのが、基幹系システムなどのデータソースからデータを抽出(Extract)し、必要な変換処理(Transform)を行い、サーバーなどのシステムにロード(Load)するETLツールです。

山岸氏は、ETLツールに着目した理由を次のように語ります。

「定型・非定型データの集計・参照のために、情報系システムを整備しています。ここにスポット集計に必要なデータも格納するのが理想ですが、データ量も膨大で、システムリソースも限られています。限られたシステム環境・リソースのなかで依頼元の要求を満たすには、その都度基幹システムから必要なデータを抽出し、抽出されたデータをETLツールで変換・集計することが必要だと考えました」。

こうしてヤマトシステム開発では、2010年の秋からETLツールの検討を開始し、3つのETLツールを比較、評価したうえで、開発生産性に優れるIBM InfoSphere DataStage(以下、InfoSphere DataStage)の採用を決定しました。

ツール選定に携わったグループソリューションカンパニー システム運用グループ BPの吉崎 公俊氏は、InfoSphere DataStageの評価について次のように語ります。

「InfoSphere DataStageは、操作性が高く、容易にデータを集計できる点を評価しました。他のETLツールは、事前に準備しておかなければならない設定が多く、操作も複雑でしたが、InfoSphere DataStageではGUIでフローを書き、プロパティーを設定するだけでデータを集計することができました」

従来行っていた開発では、フローチャートを作成のうえ、それに沿ったプログラミングが必要でしたが、“GUIでフローを書く”というInfoSphere DataStageの操作手順は、それまでの開発作業の流れを踏襲でき、業務適用性が高いものでした。

こうして、2012年4月にInfoSphere DataStageの導入を開始。6月には、InfoSphere DataStageを利用したスポット集計を開始しています。

左ページの図のように、スポット集計用の独立したサーバーを用意し、基幹システムやバックアップデータなどからデータを抽出してInfoSphere DataStageで変換。集計結果をアウトプットするという流れです。基幹システムから独立した集計サーバーを利用することで、データを抽出すれば、基幹システムに影響を及ぼすことなくスポット集計の作業ができます。

山岸氏は、「基幹システムを直接触ることなく、大量のデータを短時間で集計できるようになりました。万が一、集計サーバーがダウンしても、業務全体に影響は及びません。使いやすく安心できる仕組みを実現できました」と話しています。

また、吉崎氏からは、導入時のサポートに対する高い評価をいただいています。

「使用していた編集処理やマッチング処理、ブレイク処理などパターンと呼ばれるアルゴリズムを、InfoSphere DataStageに移行する作業がありました。IBMから作業支援を受けながら移行を実施しましたが、運用フェーズを見越しての踏み込んだ対応等、期待以上のサポートを受けることができました。その後のプログラム開発フェーズをスムーズに開始することができました」。

Benefits

プログラム開発時間が8時間から1時間に、業務の平準化も実現

ヤマトシステム開発は、2012年4月~ 5月の環境構築プロジェクトを経て、2012年6月よりエンドユーザーのリクエストに応じたスポット集計業務のプログラム作成およびデータ集計処理にInfoSphere DataStageの活用を開始しました。

段階的にInfoSphere DataStageによるプログラム作成を開始し、当初より想定していた通り、スポット集計のプログラム作成に要する時間が劇的に減少したそうです。

山岸氏は、InfoSphere DataStage導入による効果を次のように話しています。

「データの流れさえ理解していれば、従来8時間かかっていたプログラミングが、InfoSphere DataStageでは1時間程度でできるようになりました。また、プログラム開発業務の平準化が実現できたことも、大きな効果です。これまで基幹システムからのデータ抽出は、プログラミングができる技術者に依存していましたが、プログラム言語のスキルに依存せずに集計業務を行える体制に変わりました」。

吉崎氏もInfoSphere DataStage導入による効果を次のように評価しています。

「これまで、私たち情報系システムのチームは、基幹システムを担当する技術者に依頼して必要なデータ抽出/編集の作業を行っていました。InfoSphere DataStage導入後は、情報系システムの担当者自身でデータの抽出ができるようになったことで、業務スピードが改善し依頼元を待たせることもなくなりました」。

山岸氏が評価するプログラム開発業務の作業の平準化が進んだ大きな背景として、吉崎氏が選定時の理由にも挙げたInfoSphere DataStageの優れた操作性が貢献しています。

「InfoSphere DataStageは、直感的に操作でき、マニュアルを見なくても使い始めることができるツールだと感じました。他の技術者に操作を教える場合でも、操作が難しいと“プログラミングした方が早い”と言われることもありましたが、いまでは誰もがスムーズにInfoSphere DataStageを使いこなしています」(吉崎氏)。

このように、ヤマトシステム開発の開発生産性と開発期間は、InfoSphere DataStageによって大幅に向上しました。

また、InfoSphere DataStageで作成した集計パターンが再利用可能な資産となることや、一定レベルのドキュメントが自動的に生成されることも、プログラム開発の生産性向上に役立っているそうです。  

 

将来の展望

InfoSphere DataStageの他部門への横展開により、さらなる開発生産性の向上を期待

山岸氏はInfoSphere DataStageへの期待を語ります。

「最終的には、スポット集計にかかる作業負荷を75%削減することを目指しています」

さらに、今回InfoSphere DataStageで導入した集計プログラムの開発手法を、他の部門にも横展開することで、データ集計の生産性を更に向上させることを検討しています。

「横展開の可能性について調査したところ、他の部門でも集計プログラム開発の作業負荷が課題になっていることがわかりました。今後、InfoSphere DataStageの横展開による活用が進むことで利用者数が大幅に増え、プログラム開発の生産性向上や業務の平準化などの効果がより一層発揮できるようになると期待しています」。

このように話す山岸氏は、ヤマトシステム開発における開発生産性を向上させるにあたり、IBM InfoSphere DataStageが重要な役割を担っていくと確信しています。

 

お客様情報

コンピューター利用システムの研究、開発、情報の提供およびコンサルティング業務、オンラインサービス業務、コンピューター・通信機器・事務用機械器具の仲介、売買、保守、貸付などの事業を展開しています。

 

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