Business Challenge story

MRの業務効率化と情報漏えいのリスク低減の両立

大鵬薬品では2011年4月から、約400名のMR(医薬情報担当者)にタブレット端末の配付を開始しました。訪問先の医療機関で最新の製品情報や学術情報の伝達や治療法の提案などのプレゼンテーションを効率的に行うためのツールとして活用しています。

さらに「MR支援IT化推進プロジェクト」の一環として2012年8月には、対象者を広げ全MRと学術部員にも配布し、現在約900台のタブレット端末が使用されています。単なる情報提供のツールとしてだけでなく、MR業務の迅速化や効率化につながるツールとして活用することを目指しています。

大鵬薬品 情報システム部 部長 中島広幸氏は、次のように語ります。「これまでは製品情報の参照などが利用の目的でしたが、e-ラーニングや社外からの日報入力など、MR業務の効率化につながるツールとしてタブレット端末を活用したいなど、要望が増えてきました」。

しかしタブレット端末に、e-ラーニングや日報入力などの専用アプリケーションを搭載した場合、タブレット端末上にデータが残ってしまうため、紛失した場合に機密情報が漏えいしてしまうリスクがありました。

また、タブレット端末を配付する以前は外部から社内システムにアクセスしていましたが、この場合もノートPCを紛失すると情報漏えいのリスクがあることが課題の一つでした。

中島氏は、「ワークフローの承認や日報入力などの作業のためにオフィスに戻ることはMRの大きな負担になっていました。外出先からセキュアにこれらの作業ができれば、業務の効率化とスピード化につながります」と話します。

そこで新たなシステム基盤の構築が必要となり、いくつかの実施案を比較検討する中、株式会社CSIソリューションズ(以下、CSIソリューションズ)から提案のあった、タブレット端末向けに専用アプリを開発するのではなく、仮想デスクトップ環境構築で既存の社内システムにアクセスする形態を採用することを決定しました。

Transformation

拡張性や集約率を評価してIBM Flex Systemを採用

今回、CSIソリューションズが構築した仮想デスクトップ環境は、サーバー環境としてIBM PureSystems ファミリー製品であるIBM Flex Systemコンピュート・ノードを7台、ストレージ環境としてIBM Storwize V7000を4台導入。仮想デスクトップ環境には、VMware Viewが採用されています。7台のIBM Flex System コンピュート・ノード上には920台の仮想デスクトップ環境が構築されています。

IBM Flex Systemが採用された理由を、大鵬薬品 情報システム部 システム管理室 課長 小田美智春氏は、次のように語ります。「仮想デスクトップ環境をタブレット端末からストレスなく利用できる高いレスポンスを本番稼働で実現することが大命題でした。IBM Flex Systemを導入するにあたり、事前に実施した検証で非常に高いレスポンスを実現できたことが採用の大きな決め手でした」。

IBM Storwize V7000については、利用頻度の高いデータを高速なSSDに自動的に移動するIBM System Storage Easy Tier機能による高レスポンスの実現が評価されました。

仮想デスクトップ環境の構築は、2012年9月末より構築プロジェクトが開始され、わずか2カ月半後の12月中旬に本番稼働しています。システム構築のポイントについて、CSIソリューションズ 営業本部 第二営業部 マネージャー 小室径夫氏は、次のように語ります。

「プロジェクトの期間が非常に短く、短納期でのシステム構築が必要でした。またIBM Flex Systemが発表されて間もない時期だったので、少ない経験の中で構築を進めることが必要でした。しかしプロジェクト全体として大鵬薬品様の十分な協力が得られたこと、技術面で日本IBMの強力なサポートがあったことで、短期間での構築を実現することができました」。

CSIソリューションズでは、当初はブレード・サーバーを提案していましたが、IBM Flex Systemの発表を受けて早速検証したところ、従来のブレード・サーバーよりコスト・パフォーマンスが非常に優れていたことから提案内容を変更しています。「大鵬薬品様からは将来に向けた高い拡張性の要望があり、拡張性や集約率を評価してIBM Flex Systemを提案することにしました」と小室氏は語ります。

また中島氏は、「実は今回の仮想デスクトップ環境構築においては当初、他社のVDIソフトウェアとクラウド環境の組み合わせにより実施する方針がほぼ決定していましたが、実施直前でCSIソリューションズの提案に変更することになった経緯がありました。CSIソリューションズが提案と同時に検証環境を構築してくれ、その評価の結果、IBM Flex SystemとVMwareの組み合わせの方が、パフォーマンスが格段に良かったことが、方針転換の決定打となりました」と話しています。

Benefits

社内システムのすべてを利用可能。MRもレスポンスを高く評価

IBM Flex SystemとIBM Storwize V7000を基盤とする仮想デスクトップ環境では、メールやファイルサーバー、Lotus Notesなどの情報系システム、そして精算・勤怠、販売実績などの業務アプリケーション、ワークフロー認証などの社内システムのすべてを利用することができるので、外出先からオフィスに戻ることなく、いつでも、どこからでも、空き時間に業務を行うことが可能になりました。

仮想デスクトップ環境を導入した効果について中島氏は、次のように語ります。「MRからは、レスポンスもよくすべてのシステムが利用できると高い評価を得ています。導入計画の段階から社内説明会を開催したので、システムの移行後も大きな混乱はありませんでした。また一斉導入ではなく、2012年11月から支店ごとに徐々に導入を開始していたので、その実績がほかの支店にも伝わり、スムーズに展開できました」。

また中島氏は、「特にオフィスのPCとまったく同じ作業がタブレット端末でできるため、業務効率を大幅に向上できました。以前は用意されたコンテンツをタブレット端末にダウンロードして、オフライン環境で利用していましたが、現在ではファイルサーバーに蓄積されているすべての情報にアクセスすることができ、訪問先での急な要望に対しても柔軟に応えることができます。万が一、タブレット端末を紛失しても、情報が漏えいするリスクもなくなりました」と話します。

一方、システム面での効果を小田氏は、次のように語ります。「当初導入を検討していたブレード・サーバーと比較してIBM Flex Systemは集約率が高く、より少ないサーバー台数で仮想化統合を実現することができ、同等価格でより高スペックなシステムを導入できたと考えています。またその結果、サーバー上で稼働するCPU課金ソフトウェアのライセンスコストを削減することができました」。

さらにIBM Storwize V7000の効果として、システムのメンテナンス時に、FlashCopy機能を利用することで、夜間にバックアップ処理を実行しておき、翌朝確認するという作業が可能になり、メンテナンス作業の効率化と時間の短縮を実現しています。

小田氏は、「VDI環境の導入は今回初めてでしたが、VPNを経由したリモート・アクセスはスピードが遅いという印象を持っていました。しかし今回、非常に高いレスポンスを実現することができ、大変満足しています。IBM Flex Systemは新しい製品だったので、導入前は不安を持っていましたが、結果的にはこれまでの環境と同じ作業・操作で運用を行うことができ、心配は無用であったと感じています。今回、CSIソリューションズのサポートのお陰で短期導入を実現できました。CSIソリューションズとは、1980年代からの付き合いなので信頼感もあります」と話しています。

 

将来の展望

MR以外の利用者用に1500台規模に拡張を計画。BCP対応も視野に

今後の展開について中島氏は、次のように語ります。「今回、920台のタブレット端末を導入しましたが、MR以外の利用者にもタブレット端末を展開していく計画です。また、BCP対応も視野に入れて計画を進めていきます。2013年6月ごろには本環境を使用するユーザー数が1500人程度まで増える可能性があり、そのためのシステム拡張にも柔軟に対応できるインフラでありかつ、その際に二重投資にならないことが重要でした。IBM Flex SystemとIBM Storwize V7000の高い拡張性や集約率には大きな期待を寄せています」。

 

お客様の声

大鵬薬品工業株式会社 情報システム部  部長 中島 広幸氏

「実は今回のシステム構築は当初、他社のVDIソフトウェアとクラウド環境の組み合わせにより実施することがほぼ決定していましたが、実施直前に変更になりました。理由は、IBM Flex SystemとVMwareの組み合わせの方が、パフォーマンスが格段に良かったためです」

大鵬薬品工業株式会社 情報システム部  システム管理室  課長 小田 美智春氏

「IBM Flex Systemは集約率が高く、より少ないサーバー台数で仮想化統合することができました。またIBM Storwize V7000のFlashCopy機能を夜間バックアップ処理に利用することで、メンテナンス作業の効率化と時間短縮を実現できました」

株式会社CSIソリューションズ 営業本部  第二営業部 マネージャー 小室 径夫氏

「プロジェクトの期間が非常に短かったため、短納期でのシステム構築が必須でした。またIBM Flex Systemが発表されて間もない時期で、少ない経験の中でのシステム構築が必要でした。しかしプロジェクト全体として大鵬薬品様の十分な協力が得られたこと、技術面でIBMの強力なサポートがあったことにより、短期間での構築を実現できました」

 

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