Business Challenge story

放送局独特の基幹システムを標準化し、系列各社で稼働開始

フィンズは、フジサンケイグループのITソリューション企業である株式会社フジミックなどを母体として2011年に設立。日本で初めて放送業界に対応したクラウド・コンピューティング環境を構築し、放送局各社に向けてクラウド・サービスを提供しています。現在フィンズはFNS系列各社を主なユーザーとしていますが、FNS情報システム部門ではフィンズ設立以前から系列各社のIT課題の解決に向けた取り組みを推進してきました。

営放システムは、番組編成情報の管理、CM販売にかかわる営業情報の管理、さらに番組やCMの放送準備情報の管理などの役割を担っています。FNSでは系列28社で構成する「戦略・実行チーム」が組織され、以前から系列のシステム運用に関してフラットな議論が交わされていましたが、2000年代に入り、地デジ化の流れが押し寄せると、ITシステムの役割がより重要となるため、営放システムに関する新たな課題が浮上してきました。フィンズ クラウドサービス本部 本部長 兼 企画部長 丸山 将氏は営放システムに関する課題について以下のように説明します。

「地上デジタル放送はハイビジョンという高画質だけでなく、ワンセグ、データ放送、EPGなど多くの機能が盛り込まれています。これに伴い放送に必要な情報が飛躍的に増え、営放システムが実装すべき機能や管理する情報が増大しました。つまり、まったく新しいシステムを作り上げる必要があったのです。そこで戦略・実行チームにおける議論の結果、さまざまな課題を乗り越えるためFNS標準営放システムV1を共同開発することになりました。標準化された営放システムは2004年から2006年にかけて系列23局で稼働を開始し、安定性、経済性、機能性、保守性などの面で大きな成果を生み出しました」(丸山氏)。

Transformation

IBMクラウド・コンピューティング・サービスを活用し、標準営放システムを系列各社で共同利用

全体として大きな成果を挙げたFNS標準営放システムV1ですが、運用に関しては従来通り各社個別に行っていました。

「経営規模の小さなローカル局は将来に向けてITの重要性が増加する一方で、システム運用資源とコストの維持継続に対する不安を抱えていました。そこで、個別各社の不安解消のため次に着手した取り組みが情報システムのサービス化です。系列各社がクラウド・サービスとして共同利用可能な共同システム・センターを構築することにより、各社が既存資産の維持管理に費やしていた労力や時間を削減し、新たな取り組みへ投資できる余力を生み出すことを目指したのです」(丸山氏)。

この共同システム・センターは、各放送局のIT戦略を補完・強化することも目標としていました。そこで、各放送局側の各経営目標を理解しつつ、IT実装の立場でベンダーと調整できる窓口組織が必要ということになりました。これが、フィンズが設立された背景です。

クラウド環境としては、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)が提供するIBMクラウド・コンピューティング・サービスを採用しました。IBMクラウド・コンピューティング・サービスはアプリケーション・アーキテクチャーを実現するサーバーが提供され、さまざまなサーバー可用性が実現されており、高い信頼性とともに一時的なトランザクションの増加に対して一定容量まで超過利用が可能であることも大きなメリットでした。

Benefits

信頼性と拡張性を担保した標準営放システムのネットワークが実現

「今回の取り組みにより、放送局の基幹システムを日本で初めてクラウド環境に実装しました。ITプラットフォームだけではなく、アプリケーション基盤まで企業の壁を越えて共同利用する画期的なクラウド・サービスの提供により、システム運用の効率化やコスト削減と同時に、パフォーマンスやセキュリティー・レベルの向上など、数々の成果を実現しています。

IBMというよきパートナーとの協業により、アプリケーションの柔軟性や安全性を高めつつ、高い水準が求められる中での信頼性と拡張性を担保した標準営放システムのネットワーク対応化が早期に実現できました」(丸山氏)。

構築したシステム・センターは、災害対策用のバックアップ・センターも用意しています。

 

将来の展望

FNS以外の系列放送局に向けてサービス提供を拡大

「系列局では、同じ番組を放送することも多いのですが、だからといって地方局は単なる中継点ではありません。それぞれ独立した放送局として番組を放送している独立した企業の集合です。従ってシステムの共同利用を実現するためには、各社から十分な理解を得ることが必要で、これまで粘り強く話し合いを積み重ねてきました。こうした経緯で完成したアプリケーション基盤ですので、ほかの系列放送局にも利用していただければ、大きな効果を生み出すと思っています」(丸山氏)。

フィンズは安定運用の実績を積み重ねながら、蓄積した構築と運用のノウハウを提供することにより、放送業界全体から信頼を得ながらさらなるビジネス成長を目指します。

 

お客様情報

株式会社フィンズは、フジサンケイグループのITソリューション企業である株式会社フジミックなどを母体として2011年に設立。日本で初めて放送業界に対応したクラウド・コンピューティング環境を構築し、放送局各社に向けてクラウド・サービスを提供しています。

 

テクノロジープラットフォーム

サービス

Solution Category

  • IBM Global Technology Services