Business Challenge story

変化要求に耐えうる俊敏かつ信頼性の高いソフトウェア保守プロセスの実現

サントリーシステムテクノロジーは、サントリーグループを支える業務システムの開発と運用保守を担っています。このうち運用保守では、業務システムのインフラ部分やアプリケーション部分の改定作業が常に行われています。サントリーグループ内で他企業との合併や買収が行われると、それに合わせて業務システムの利用範囲を拡大しなければなりません。また、ミドルウェアのバージョンアップ、消費税率の引き上げが発生すると、関係する業務システムの変化対応が必要です。このような業務システムの変化対応を必要とするイベントは年々増え続け、多数のイベントを並行かつスピーディーに対応しなければならない状況になっています。 サントリーシステムテクノロジー ビジネスサービス部 サービスマネジメントオフィス 課長代理 高橋実雄氏は次のように話します。「イベント起因の業務システムの変化対応が年々増えてきているため、ソフトウェア構成管理や移行管理のプロセスにメスを入れ、これまで以上にプロセスやツールによる支援が必要だとの問題意識がありました」。というのも、業務システムを変化対応すべきイベントが多重化し同時対応しなければならない状況では、これまで以上に不都合や不具合が生じる恐れがあります。「複数のプログラム改定を並行すると、『先祖返り』を起こしてしまったり、手作業のミスで本番環境への移行がうまく行かなかったりするリスクが増します。それらのリスクが顕在化すると、業務システムを利用するエンドユーザーに迷惑がかかってしまいます」(高橋氏)。 サントリーシステムテクノロジーは、このような問題に対してソフトウェア構成管理や移行管理のプロセス・ツールを既に導入していました。しかし、後から導入した.NET環境上で稼働する業務システムの構成管理と移行管理に課題がありました。「Javaで開発したプログラムは、独自に作り上げたツールで安全に本番環境に移行できていました。一方.NETで開発した場合は、移行ツールがなく、かつ各技術者の作業品質に依存した移行プロセスだったため、しばしば問題が起きていました。.NET環境の業務システムの保守に関して、ツールを含めたプロセスのさらなる標準化が必要だと考えていました」(高橋氏)。 また、構成管理や移行管理に留まらず、現行の一連のソフトウェア保守プロセスを見直した結果、他にも多くの課題が浮かび上がりました。「例えば、影響範囲の調査では、プロセスやツール支援が不十分で、他のアプリケーションとの連携仕様を調べる精度やスピードが保守担当者に依存していました。また、プログラム変更時、開発者が相当な手間をかけて開発環境を準備していました。さらに、変更したプログラムを検証する静的解析ツールは標準導入できていましたが、精度に課題がありました」(高橋氏)。 サントリーシステムテクノロジーは、俊敏さ・高信頼性の観点で、一連のソフトウェア保守プロセスを課題抽出・分析し、刷新することにしました。

Transformation

移行管理ツールの独自開発を取り止めてIBM UrbanCode Deployを採用

サントリーシステムテクノロジーは、ソフトウェア保守プロセス全体を刷新する「プログラム資産管理革新プロジェクト」を2014年5月に立ち上げました。プロジェクトでは、課題の1つであった移行管理ツールにIBM UrbanCode Deployを採用することにしました。高橋氏は、独自開発ではなくツールを導入した理由を次のように話します。「移行管理ツールが担う機能は、サントリーグループの独自色を出す領域ではありません。社外に良い製品があるならば、それを購入して活用しようと考えていました。ただし、プロジェクトを開始した2014年5月の段階では、適切なツールを見つけきれず、社内で独自に作成しようと工程を進めていました」。サントリーシステムテクノロジーは、引き続きソリューションの探索を進めていく中で、IBM UrbanCode Deployを見つけIBMから詳しく話を聞くことにしました。「製品を見つけて当社の要求に合っていそうだと思っても、実際にフィットするかどうかは詳しく調べてみなければ分かりません。特にソフトウェア製品にはそのようなものが多いです。IBMはきちんと説明し支援してくれたので、大変ありがたかったです。フィットアンドギャップ分析の結果、IBM UrbanCode Deployならば大丈夫だと確信が持てました」(高橋氏)。 サントリーシステムテクノロジー ビジネスサービス部 サービスマネジメントオフィス主任 秋山久美氏は、当初予定していた社内での独自開発からの変更に対して次のように感想を話します。「プロジェクト途中で移行管理ツールを変更する話を最初に聞いたときには驚きました。しかし、デモを見たり、提供される機能を詳しく聞いたりしたことで、IBM UrbanCode Deployの導入に同意できました。最も魅力ある点は、GUIで操作できる部分です。これまではCUIによる操作でしたので、コマンドがうまく動かないといった問い合わせを受けたときに、引数が誤っているなどの応対をかなりの頻度で行っていました。特に、本番環境への移行時にそのような問い合わせを受けると、相手の方も急がれていますので、こちらもあわててしまうことがありました。IBM UrbanCode Deployでは、GUIでわかりやすく操作できるようになると考えました」。 サントリーシステムテクノロジーでの業務システムの開発や運用保守に協力し、今回のプロジェクトにも技術コンサルタントとして参画している株式会社クランディム IT事業部 SI部 マネージャー 高田立士氏は、選定理由としてJavaと.NETの2つの開発環境に対応している点を挙げます。「プログラムを本番環境にデプロイできるツールをいろいろ調べましたが、1つのツールでJavaと.NETなど複数の開発環境に対応しているものはIBM UrbanCode Deployだけでした。また、デプロイだけでなく、本番環境にプログラムを移行するための一連の手順を自動化できる点も魅力的でした」。 秋山氏も一連の作業が自動化できる点を評価します。「これまで使ってきたツールは、アプリケーションを配置するためにプログラムをビルドするだけのものでした。そのため、ビルド後にミドルウェアにデプロイして、本番環境で動くようにするという作業は、別のツールを使うか、担当者が手操作で処理していました。このような部分もすべてIBM UrbanCode Deployの手順に組み込んで動的に処理できるので、開発者の負担が減ると思いました。これまでの移行作業が短い時間でスムーズに進み、作業品質も均一化され、ミスがなくなる点は非常に良いと思っています」(秋山氏)。 このように、サントリーシステムテクノロジーは、IBM UrbanCode Deployを導入することで、ソフトウェア保守プロセスのうち移行管理の部分を自動化して作業ミスなく本番環境にプログラム移行できると判断しました。

Benefits

移行プロセス自動化による組織アジリティー向上。年1,800時間の有効時間創出

サントリーシステムテクノロジーは、現在IBM UrbanCode Deployを検証環境に導入し、関連ミドルウェアとの連携を設定し終え、新しい移行管理ツールとして使用するための準備を整えています。 「IBM UrbanCode Deployは、購入してインストールしただけでは使えません。使用する環境に合わせてテーラリングしていかなければならないツールです。サントリーのUrbanCode Deployの管理者にて移行テンプレートを用意し、現場保守チームの方々がUrbanCode Deploy上のボタンを押すだけで自動的にプログラム移行できるようにしていきます」(高田氏)。 「使用環境に合わせてカスタマイズされたものを目にすると、使い勝手が良くなるとあらためて感じます。テンプレートを1つ用意するだけで、ある1つの業務システムでの検証や本番環境への移行だけでなく、他の業務システムでも同じ作業ができるようになるため、標準化を進めていくのに役立つと思っています」(秋山氏)。 サントリーシステムテクノロジーは、IBM UrbanCode Deployを利用することで、自動化による大きな効果が得られると期待しています。「1年を通して数千回行っている本番環境への移行作業が自動化されるメリットは非常に大きいです。移行作業ミス低減や移行作業時間短縮、新しい保守担当のツール習熟早期化により、これまで以上に俊敏で信頼性の高い保守プロセスが実現できます。また、有効時間の創出にも寄与します」(高橋氏)。サントリーシステムテクノロジーは、移行管理プロセスの自動化により、俊敏さや信頼性を確保することに加え、年間1,800時間の有効時間が創出できると考えています。

 

将来の展望

ソフトウェア保守プロセストータルの刷新で、変化対応力強化へ

サントリーシステムテクノロジーは、現場保守担当に新たなソフトウェア保守プロセスを理解してもらった上で、実業務での本格的な利用を2015年7月から開始します。400前後ある業務システムの保守プロセスを構成する、構成管理、移行管理、影響調査、開発環境構築、コード検証のメカニズムを刷新し、今後も起こりうるM6Aや法制度改正などを始めとしたあらゆる変化対応に備えます。

 

お客様情報

サントリーシステムテクノロジー株式会社は、国内外200社以上に及ぶサントリーグループのITサービスである、業務アプリケーションの開発・運用、情報通信基盤の構築・運用、Webサイトの構築業務、サービスデスク業務を担っています。

→サントリーシステムテクノロジー株式会社(外部サイトへリンク)

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ソフトウェア IBM UrbanCode Deploy

サービス Software Services for Rational

ソリューション Collaborative Lifecycle Management, Connectivity - Federated deployment

Solution Category

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