Business Challenge story

容量は約40倍、コストは約2.7倍と年々肥大化するストレージへの対応が急務

投資対効果の高い柔軟なインフラを目指す同社は、約10年前から仮想化への取り組みに着手。その後、基幹業務システムにおけるサーバーの仮想化統合が一定の成果を上げる一方で、ストレージ環境は依然として多くの課題を抱えていました。

年々ストレージの肥大化は顕著になり、2008年時点の容量は2003年の約40倍、コストは約2.7倍にも膨らんでいたのです。また、1998年にはSANを導入するなど、ここでもいち早く最新テクノロジーを取り込んできたものの、業務分野ごとに構成された複数のSAN環境には運用面での限界も見えていました。

顕在化していた問題について、同社IT本部ITインフラ部 コンピュータインフラ第二課 チーフの菩提寺淳一氏は、次の4点を指摘します。

「1つ目はベンダー・ロックインの問題です。当社は複数社のストレージ製品を使用しているのですが、どうしてもA社の製品はA社にリプレースする方が効率的で、サービス停止時間も極小化できます。そうなると、他社製品へのニーズがあってもなかなか変えられません。 2つ目は利用率の偏りです。空いているストレージがある一方で、容量が不足して拡張が必要なストレージもあるなど、全体として非常に効率が悪い。3つ目は運用の属人化です。製品ごとに運用手法やツールが異なり、専門的な知識が必要になるため、個々のSAN環境の運用を特定の担当者に依存している状況でした。4つ目の問題は、性能や信頼性が要求される業務領域ということで、ハイエンド・ストレージを採用したことによる高コスト構造です。すべてのデータを高コスト・高品質な領域に配置するのは、全体最適の観点で望ましくありません」。

Transformation

ストレージ・インフラの最適化に向けSVCによるストレージの仮想化を選択

そこで基本方針の見直しに着手した同社は、ストレージの仮想化に解決策を求めました。菩提寺氏は、「実は2006年の段階で複数社から提案をいただいていたのですが、当社のハイエンドな性能要件を満たす製品がないという認識から、それ以上検討はしませんでした。その一年後の2007年、IBMのセミナーでSVCは基幹業務システムでも十 分対応できるという話を聞き、いよいよ本格的に検討を始めたのです」と振り返ります。

SVCは、マルチベンダー環境におけるストレージ統合を容易にし、仮想化された柔軟なストレージ環境を提供する製品です。 SVCへの期待を新たにした同社は、製品選定を進めるにあたり、まずは実装方式について検討。サーバー方式、ネットワーク方式、制御装置方式の中から、SAN層で仮想化を行うネットワーク方式を選択しました。

「サーバー方式は大規模システムには不向きですし、制御装置方式ではベンダーが限られてしまい、マルチベンダー環境に展開できません。必然的にネットワーク方式がベストとの結論に達しました」と菩提寺氏。

2008年時点でこの方式に対応していたのは、IBMのSVCともう1社の製品のみでした。2つを比較した結果、同社はSVCの採用を決定。

「決め手の一つが国内での豊富な実績です。また、複数ベンダーのストレージを1つのストレージとして扱える点や、異なる筺体間でバックアップやリストアが行えるなど、当社の機能要件を満たしていたのはもちろん、非機能要件も重視しました。性能とコストについて事前検証を行い、確信を持って導入に踏み切れたのは大きなポイントです」(菩提寺氏)。

決断を後押ししたこの事前検証では、IBMの協力のもと、現行システムの評価から、要件の整理、ストレージ・インフラのあるべき姿に向けた解決策の検討、ロードマップの策定までをきめ細かく実施。菩提寺氏は、「中長期的な視点で費用対効果を試算し、専門家の意見を踏まえて最適なインフラを可視化できたことは非常に有意義でした。上層部や経営陣への説明にも役立ちました」と語ります。

Benefits

性能面およびコスト面での効果に加えマルチベンダー環境での柔軟な運用が実現

2008年より始動したストレージ仮想化プロジェクトは、2009年に第一次の移行作業が完了。SVCにより、他社ハイエンド・ストレージ1台、IBMミッドレンジ・ストレージ2台の計150TBを単一のストレージ・プールとして仮想的に統合し、ここに 97台のホストを接続。6ノードで構成されたSVCとSANダイレクター製品を組み合わせて、統合化されたSAN環境下での高いパフォーマンスをサポートしています。

「SVCの実力に加え、ファイバー・チャネルの拡張やディスク・ドライブの回転数の向上など、他の要因も重なったとはいえ、性能面で顕著な効果を実感できています。アプリケーションの利用者や運用担当者も、明らかに速くなったと喜んでいます」(菩提寺氏)

その効果は数値にもはっきりと表れており、最もI/O要求の高いビジネス・インテリジェンス(BI)システムでは、オンライン・レスポンス・タイムが35%短縮、バッチ処理におけるI/Oスループットは約20%向上しました。

さらに、「ベンダーに関係なく、ストレージに対するオペレーションをSVCに統一できましたし、適材適所で最適なストレージを選べる環境が整いました。また、ピーク時にすべてのストレージの利用率が最大になるように配置を見直すとともに、情報ライフサイクル管理(ILM)の考え方を適用して、容量単価の安いストレージにテスト・データやバックアップ・データを配置することで、投資も最小化できています。実際、2009年時点で約20%のコスト削減を達成できました」と菩提寺氏。SVCの導入を機に、既存の問題は一気に解決を見たのです。

 

将来の展望

仮想化におけるノウハウと実績を強みにクラウドへの取り組みにも意欲

同社はさらなる最適化を目指して、SVCのシン・プロビジョニング機能の活用にも期待を寄せています。

すでに2009年には技術検証を済ませており、菩提寺氏は、「RDBMSの中身を調べてみたら、全体の約40%が未使用領域であることが判明しました。容量にして約70TB。シン・プロビジョニングの活用で、この部分を回収できる見込みです」と自信を覗かせます。

また、引き続き既存環境をSVCの配下に取り込みながら、その先にはクラウド・コンピューティングの実現も見据えています。

「当社が取り組んできた仮想化をさらに進化させ、最適化された柔軟なITインフラとしてのプライベート・クラウドを完成させたい。SVCは、その基盤としても重要な役割を担うことになるでしょう。ビジョンを確実に形にしていくIBMですから、今後もその革新的なテクノロジーを活用しつつ、メリットを享受していきたいですね」(菩提寺氏)

マーケティング企業グループとして、グローバルな視野で変化に対応し、真の顧客満足度ナンバーワンの実現を目指すキヤノンマーケティングジャパン。そのスマートでダイナミックな変革に注目が集まります。

 

お客様情報

グローバル企業として、世界180カ国以上で幅広い事業を展開するキヤノングループ。キヤノンマーケティングジャパンは、その一員として日本国内のマーケティング活動を担っています。キヤノン製品を中心に、お客様の課題に対応した付加価値の高いソリューションを提供しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM System Storage SANボリューム・コントローラー

ソフトウェア

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ソリューション

Riverbed / Whitewater and IBM Tivoli Storage Manager,

Solution Category

  • Other