Business Challenge story

カールスルーエの市議会議員は、意思決定プロセスに役立つ、迅速で包括的な検索オプションとリサーチ・オプションを必要としていました。

市政に対しては、「官僚体質を改善してほしい」、「情報の分散を減らしてほしい」、「個人や企業とのやり取りを効率化および透明化してほしい」など、実に多くの要望が寄せられます。市議会、オフィス、および各部署には、デジタル情報を収集して同種のシステムに提供する、よりインテリジェントな情報システムが必要です。ネットワーク化を行うと、構造化データや非構造化データと情報をすべての部署とオフィスのさまざまなソースから利用できるようになります。このため、多くの地方自治体では、「長期にわたって発展してきた各種システムの情報に、統合されたインターフェースから容易にアクセスできるようにして、意思決定者の業務を簡素化する (よりハードにではなく、よりスマートな働き方) にはどうしたらいいか」という問題に直面しています。

まさにこの質問の答えとなるのが、カールスルーエ市の新しい諮問・行政システム (以下、ravis) です。

Transformation

IBM WebSphere Portalベースのravisを導入し、情報源に1カ所からアクセスできるようにしました。さらにIBM OmniFind (現 IBM Content Analytics with Enterprise Search) が統合され、すべてのデータ・ソースを容易に検索できるようにしました。構造化アクセス (ポータル) と非構造化アクセス (検索) のどちらの場合でも、ユーザーは1つの統一インターフェースからさまざまなデータ・ソースにアクセスすることができます。アクセスは、Webブラウザーとシングル・サインオン(以下、SSO)を使用して行います。

最初のeメールからナレッジ・ポータルへ

ravisは、カールスルーエで受け継がれている電子通信システムの一部です。1984年、カールスルーエ大学は1984年、ドイツでは初めてとなるインターネット経由のeメールを受信しました。

カールスルーエでは、何年にもわたって諮問情報システムを使用してきました。「これが市議会の情報管理における最初の躍進でした」と、カールスルーエ市中央庁舎のオフィス通信部管理者、Frank Leyerle氏は言います。市では10年間、約3,000人の職員のeメール通信に IBM Lotus Notesを使用してきました。Lotus Notesは、行政文書管理システムと諮問情報システムのベースでもあります。市議会議員と行政役員は、確かな根拠に基づく意思決定を行うために、カールスルーエで行われるイベントや起きた事実に関して幅広い情報を必要とします。市の内外にあるさまざまなデータや情報源にアクセスするには、各システムを手作業で検索する必要があったため、以前は非常に時間がかかっていました。統合された概要はありませんでした。さらに、データの増大により、情報検索が一層難しく複雑になっていました。

市議会議員は何事に関しても十分な情報を得なければならない

「特に市議会議員は、加速度的な情報の増大による影響を受けます」と Frank Leyerle氏は言います。「彼らは実際の職業が別にある上で、ボランティアとして働いています。このため、時間はできる限り有効に使わなければなりません。また、議会の仕事に対しては、常に世間の目が光っています。この結果、期待はますます高くなります」。市議会議員は、高速かつ包括的で正確な情報検索を行うために、ターゲットを絞った電子検索を実行する必要に迫られていました。適切な決定を行うには、議会員が十分な情報を得る必要があります。それぞれのファイリング・コンテキストで構造化された情報にアクセスすることは、比較的単純です。しかしながら、この場合、検索する情報の内容、情報の検索場所、対象となる期間を知っている必要があります。情報への「スマート」アクセスを実現するには、高性能な検索・分析オプションと、「隠れた」ナレッジや遠隔地にある情報源が1カ所に集まらなければなりません。これによりデータがナレッジになり、市議会議員と行政役員があらゆる事実指向のデータを1カ所から検索できるようになります。例えば、フットボール・スタジアムの改修計画の場合、「ワイルド・パーク・スタジアム」で照会すると、以前の決議案、会議、議事録のほか、地理データ (土壌の成分など) を含む市計画の場所に関するデータがすべて1カ所に表示されます。さらに、論説記事までも意思決定プロセスの考慮に入れることができます。

さらに、視覚化のためのプラットフォームの導入も想定されました。これは、さまざまな情報源 (カレンダー、会議文書、オンラインの権利情報、ニュース項目など) をまとめて、簡単かつ構造化された方法で利用できるようにするポータルです。「計画段階で、IBM WebSphereとIBM OmniFindで当方の要件 (非構造化データの一元検索機能が統合された1つのポータル) を満たせることが明確になりました」とFrank Leyerle氏は言います。IBMプレミア・ビジネス・パートナーのPROFI Engineering Systems AGは、その当時、WebSphereベースのポータル・ソリューションを提供していました。IBMとPROFIは共同で、概念実証を作成しました。PROFIは、納得のパフォーマンスと定評ある実績により契約を獲得しました。PROFIの開発業務や実装業務を支えたのは、中央庁舎の職員による非常に行き届いた準備業務でした。

直感的な意思決定ではなく、直感的な操作

ravisでは、SSOによる認証が可能です。このためユーザーは、自分のパスワードで一度サインオンするだけで済みます。これにより、電子メールやカレンダーなどが表示される個人情報マネージャー (PIM) や、諮問情報システム、内部の電話帳、OmniFind検索・分析機能にアクセスできます。追加の情報やアプリケーションはポートレットを介して統合され、同様にSSOでアクセスできます。また、SSOで地理情報システム (GIS) にアクセスすることもできます。PIMとGISのリンクは、IBM WebSphere Portlet Factoryによって作成されました。ravis内のポータル検索は、IBM OmniFind (現名称: IBM Content Analytics) 検索アプリケーションに置き換えられました。PROFIはIBM Rational Application Developerを使用して、カールスルーエ市の仕様に合わせて外観と拡張機能を調整しました。インターフェースは、直感的で単純な設計になっています。「導入時には、費用対効果とユーザーに受け入れられるかどうかが常に念頭にありました」と Frank Leyerle氏は強調します。新たに必要なハードウェアは、2台のIBM x3650サーバーのみでした。すべての市議会議員には、アプリケーションがインストール済みのノートブックまたはネットブックが支給されています。複製機能を使用すれば、中央データベースと同期を行うことができます。今では、必要な操作はブラウザーからの選択のみです。クライアントはスリム化され、メンテナンスも楽になりました。将来的には、ノートブックと同様にデスクトップからもポータルにアクセスできるようになる予定です。

地理データは特に重要な情報源の1つ

地理情報システムへの接続は、ravisの中心となるコンポーネントです。特に市議会では、地理データは意思決定プロセスにおける重要なアイテムとなります。議会による決定事項の80%には、場所の参照が含まれています。以前は、市議会議員はハードコピーで場所に関する情報を得ていました。例えば、場所、環境、新しい都市計画マップの航空写真などの追加資料を事前に入手するには、多額の費用がかかっていました。現地まで直接出向いたり、市庁舎で当該情報を要請したりする必要がありました。今では、市議会議員がボタンをクリックするだけで、自宅からでも情報を得ることができます。「反響は非常に良好です」とFrank Leyerle氏は強調します。「ravisに統合した結果、私達の地理情報システムは非常に高い関心を得るようになりました」。

Benefits

  • 市議会議員、意思決定者、市役所職員による連携の効率性が向上 (よりハードにではなく、よりスマートな働き方)
  • 関連性の高い情報を素早く見つけられるため、確かな根拠に基づく意思決定が実現
  • 追加の情報源の統合や、追加のユーザー・グループの作成が容易
  • WebブラウザーとSSOによりアクセスが容易になった結果、行政上の経費が低減
  • クライアント (市議会議員用のモバイル・コンピューター) のスリム化により、インストールとメンテナンスの作業が軽減
  • 柔軟な展開と拡張により、投資のセキュリティーを実現

 

市政全体の利点

2010年2月以降、市議会議員は IBMポータルとOmniFindの検索・分析機能からなる新しいIBMソリューションを利用しています。評判は一定して高く、特に、容易なアクセス、便利な検索機能、地理情報システムの統合について高い評価を得ています。ユーザーの要望リストには、データのセキュリティーを低下させずに、カレンダーの統合や選択方式の簡便化を行うといった、小規模な最適化の要望が挙がっています。これは取り扱いが難しいトピックです。なぜなら、市議会議員は行政上の意思決定に関与しますが、市役所職員ではないためです。

  「ravisポータルによって、市議会議員の作業効率は向上し、付加価値の高い管理も可能になりました」とFrank Leyerle氏は強調します。IBMソリューションへの投資は、特に将来、追加のユーザー・グループが作成される際に効果を発揮します。バージョン 2.0では、市長とそのオフィスでもメリットが得られるようになるはずです。チームとプロジェクト指向のタスク向けに、文書管理システム IBM Lotus Quickrの包括的な組み込みが計画されています。考えられる拡張としては、選択した専門アプリケーションや、選択したSAP R/3アプリケーションの統合が挙げられます。特に、財務データの領域は、どの議会の意思決定者にとっても重要な管理ツールです。「当市とPROFIのエキスパートの協力体制は万全です。彼らはさまざまなグループのニーズを明確に理解して、それを具現化してくれます」とFrank Leyerle氏は言います。

 

将来の展望

「当市のポータルは、まだいくつかの興味深いアプリケーション分野に対しても大きな可能性があります。これらは今後数年で具体的になり、革新的な市民サービスやワークフロー・ソリューションになると思われます。これにより、今後の都市開発を首尾良く管理できるようになります」とFrank Leyerle氏は言います。

 

お客様の声

カールスルーエ市 オフィス通信部管理者 Frank Leyerle 氏

「ポータルによって、市議会議員の作業効率は向上し、付加価値の高い管理も可能になりました」

 

お客様情報

人口280,000人、面積173平方キロメートルのカールスルーエは、バーデン・ヴュルテンベルク州で3番目に大きな市です。市議会では、「カールスルーエ・マスタープラン 2015」に関して近い将来実施される多数のパイロット・プロジェクトを制定しました。市議会は市民の代表であり、コミュニティーで最も重要な機関です。市議会は行政の基本原則を決め、コミュニティーのあらゆる業務に関する決定を行います。市議会は、会長である市長と、48人のボランティア会員で構成されています。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud
    • Govt: Government, State/Provincial/Local Transformation