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IBMコンサルティング - watsonx Code Assistant
世界中で、ソフトウェア開発者の需要が高まっています。 米国労働省は、ソフトウェア開発者の雇用が2031年までに25%増加すると予測しています。 さらに、世界的なソフトウェア・エンジニア不足が進み、2030年までに8,520万人が不足すると推定されています。 ソフトウェア開発者の需要と供給の不均衡は深刻化の一途を辿り、早急な対策が急がれています。
「この状況に悩むお客様のため、私たちは生成AI対応のペア・プログラミングを検討し始めました」とIBMコンサルティングのパートナーおよびグローバル・ハイブリッドクラウド・オートメーション・リーダーであるジェリー・レイタオン氏は説明します。「初期段階のテストでは、生成AIが開発者の戦力となり得ることを目の当たりにしました。 レガシー・コードは未だ非常に多く存在しているため、リファクタリングやモダナイズの必要性がありますが、それと同時に新しいコード開発も進めていく必要があります。生成AIは、コード開発における優先事項のバランスを取る上で重要な役割を果たします」とレイタオン氏は続けます。 実際、Gartner(ガートナー)の予測では、2025年までに製品開発ライフサイクルの80%が生成AIによるコード生成を活用するようになり、開発者はバックエンドとフロントエンドのコンポーネントおよび統合の検証、オーケストレーターとしての役割を担うようになるとされています。*
「私たちは、IBMリサーチ、IBMテクノロジー、Red Hatを集結し、生成AIを活用した開発者の生産性向上を支援するというミッションに着手しました」とレイタオン氏は言います。多くの検討すべきユースケースからまず取り組んだのは、IT環境の複雑さを取り除くプラットフォームとして何千もの企業を支援してきた IT自動化プラットフォームのAnsible Automation Platform(AAP、以下Ansible)でした。
「どうすればAnsibleの学習曲線(ラーニングカーブ)を短縮し、開発者の影響力を高めることができるのかを考えました」とレイタオン氏は言います。 そして、IBM watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedのテクニカル・プレビューが始まりました。
* 出典元:Gartner、「Emerging Tech: Generative AI Code Assistants Are Becoming Essential to Developer Experience(新興技術: 生成AIのコードアシスタント機能は開発者のエクスペリエンスに不可欠になりつつある)」、2023年5月11日。 GARTNERはGartner, Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークで、許可を得て使用しています。無断複製や転載を禁じます。
開発者はwatsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedを使用し、AIとの自然言語での対話に基づき生成された推奨事項を活用することでAnsibleプレイブックのコンテンツをより迅速にモダナイズできるようになります。
テクニカル・プレビュー期間中、チームはソリューションをテストし、幅広いユースケースを支援することを目標に掲げ、Ansible Playbookの構築を行いました。
そのユースケースは以下です。
さらに、チームは以下のようなユースケースに対応するレガシー・プレイブックのリファクタリングとモダナイズをテストしました。
「このツールは、お客様向けに、Ansibleコンテンツの作成やモダナイズのスピードと量を向上させることを目的としています。 開発者が各プレイブックの構築に使用できる最適なコンポーネントをwatsonx Code Assistantが提示してくれるので、Ansible Playbookの品質が向上すると確信しています」とレイタオン氏は述べます。多様なバックグラウンドをもつ開発者が、Ansibleの自動化を構築およびリファクタリングできるようになるとチームは考えています。 「私たちは開発者を生成AIで代替しようとしているわけではありません。 生成AIはすべてのコードを生成するのではなく、 人間の持つスキルと組み合わさることで力を倍増させることを意図しています」とレイタオン氏は付け加えます。
watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedの基盤となるGranite 基盤モデルは、 IBMとRed Hatの専門家によってトレーニングとテストを実施。 「お客様との長年にわたる開発経験で得た最善の手法を活用して、モデルのチューニングを行いました」とレイタオン氏は振り返ります。 watsonx Code Assistantは、推奨項目を提供する際、信頼性と透明性を最大限に高めるために、最も可能性の高いトレーニングの一致を共有します。 各推奨には、最も一致度の高い 3 つのコンテンツ・ソース、その作成者、およびライセンスが含まれます。
「テクニカル・プレビュー期間中、初期ビルドにおける生産性が20%~45%向上したことが確認できました。 一般公開に移行したら、さらなる向上が期待できるでしょう。 また、まだ完全には定量化されていませんが、生産性向上を実現できる下流の工程は多くあると信じています。私たちは、Ansible自動化の開発を加速し、一般公開後のクライアントの価値実現までの時間を短縮することと、コンテンツの更なる高品質化を目指します」とレイタオン氏は説明します。
watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeedは、開発者が自然言語を入力を使用してAnsible タスクを作成できるため、迅速なスキル成長を助け、チームへの貢献度を高めることができます。「watsonx Code Assistantは、Ansibleの自動化を開発できる人材の範囲を広げると同時に、生成AI活用によって、スキル習得までの時間を短縮することが期待できます」とレイタオン氏は述べています。
また、Ansibleの価値を発揮できる方法はこれだけはありません。レイタオン氏は「私たちは、Red Hat Ansible Lightspeed用のwatsonx Code Assistantが、Ansible上で構築できるものの幅を広げ、より多くのことを探求するように設計しています。 開発者は、特定のアプローチでコンテンツを構築することだけに偏っていたり、Ansibleをまったく知らなかったりするかもしれません。しかし、生成AIとともに作業を進めることで、プラットフォームで実現できることは増えていくのです」と主張します。
IBMコンサルティングは、パートナーのオープン・エコシステムを活用し、ハイブリッドクラウドとAIテクノロジーを通じてお客様のビジネス・トランスフォーメーションを促進します。戦略やエクスペリエンス設計、テクノロジー、オペレーションにわたる深い業界専門知識を擁するIBMは、世界で最も革新的かつ価値ある企業3,000社以上の信頼できるパートナーとして、極めて複雑なシステムのモダナイゼーションとセキュリティー保護を支援しています。16万人のコンサルタントたちが、オープンな働き方を実践し、実証済みの共創手法であるIBM Garageを適用して、アイデアを成果につなげています。
© Copyright IBM Corporation 2023.日本アイ・ビー・エム株式会社
2023年10月、米国で制作。
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引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBMプロダクトを使用し、達成した結果の例として提示されています。実際の環境でのコストや結果の特性は、クライアントごとの構成や条件によって異なります。お客様のシステムおよびご注文のサービス内容によって異なりますので、一般的に期待される結果を提供することはできません。本書の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBMプロダクトは、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。
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