Business Challenge story

ビジネス・プロセスの多くにマイクロフィルムと紙を使用していたために、設計変更に時間がかかり、また監査コストが高額になっていました。さらに、SOX (サーベンス・オクスリー) 法の順守にも支障が出ており、契約管理も複雑化していました。

Transformation

IBM Information Lifecycle Governanceソリューションを使用して、重要なビジネス文書を管理するための段階的なアプローチに着手しました。

フェーズ1 : 設計変更プロセスを30日から1日に短縮

同社最大の子会社はフォーク・リフトの部品を製造しており、顧客の特定ニーズに合わせたオーダーメイド部品の注文を受けることも少なくありません。部品をすみやかに納品するためには、変更要求に迅速にアクセスする必要があります。

これまで同社では、設計変更を行う際、図面の写真を撮り、マイクロフィルム・コピーを作成していました。そして、このマイクロフィルムからさらにコピーを作成し、設計変更通知 (ECN) パッケージに収めて全世界に送付していました。すべての現場に変更通知が届き、一斉に製造を開始できるようにまるまでに30日かかっていました。設計変更が発生するたびに、配送費だけでも30,000ドルかかりました。

同社はこの問題に対処するため、フェーズ1のコンテンツ管理プロジェクト (1998年2月稼働) に取り掛かりました。このプロジェクトでは、150,000以上の設計図をマイクロフィルムからTIFF形式の電子イメージに変換し、IBM FileNet Content Managerシステムに格納しました。このシステムは、エンジニアが製図作業の開始に使用する製品データ管理 (PDM) アプリケーションに統合されました。それにより、設計図の変更が容易になりました。今では、集中格納場所にアクセスして変更対象の図面を見つけ、図面にECN番号を入力して変更発効日を指定するだけです。ECNをリリースすると、対象図面のメタデータが自動的に抽出され、ネットワーク・ドライブに対応するTIFFイメージが存在するかどうかが確認されます。そして、FileNet Content ManagerライブラリーにそのTIFFイメージが追加されます。現在の日付が実装予定日と一致した場合は、各プラントの権限のあるユーザーがこの図面の最新バージョンをオンラインで利用できるようになります。このシステムは1,200人以上の従業員が使用しており、格納されている図面の数は今では600,000を超えています。

フェーズ2 : 50年間の保存という難題への対応

この子会社は設計図の配布プロセスの自動化を達成した後、製品情報のデジタル・アーカイブの作成に取り組みました。50年間持ちこたえられる手段は、文書の保管と配布に関して難題を投げかけます。「OMS (オペレーショナル・メソッド・シート) を50年間保存することが法律で義務付けられています。OMSとは、プラントで行われる各組立作業の指図を記載したものです」と、ITオペレーション・ディレクターは語ります。

同社は2000年、OMS文書とメタデータ(属性)をアーカイブし、管理するための保管庫を作成しました。毎晩、自動スクリプトによって、新しい OMS 文書と改訂されたOMS文書がIBM FileNetのコンテンツ・ライブラリーに追加されます。従業員は、各プラントにあるシートに Web 経由でアクセスします。各シートはバージョン管理され、情報セキュリティーが確保されているため、必要な時に必要な場所で適切な情報を取得できます。現在、本システムには125,000を超えるOMS文書が保管されています。

フェーズ3 : ISO 認定コストの削減

ISO (国際標準化機構) 認定を受けることは、この企業にとって、極めて重要な要件となっています。ISO認定を受けていなければ、製品を購入しない顧客もいるでしょう。しかし、この監査では、監査人が各プラントを個別に監査して認定するため、コストがかなりかかっていました。

同社は2002年、全社規模のポリシー、手順、作業指示、標準、およびマニュアルを作成しました。これらの管理文書とレコード・タイプは、その後、マスター・ファイル・インデックスで分類され、FileNetのコンテンツ・ライブラリーに保管されました。プロジェクト・チームはカスタム・フォームを作成して、社内の誰もが文書やワークフローを提出して、ライブラリーへの組み込み前に、レビューや承認を受けられるようにしました。ライブラリーは増え続け、文書数は現在、およそ12,000となっています。

従業員と監査人が、文書内の任意のテキストまたはプロパティーを検索すると、検索結果はツリー構造で画面に表示され、文書の内容が表示されます。いずれかの文書が改訂されると、その文書に関連するすべての文書について、その管理権限を持つ人物に通知 E メールが自動送信されます。

フェーズ4 : SOX法順守の合理化

子会社が達成した成果を確認した同社は、契約管理ソリューションを拡張して、SOX法の順守に対応することにしました。「親会社は毎月、子会社から財務文書を受け取るのですが、こうした記録情報と関連ファイルのすべてを1カ所に保管したいと考えていました。また、SEC (証券取引委員会) に提出する文書の不正変更を防止する安全な保管先が必要でした」と、ITオペレーション・ディレクターは述べています。

最初のステップとして、同社は、発行された財務報告書を FileNet Content Manger に保管しました。各報告書には、その報告書をシステムに格納した管理者に基づいて、セキュリティー権限が自動的に適用されました。

同社は2006年、IBMのビジネス・パートナーと契約して、システムをIBM FileNet Content Managerにアップグレードしました。このビジネス・パートナーは、IBM FileNet Records Crawler (現 IBM Content Collector for File Systems) を活用したユーティリティーを構築しました。このユーティリティーを使用することで、子会社組織の財務管理者はMicrosoft Windows Explorer環境で作業を行いながら、指定のフォルダーに文書をドラッグ・アンド・ドロップすることができます。文書のドロップ先フォルダー別に、文書プロパティーが設定されているすべてのインスタンスのメタデータが自動的に取り込まれます。プロパティーの一部が判定できない場合は、不足しているメタデータを入力するよう管理者に促すポップアップ・ダイアログ・ボックスが表示されます。分類された文書はピックアップされ、情報記録管理用の保管先に追加されます。「このソフトウェアで使われるテンプレートには、アクセス権のあるユーザーやアクセス・タイプなどのルールがあらかじめ指定してあります。このソフトウェアは、すべての報告書について、レビュー担当者や承認者を追跡し、適切な期間が経過するまで保管場所に文書を安全に保存してくれます。」と、IT オペレーション・ディレクターは説明します。

フェーズ5 : 契約の管理とすべての物理情報記録(レコード)への制御の拡張

同社は2006年、世界各地で締結された法律上の契約をFileNet Content Mangerに保管しました。このインターフェースとアプローチは、財務情報記録管理システムに使用したものと同じです。

同社は、すべての物理情報管理を導入するためのグローバル・記録(レコード)管理イニシアチブにも着手しました。2007 年には、パイロット・プログラムを実装しました。法務部はIBM Content Collector for File SystemsとIBM Enterprise Recordsを使用することで、災害復旧用のオフサイト設備「Iron Mountain」に保管されたすべての物理文書の位置を特定できるようになりました。このシステムによって、権限のある管理者が文書を記録として宣言し、一定期間保存できるようになりました。

プログラムの第1段階の実装で、従業員は不要な資料を破棄し、およそ900台のファイル・キャビネットが空になり、494,000ドル相当を節約できました。

同社は、基本的に年1回のペースで、IBM Lombardi Teamworksソフトウェアを使用して、不要な文書を破棄しています。ローカル・レコード・アナリストが照会を実行して、破棄対象として適格な物理記録情報を検索します。その後、アナリストは、マウスを右クリックしてLombardi Teamworksワークフロー・プロセスを起動し、処分プロセスを開始します。一度に10個の記録情報が、該当する情報の所有者にe-メールで送信されます。所有者は記録情報の破棄を承認または拒否したり、新しい保存期間や論拠を指定したりすることができます。

2007年、このソリューションは全社に拡張されました。現在では、ほぼすべてのロケーションで、物理記録情報の管理にIBM Information Lifecycle Governanceソフトウェアが使用されています。誰もがキーワードを入力して、あらゆる設備に保管されている記録の保管場所を、行、列、および棚情報のレベルまで指定できるため、情報の取り出し先の正確な位置をローカル・レコード・アナリストに示すことができます。

Benefits

運用記録情報(レコード)、法務記録情報、および財務記録情報を効果的に制御することによって、設計プロセス、認定プロセス、およびコンプライアンス・プロセスを合理化し、ファイル・キャビネット代や配送料を数十万ドルも節約することができました。

 

お客様の声

米国の工業製品企業のITオペレーション・ディレクター

「IBMのおかげで、以前は30日かかっていたプロセスを1日に短縮することができただけでなく、変更ごとに30,000ドルの配送料を支払わずにすむようになりました。ミスもなくなり、以前よりもはるかに迅速に部品の変更をお客様に提供できるようになりました。これは、当社のカスタマー・サービスの大きな改善点の1つです」

 

お客様情報

製造業、専門小売業、および鉱業の分野に複数の子会社を擁している、米国の工業製品企業です。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud
    • Ind: Architecture / Eng / Construction