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AIを活用した情報探索のアプローチで、必要な技術情報に、誰でも、より簡単に到達できるデータ・ライブラリーを実現

Hondaの研究開発機関である株式会社本田技術研究所(以下、本田技術研究所)の社内では、折々に作成したプレゼンテーション資料やホワイトペーパー、画像、動画、グラフィックスなどの技術資料や広報活動のための素材が担当者ごとのPCなどに分散しており、検索に時間を要する状況にありました。この課題を解決すべく、同社は技術コンテンツのアクティブな活用を可能とする「DATA FUROSHIKI」と呼ぶクラウドベースの情報共有/ライブラリーの仕組みづくりを推進。そこで導入したのが、IBM Watson Discovery(以下、Watson Discovery)をベースとした情報探索のソリューションです。AIを活用することで、必要な情報に、より容易に、素早く到達することを可能とし、グローバルでの情報共有や技術伝承の強化を目指しています。

ビジネス上の課題

本田技術研究所 四輪R&Dセンターでは、折々に作成した技術資料や広報活動のための素材が各担当者のPCや、ファイル・サーバーのさまざまなフォルダーに分散し、一元的なインデックスもないため、問い合わせを受けた場合も、任意の資料を探し出すまでに大変な工数を費やしていました。在籍期間の長いベテラン担当者であれば、問い合わせを受けた資料の保管場所の見当が付きますが、新人や他部門から異動してきた人では対応できません。ベテラン担当者や実務として資料を制作した担当者も退職したり、異動したりしてしまうため、時間がたつほど情報収集はますます困難になり、一刻も早く手を打たねばならないと、危機感が募っていました。

概要と経緯

本田技術研究所は分散している技術資料や素材を全社標準のクラウド・ストレージに集約、一元管理し、保存されたデータのアクティブな活用を実現するクラウドベースの情報共有とライブラリーの仕組みを整備するため、IBMに相談し、Watson Discoveryをベースとした情報探索ソリューションの提案を受けました。Watson Discoveryは、キーワードを用いた検索の場合は個人ごとの言葉の揺らぎを吸収、平文(自然言語)による問い合わせにも対応し、必要なコンテンツに、誰でも、容易に、より迅速に到達できる環境を提供することが可能です。本田技術研究所はは2018年2月にWatson Discoveryの導入を決定し、新しい情報共有とライブラリーの仕組みの構築を開始しました。

効果と今後の展望

本田技術研究所はフィードバック学習機能を積極的に活用し、約3カ月間、情報探索モデルの“育成”を重ねた結果、当初は目的の文書がランキングの上位に表示される確率が60~70%程度でしたが、現在では違和感なく並ぶようになりました。次のステップとしては、Watsonの画像認識機能APIを活用して、製品画像など固有の画像を学習させてモデルを作成し、画像や動画の自動タグ付けと分類、画像や動画の迅速な検索を可能にすることを検討しています。今後は他部門でのニーズとシステムの負荷を見極めながら、ユーザー拡大の可能性を探っていきます。多くの先人たちがさまざまな記録を残し、伝えてきたことから、現在のHonda社内には創業者である本田 宗一郎氏のスピリッツが脈々と受け継がれています。同社は今のHondaのスピリッツを後世に伝承していく基盤として、DATA FUROSHIKIを発展させていこうとしています。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

継続的な学習によって精度が向上する様子を目の当たりにすると、やはりWatson Discoveryを導入し、AIによる情報探索をベースにしたことには大きな意義がありました。 後藤 洋氏 開発戦略室 技術広報ブロック マネージャー 主任研究員 株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター
次のステップ
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