Business Challenge story

1日約35万人のお客さまが訪問する膨大なWebサイト閲覧履歴を本格的に分析・活用したい

インターネットが人々の暮らしに浸透するにつれて、近年はWebサイトを通じたダイレクト販売の伸びが目覚しいものとなっています。

JALのWeb販売は国際線、国内線の航空運送サービス、航空券と宿泊・観光施設などを組み合わせたパッケージツアー販売、ホテル・レンタカーなどの付帯・関連商品販売の5つの分野で構成されており、「旅と暮らしのValue Web」をコンセプトに運営されています。

JALのWebサイトは、約3万ページの情報・機能を格納しており、一日あたりのサイトへのユニーク訪問者は約35万人、月間のページ閲覧数は2億ページを超える状況です。お盆などの繁忙期の空港利用者でも1日あたり16万人程度ですので、JALのWebサイトはその約2倍ものお客さまから毎日利用されていることになります。

JALは、Webサイトをお客さまとの重要なタッチポイントと認識し、より強い「絆づくり」に取り組んできました。同社Webサイトは、1995年6月に開設され、1996年には日本の航空会社では初となる国内線インターネット予約、1997年には国際線インターネット予約の提供を開始しました。さらに、インターネットが生活のあらゆる場面で活用されるようになった2000年には、「1to1マーケティング」の仕組みを導入し、さまざまなお客さまの異なるニーズに応じて、カスタマイズされた情報提供に積極的に取り組んできています。

さらなるきめ細やかなリコメンドや「1to1マーケティング」を支えるデータ分析については、Webサイトのアクセス・ログ・データに加え、「JALマイレージバンク」会員のデータも活用して、さまざまな分析を行っています。

同社Webサイトの初期立ち上げから関わってきた、旅客販売統括本部 Web販売部長 西畑智博氏はこうした取り組みの狙いについて次のように語っています。

「JALのWebは24時間365日オープンの1つの大きなお店であり、まさにお客さまに接する現場の最前線だと感じています。お店にいらっしゃるお客さまのニーズ・ウオンツや困っていること等を日々認識し、蓄積されたビッグデータの分析をスピーディーに地道に続け ることで、お客さまの求めていることを一層深く把握できるようになりたい、また試行錯誤を繰り返しながらも、お客さまに喜んで頂ける、お客さまそれぞれに合わせた最適なサービスをWeb上でもご提案していきたいと考えています。そしてお客さまに数ある航空会社からJAL を選んで頂き、繰り返しご利用頂けるようになって頂ければと考えております」。

JALでは業界に先駆けていち早く、Webサイトを通じた情報提供やオンライン販売を手がけ、またさまざまな分析に取り組んできました。一方で利用者の急激な伸長に伴う、膨大化・複雑化するデータをまだまだ十分に活用できていないという認識もありました。Webサイトでは、航空券やツアーなどを購入したお客さまだけでなく、さまざまなページを閲覧したものの、最終的には購入に至らなかったお客さまの詳細な訪問履歴がアクセス・ログ・データとして蓄積されています。しかし、こうしたサイト上の行動分析をより精緻に行うには、既存の分析システムでは対応が困難でした。いわゆる「ビッグデータ」を本格的に分析・活用するための新たなシステム構築が喫緊の課題となっていたのです。

Transformation

1to1マーケティンググループを立ち上げ、SPSS Modelerでのデータ分析体制を整備 JALでは、2010年12月に組織再編を行った際、Web販売部の中に新たに1to1マーケティンググループを立ち上げ、データ分析・活用を担当する人員を増強しました。その後、Webサイトを通じて日々生成されるビッグデータを蓄積・分析するシステムの構築計画に着手しました。まずはビッグデータを蓄積するためのロデータ収集システムを2011年10月に構築完了し、次いで同年12月には、ビッグデータを分析するためのツールとして「SPSS Modeler」を導入しました。Web販売部 1to1マーケティンググループ長の野口雄一郎氏は、「SPSS Modeler」を選定する決め手となったのは次の4点であると語っています。

  1. ビッグデータを高速に分析できること

    月間2億ページに上るアクセス・ログ・データに各種関連データを組み合わせた高度な分析を行うため、複雑で膨大なデータを高速で処理可能な分析ツールが必要でした。

  2. 操作が容易であること

    「SPSS Modeler」はユーザー・フレンドリーなインターフェースを備えており操作しやすいことに加え、分析の手順を「ストリーム」として可視化できるため、容易かつスピーディーな情報共有が可能と判断しました。

  3. さまざまな分析方法が標準装備されていること

    膨大なデータから価値ある発見をするためには、試行錯誤しながらさまざまな分析手法を駆使する必要があります。「SPSS Modeler」には、多種多様な分析手法が標準装備されており、オプションとして追加する必要性がほとんど無い点が魅力でした。

  4. 採用実績が多いこと

    「SPSS Modeler」は、多様な業種・業態の大手から中小まで、数多くの企業において採用されています。こうした採用実績を通じて蓄積された、分析ツールの活用方法についての知識やノウハウを持つIBMのサポートを導入後も受ける事が可能な点にメリットを感じました。

Benefits

分析結果を活用し、お客さまの個別ニーズに対応する情報提供を目指す

「SPSS Modeler」を用いた、同社のデータ分析は始まったばかりですが、Web販売部 1to1マーケティンググループ主任の渋谷直正氏は、主に「予測モデル」の開発に取り組みたいと次のように語ります。

「まずはJALのWebサイトに来ているお客さまを理解することからはじめます。そのためには『お客さまはJALのWebサイトに何を求め、何を期待して訪れているのか?』を明らかにする必要があります。その上で『どのようなお客さまが、どんな商品・サービスを購入していただけそうか、またどのくらいの確率で購入いただけそうなのか?』をより的確に予測できるモデルを開発します。そして、この予測モデルから得られたレコメンデーションなどのルールをWebサイトに実装することによって、お客さまの個別ニーズに合わせた最適な情報提供を行いたいと考えています」。

 

将来の展望

海外Webサイトの閲覧履歴の詳細な分析も構想

JALのWebサイトは、第5回企業ウェブ・グランプリ(2011年)において、「浅川賞(アクセシビリティ賞)」を受賞し、視覚障害など障害を持つお客さまにも使いやすいサイトとしての評価を得ました。また、「ソーシャルネットワーク部門」でもJAL公式Facebookページがグランプリを受賞、ソーシャル・メディアの活用に力を入れていることも高く評価されています。

Webサイトの海外展開については、現在、世界26カ国・地域で日本語・英語・現地語に対応したサイトを運営しており、Facebook普及率の高い、台湾や香港といったアジア地域では、各国対応のFacebookページを次々と開設しています。

今後はこうした海外サイト上のユーザー行動などについても、詳細な分析を行っていくことを視野に入れています。今回の「SPSS Modeler」の導入はその第一歩となるものです。

 

お客様情報

2011年4月に長く世界の人々に親しまれてきた、大空に美しく舞う鶴の姿をモチーフにした「鶴丸」を新しいロゴマークとして復活させ、全社員が創業当時の精神に立ち返り、これまでに培ってきた「おもてなしの心」を守りながら、未知の領域に果敢に挑戦していく決意を表明した。2012年、最新鋭旅客機ボーイング787型機を導入、あらたに国際線/東京=ボストンを開設するなど積極的な事業展開に取り組んでいる。

 

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud
    • SPSS Modeler