Business Challenge story

属人化していたノウハウを業務プロセスとともに整理

ネットプロテクションズは、売上が毎年150パーセント近く伸び続けています。しかし、この急成長の陰に、いくつかの課題が潜んでいました。その1つは、創業時のメンバーが手探りで組み上げたサービスのノウハウを、新たに加わるメンバーに適切に伝えられないことでした。ネットプロテクションズ 企画室 兼 カスタマーサービスグループ リーダーを務めSenior Process Architectでもある岡本創氏は次のように話します。

「サービスの立ち上げやスピードを重視したため、ノウハウを適切な方法で残す時間がほとんどありませんでした。その結果、現在ではサービスデリバリーとカスタマーリレーションに関するノウハウだけで数万ものファイルが散在しています。これらすべてを新たに入社した人に見せ、サービスの内容を覚えてもらって、お客様への対応につなげることは非現実的です」

創業メンバーによって作成された数万個のファイルの中には、もちろん有効なものもありますが、そのほとんどが現在では使われていないか、有効かどうかも決められない状態で、必要なノウハウを探し出すことさえひと苦労でした。

また、急成長によって構成メンバーの年齢が急激に変化していることも課題の1つでした。

「今年以降に入社する新卒メンバーが占める割合は、5年後に50パーセント以上、10年後に70パーセント以上になります。このため、今後入社してくるメンバーの世代に合わせて、仕事のやり方を少しずつ変えていく必要があります。さらに、これまでのノウハウを新しい事業領域(B to B:企業間取引)に向けて展開していくときには、アプリケーションやITインフラに加えて、ソフトウェアではカバーしきれない人のスキルや業務ナレッジまでも含めてモジュール化し、ITもフル活用することでスケールアップさせたいと考えています」(岡本氏)

ネットプロテクションズは、既存のノウハウを取捨選択してモジュール化するために、仕事の順序を表す業務プロセスに沿ってノウハウを整理することが有効だと考えました。

Transformation

デザインとユーザー・インターフェースの良さからIBM Blueworks Liveを選択

ネットプロテクションズは、「マインドマップ」とIBM Blueworks Liveの2つのツールでノウハウと業務プロセスを構造的に見える化することに着手しています。岡本氏は、2つのツールを使用する理由を次のように話します。

「ヒトの脳構造をもとに導き出して選びました。マインドマップは、情報のつながりや色・レイアウトをビジュアルに表現することで、楽しみながら情報を整理・発想することに向いています。同じ情報でも、白黒のテキストデータでなくカラフルなマインドマップにすることで、より直感的に、大量に記憶することができます。しかし、マインドマップは、放射状に情報を表すため時間軸を表しにくく、業務の手順やつながりを表現することには向いていません。これに対して、業務プロセスは時間軸を持っているため、そのとき必要なナレッジを、業務で再現する手順に沿って確認できます」

ネットプロテクションズは、業務プロセスとマインドマップを組み合わせることで、ノウハウと業務プロセスを俯瞰しながら、それぞれの関係を立体的に見て理解を深められると考えました。

「例えば、購入者が商品を注文し、その請求書が発行され、商品が届くといったサービスプロセスで、ある業務プロセスをドリルダウンしていくことで、ナレッジにたどり着けるようにします。現状では数万ものナレッジが点として存在しています。これらをつないで線や面にし、もっと立体的にノウハウをとらえる仕組みにしていきたいと考えています」(岡本氏)

このようにマインドマップと共にプロセスを見える化する意図を説明する岡本氏は、IBM Blueworks Liveを選択した理由を次のように続けます。

「当初は、表計算ソフトウェアを使ってプロセスを描いていました。しかし、時間がかかる、共有しづらい、記述ルールを統一できないといった問題があって、いくつかツールを検討しました。その中でIBM Blueworks Liveを選んだ理由は、デザインとユーザー・インターフェースの良さです。そもそも使いやすくなければ、プロセスを描くという作業をスムーズに行えません。この点、IBM Blueworks Liveは、スピードとデザインがとても良く、すんなり利用し始めることができました。また、システム連携の機能も備えているため、将来ITシステムに接続することも考慮してIBM Blueworks Liveを選びました」

Benefits

出力紙と併用することで、プロセス全体を見回しながら改善点を検討

IBM Blueworks Liveによって、既存のサービスプロセスをモデリングする作業時間は大幅に短くなり、表計算ソフトウェアを使っていたときの3分の1程度になりました。岡本氏と共にサービス運用と改善に努めている、ネットプロテクションズ カスタマーサービスグループの小川尚大氏は、IBM Blueworks Liveの使い勝手の良さを次のように話します。

「IBM Blueworks Liveでは、個々のプロセスの移動がとても楽です。表計算ソフトウェアを使ったときには、いったん描き上げたフローで1つのプロセスを動かすと、他のプロセスもすべて移動しなければならず、かなり面倒でした。IBM Blueworks Liveでは、あるプロセスを別の場所に移動したときにどうなるかを、とても簡単な操作で確認でき結果も見やすいです。また、表計算ソフトウェアでは、プロセス数が多くなるとシートサイズの限界に達してしまいます。IBM Blueworks Liveでは、プロセスをドリルダウンして、より細かなプロセスを見ることができるため、粒度の大きなプロセスを見ながら、より小さな粒度のプロセスを作成でき、しっかりとバランスよく描くことができます」

ネットプロテクションズでは、IBM Blueworks Liveで描いたプロセスを皆でディスカッションし、早期に課題点を抽出、まとめ上げるためにいろいろな工夫をしています。岡本氏は次のように話します。

「例えば、請求書の宛先に誤りがあり、そのミスをどのプロセスで止めるかを検討するとき、宛先違いで請求書が戻ってきた後で購入者に電話で確認するという話になったとします。プロセス全体を目の前に広げることで、そもそももっと前段階で購入者が住所を入力するときに防げるのではないかといった話ができます。サービス全体を見回しながら、どの部分を直したらよいか、今どの部分の話をしているのかを、分かりやすくするためにプロジェクターでIBM Blueworks Liveの画面を表示し、意見をその場でIBM Blueworks Live上に修正していくことに加えて、紙にも出力し、課題等を直接書き込むこともしています。このようにすることで、対話形式のディスカッションを加速させ、人間の記憶にあるものを引き出し、かつIBM Blueworks Liveにもその情報をスピーディーに保存してノウハウを引き出しながらデータとして残すということを実現しています」

実際にIBM Blueworks Liveを使ってプロセスを描くことのメリットを岡本氏は次のように話します。

「プロセスを描くことで、どの段階にどのようなサービスがあるかが分かります。また、いったん描いてしまえば、他のメンバーが後から探しやすくもなります。もう1つのメリットとして、プロセスを描いている段階で、なぜこのようなプロセスにしてきたかのいきさつやサービス設計の背景・理由を考える機会となり、業務の理解や本来の目的の把握などに役立ちます。教育的な効果も大きいです」

プロセスを描くことによる効果を、小川氏は次のように話します。

「全体のプロセスを覚えることで、根本的な原因を追及できるようになります。経験を積んでいなくても、プロセス全体を知ることで、ここが原因だということを経験者と話せるようになります」

ネットプロテクションズ 取締役 CTO 鈴木史朗氏も、社員教育での有効性を次のように話します。

「どのような順序で教育すればサービスの全体像が理解してもらえるのかが長年の課題でした。これまでは、個々のサービスプロセスの1つ1つを実地で体験して理解し、さらにそれらをつなげていく作業を全員が個別に行ってきました。IBM Blueworks Liveでサービスプロセスの全体像を細かな部分まで見せることができるため、理解が早まります。これによって、業務改善やサービスイノベーションにつなげていける点が非常に良いと思っています」

 

将来の展望

見える化したプロセスやノウハウから新たなビジネスを創出

ネットプロテクションズでは、プロセスやノウハウの見える化とナレッジの蓄積に着手しました。岡本氏は、近い将来に表れ始める効果として次のものを挙げます。

「今後プロセスを変えたときに、その成果が見え、それに対してみんなで振り返ることができます。また、見える化によってサービス内容を理解するスピードも速まります。さらに、ノウハウをモジュール化して上手に見せられるように工夫もできます。このようなことで、根本的にこのようなサービスが必要だといったことが分かり、新たなサービスを開発できます。新たに事業を立ち上げるときも、これまでのプロセスのある部分を流用し、新たに作った部分とつなげてお客様に提供し新たな売上とすることもできます」

鈴木氏も、今後のビジネス展開につながると期待しています。

「ITツールに関する一般的な期待は、現状の改善に使えるかといったものです。しかし、現在私たちが行っていることはそのようなものではなく、新たなビジネスを創出したり、人が持つナレッジを体系化したりといった将来の発展に向けたものです」

どのようにナレッジを格納するのか。また、それをどのように見せれば人の発想に対して分かりやすいものになるのか。ネットプロテクションズは、マインドマップやIBM Blueworks Liveといったツールを駆使してノウハウやプロセスを見える化することで、個人に依存したノウハウをチームで活用できるものにし、常に高い品質のサービスを創出し維持していこうとしています。

 

お客様情報

2000年1月に設立された株式会社ネットプロテクションズは、決済サービスを提供しています。同社のサービスを利用することで、ECショップなどを運営する企業と通信販売の購入者が、ともに手間なく安心して後払い決済を利用できます。

 

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