ビジネス上の課題

Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.は、成長著しいサプライチェーン・ソリューション・プロバイダーに、管理報告、予算編成、予測の要件に対処するシステムが導入されて正常に機能していることを確認したいと考えていました。

概要と経緯

Goodpack社はライトバック機能と強力なExcelアドイン機能を備えたTM1搭載のPlanning Analyticsのテクノロジーを選択し、標準的なレポートの作成に使用しています。

成果

管理財務報告を

5日目までに作成

スタッフの労働時間を

24時間削減/月

予算の照合作業を四半期あたり108時間削減

複数のバージョンの予算をこれまで以上に素早く配布

ビジネス上の課題の詳細

手作業による管理報告

CS Story Image - Goodpack IBC (Singapore) Pte Ltd.

シンガポールを拠点とするGoodpack社は、戦略的に配置されたグローバル・デポのネットワークや、中間バルク・コンテナ(IBC)と呼ばれる特許取得済みのインテリジェントな返却可能コンテナのネットワークを活用して、効率的かつ統合されたサプライチェーン・ソリューションを提供しています。IBCは、ゴム、食品、部品、化学品、消費財などの様々な産業で使用されています。

2018年7月には、Alexander Tan氏が新たにCFOに就任しました。Alexander Tan氏は同社の既存のSAP Business Planning and Consolidation(BPC)ソリューションについて、法務財務レポートを作成できても管理財務レポートの作成には適していないと考えていました。さらに同社は、次年度の財務予算の準備にも苦労していました。

IBMビジネス・パートナーのPMsquare社のプリンシパル・コンサルタントのMarcus Dietrich氏は、法務財務レポートと管理財務レポートの決定的な違いを次のように説明しています。「企業経営の基礎となるのは、管理目標と管理レポートです」

Goodpack社は、法務レポートから管理レポートへの変換で、課題を抱えていました。「当社はこの作業をExcelで行っていました。これではエラーが増えるだけでなく、時間もかかります」と、Tan氏は言います。

そのためGoodpack社は、管理レポートと予算の作成に関する財務チームからの要求に対処することになりました。同社は自動化を進めると同時に、社内の収益とコスト調整を柔軟に実現するための体制づくりも進める必要がありました。

当社はデータの迅速な取得に苦労していただけでなく、管理財務レポートのシステムも欠けていました。次年度の財政予算の準備にも苦労していました。

Alexander Tan氏, 最高財務責任者, Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.

概要と経緯の詳細

報告と予測を同時に

次年度の財務予算の編成が迫る中、法務レポートを管理財務レポートに変換することに支障をきたすようになってきたGoodpack社は、高性能のソリューションを必要としていました。

2018年9月に、Tan氏はパフォーマンス管理ソリューションを模索し始めました。Anaplan社のテクノロジーを含め、多くの競合ソリューションを検討した後、CFOはTM1ソフトウェアを搭載したPlanning Analyticsのソフトウェアを選択しました。Tan氏は前職の当時からAIを活用したこの統合計画ソリューションの機能についてよく理解しており、その性能に満足していました。Tan氏がPlanning Analyticsのソフトウェアを選択したのは、「1つのソリューションで、管理財務レポートのニーズだけでなく、予算業務や予測の要件にも対応できるからです」

Tan氏がこのクラウド・ソリューションを選択したのは、オンプレミスよりも迅速にデプロイできたことがその理由です。また、Goodpack社のITチームでアプリケーション・インフラストラクチャーの管理を担当する必要がないことも、クラウドの利点でした。

Goodpack社はPlanning Analyticsのソフトウェアを選択した後、IBMビジネス・パートナーのPMsquare社と連携して、同社の財務管理レポート・モデルの開発支援を依頼しました。

「大急ぎでしたが、大成功でした」とDietrich氏は振り返って述べています。「2018年12月末にこのプロジェクトを開始し、2019年2月中旬までにはすべて準備完了の状態になり、IBM Planning Analyticsですべての財務予算を編成できるようになりました。Goodpack社は3月の初めにこのIBMソリューションを使用して、予算編成プロセスを開始しました」PMsquare社にはPlanning Analyticsソフトウェアの迅速な実装について約10年の経験があり、試行錯誤に裏打ちされたその導入手法には定評があります。

Goodpack社がこのソリューションをすぐに採用したのは、このソフトウェアが使いやすく直感的であるからだと、Dietrich氏は指摘しています。「基本的に、私たちがお見せしたのはログイン方法だけで、あとはインターネットを閲覧するのと同じようなものです。この製品の取り扱いは、それほど簡単なのです」、とDietrich氏は話しています。

またDietrich氏は、管理レポートの大部分が自動化されたことにより、Goodpack社は以前のソリューションと比較して、迅速で、信頼性の高い結果を得ることができるようになったと指摘しています。「Goodpack社の本社が数字を出すのにそれほど時間がかからなくなったおかげで、管理結果について他国のオフィスとより速くより簡単にコミュニケーションを取れるようになりました」と、Dietrich氏は話しています。

またDietrich氏は、レポート作成、計画、予算業務、予測などのパフォーマンス管理プロセスを標準装備したこのソリューションにより、これまでの業務が合理化されただけでなく、迅速化と信頼性の向上にも寄与したと付け加えています。

GoodPack社はPMsquare社の支援を受けてPlanning Analyticsソフトウェアを活用し、顧客レベルの詳細な収益の報告、計画、予測を作成するだけでなく、トレード・レーンの分析にも活用しています。またPMsquare社は、法務および管理上の統合された損益計算書と貸借対照表の作成を支援することで、同社はすべての情報を1つのソリューション内で簡単に表示できるようになりました。

Goodpack社はシンガポールから世界中に事業を展開しているため、為替レートは同社にとって重要な検討事項です。そのため、Goodpack社は為替レート・モデリングにPlanning Analyticsのテクノロジーを使用し、為替レートの影響をシミュレートして分析しています。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの発生とそのビジネス環境への影響により、迅速に対応できる柔軟なシステムの実現がさらに重要になっています。「これまでとは異なる数多くの洞察が必要になります」とDietrich氏は話します。「新型コロナウイルス感染症とその他の外部要因による世界的な影響は、Goodpack社のビジネスにこれまでとは全く異なる影響をもたらしました。シナリオ・モデリング機能を備えたPlanning Analyticsのおかげで、Goodpack社は迅速に調整して対応できました」

当社がIBM Planning Analyticsを選択したのは、当社の管理報告、予算業務、予測のニーズを満たしていたからです。Planning Analytics Workspaceのユーザー・インターフェースは、トレーニングの必要がないほど簡単で直感的に操作できるところが魅力です。

Hock Sheng Tan氏, 財務計画および分析担当責任者, Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.

成果の詳細

財務報告の迅速な配布

Goodpack社がこれまで手作業で処理していた財務計画システムは、PMsquare社の尽力により約6週間でPlanning Analyticsソフトウェアに置き換えられ、Goodpack社は法務レポートを管理レポートに変換できるようになりました。

Planning Analyticsのテクノロジーによりグループの管理結果が自動化されたことで、Goodpack社は5日目までに財務結果を作成して配布できるようにしました。

同社における管理レポートのためのデータ抽出と手作業による調整にかかる時間が削減され、1カ月あたりのスタッフの作業時間が24時間削減されました。また、予算と予測の照合作業の効率性を高め、四半期あたりの作業時間を108時間削減しました。その結果、同社のスタッフは複数のバージョンの予算を生成し、以前よりも早く世界中に配布できるようになりました。Planning Analyticsのテクノロジーを使用することで、Goodpack社は予算と同じレベルの詳細な四半期毎の予測を作成することもできます。

Planning Analyticsソフトウェアの大部分は自動化されており、人手による介入をほとんど必要としないため、このソフトウェアをご利用になれば毎月の管理レポートの準備に必要な時間を、数日から数時間に大幅に短縮できます。「以前のプロセスでは、まずSAP BPCに各データを統合し、次に統合されたデータをエクスポートしてMicrosoft Excelに変換していました」とDietrich氏は説明します。「非常に時間のかかる作業でした。当社はこのプロセスの完了までにかかる時間すべてを大幅に短縮しました。今ではGoodpack社は月次レポートを、グループ統合が完了したその日のうちに月次レポートを共有できるようになりました」

Tan氏は続けて次のように話しています。「強力なPlanning Analytics for Excelクライアントにより、当社はIBM Planning Analyticsで生成した数値を使用して柔軟にExcelでレポートを作成できるようになりました。Shared Service Centerのご支援により、当社は標準的なPowerPointスライドを使用して各国に情報を配布しています。これにより、以前によく見られた数字の不一致の問題を排除できます。今では数字の正誤を判定するために無駄に時間を費やす必要はありません」

Goodpack社は、同社の顧客に関してより深い洞察を得られるようになりました。これにより、実績と予算の比較や、顧客のトレード・レーンと取引量の確認、請求書と未払い金の調査が簡単にできるようになりました。

このソリューションの導入には6週間しかかかりませんでしたが、Goodpack社の財務部門はすぐにその効果を実感しました。「このソリューションの価値とその機能はすぐに目に見えて分かりました」とDietrich氏は話しています。「新規計画プロセス開始のわずか6週間前に、新しい計画ソリューションを導入するというリスクを取りました。それでも、2、3週間以内にはプラスの結果が見られたのです」

このソリューションのもう1つのメリットとして、ユーザーがセルフヘルプで問題解決ができるようになったことから、財務計画チームのスタッフの作業時間を1カ月あたり4時間短縮できました。こうした時間短縮だけでなく、データの抽出、照合、正確性、セキュリティーが向上したことで、レポート作成と分析の品質が顕著に向上しています。

PMsquare社のグループCFOで、ASEAN地域担当ゼネラル・マネージャーJason Rankin氏は次のように述べています。「当社はGoodpack社から分析アドバイザーとしての信頼を寄せられており、データ駆動型イノベーションの開発と提供で協力し、競争上の優位性を高め、ビジネスで最大限の成功を獲得するために貴重な洞察を引き出すことができるように支援してきました。Goodpack社は今ではIBM Planning Analyticsを活用したデータ駆動型企業となり、地域全体で同社のビジネス状況を把握できるポジションにあると同時に、ビジネスを阻害する地域的な要因とグローバルな要因を調査するシナリオ・モデリングをできるようになりました。これにより、Goodpack社は迅速な調整と対応が可能になり、同社のビジネスの継続性を揺るぎないものにしています」

当社は結果をほぼ瞬時に見ることができます。法的な報告手続きが終了した後に、管理財務結果を簡単に作成できます。四半期ごとの予測を作成しながら現行の予算と比較するなど、以前であれば不可能であったことです。

Hock Sheng Tan氏, 財務計画および分析担当責任者, Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.

Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.ロゴ

Goodpack IBC(シンガポール)Pte Ltd.

シンガポールに本社を構えるGoodpack社(ibm.com外部へのリンク)は、安全で、保護機能を備え、コスト効率の良いパッケージ・ソリューションおよびサプライチェーン・ソリューションを必要とする業界にサービスを提供しているロジスティクス・プロバイダーです。過去40年間にわたって、同社はグローバル規模で拡大し、ゴム、食品、部品、化学品、消費財など最も要求の厳しい業界の一部の顧客企業に統合されたサプライチェーン・ソリューションを提供しています。rubber, food, components, chemical and consumer goods.同社は1980年に設立されました。

PMsquare社について

2008年にオーストラリアで設立されたIBMビジネス・パートナーのPMsquare社(ibm.com外部へのリンク)は、過去10年にわたり、データ分析コンサルタントのトップ企業としての経験を有し、グローバルなビジネス経験を、アジア全体での経験に結び付けています。PMsquare社は、ビジネス成果を最大化する革新的なソリューションを採用することで、同社の顧客がデータ駆動型となり、価値の高い洞察へのアクセスを合理化できるように導いています。同社は2012年にシンガポールで事業を開始し、その翌年に、フィリピン、タイ、スリランカにオフィスを開設しました。現在、PMsquare社は、アジア地域で唯一のIBM プラチナ・ビジネス・パートナーです。

製品・サービス

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