GMOあおぞらネット銀行は、問題発生時のトランザクションの追跡や複雑化するシステムの一元管理にIBM Instana Observabilityを導入。問題の原因特定を迅速化し、障害の復旧時間を大幅に短縮しました。
GMOあおぞらネット銀行株式会社(以下、GMOあおぞらネット銀行)は、「銀行のIT化」ではなく「IT企業が銀行機能を提供する」をテーマに、自由度が高く、スピード感のある金融ソリューションを提供するネット銀行です。
インターネットバンキングやスマートフォンアプリの利用が急増する中、社内エンジニアによるシステムの内製を行う同社では、変化する顧客ニーズにいち早く応えるべく新たなアプリケーション開発を続けてきました。しかし、デジタルチャネルの利用が増えるにつれ、問題発生時のトランザクションの追跡に時間がかかるなど課題が生じるようになりました。
この課題に対応するには、ピーク時間帯の把握やパフォーマンス可視化といった、事前に対策を取るための体制が必要でしたが、従来の監視ツールでは、複雑に連携するシステム間の依存関係や追跡が困難で、障害の根本原因特定に多くの時間を要していたのです。
この状況は顧客体験にも影響を及ぼし、サービス応答遅延やログインエラーの断続的な発生を引き起こしていました。一部の顧客からは「振込処理が完了しているのか不明」「操作途中で止まる」といった問い合わせが相次ぎました。社内でも処理状況の把握が困難で、経営層やリスク管理部門からは説明責任への懸念が示されていました。このままでは、顧客離れや金融庁からの改善要請など、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性がありました。
GMOあおぞらネット銀行はこれらの課題解決に向け、各システムの動きを見える化し一元管理するために、アプリケーション・パフォーマンス管理 システム(APM)であるIBM® Instana Observability(以下、Instana)を採用しました。導入に際してはIBMのビジネスパートナーであるAiritech株式会社がサポートを提供。まずはスモールスタートで少数のアプリケーションをInstanaに取り込み、顧客向けだけでなく、事務部門が利用するサービスにも利用を展開しました。
短期かつ容易に導入できるのはInstanaの特徴の一つですが、GMOあおぞらネット銀行においても、社内エンジニアのみで導入から運用まで行えるのはコスト・スピード面において大きな利点でした。GMOあおぞらネット銀行のテクノロジー&エンジニアリンググループ SREチーム長である園田 耕嗣氏は「社内で対応できる環境でしたので、手間なく、すぐにInstanaを活用・運用することができました」と振り返ります。
Instanaの導入により、各システムが処理している複雑で膨大な情報をダッシュボード上でリアルタイムにモニタリングできるようになり、運用の工数・問題解決時間・管理コストの大幅削減を実現しました。具体的な成果は以下の通りです。
園田氏は「Instanaを通じて、当社のIT運用は『属人的な対応』から『効率的で協調的な運用体制』へと変革しました」と変化について話します。
さらに、社内のシステムにおいても大きな利点がありました。主に会計を目的として利用しているSAPのシステムに対して、従来見えにくかった処理状況をリアルタイムで可視化。Instanaの特徴である容易な設定でモニタリング精度を高め、異常検知の迅速化と運用負荷の軽減を実現しました。これにより、SAP運用コストの削減と運用負荷軽減に寄与しています。
また、アプリのモダナイゼーションの観点においても、クラウドネイティブな環境におけるオブザーバビリティーが一気に高まり、次のモダナイゼーションフェーズに安心して進める基盤が整いました。かつてはシステム障害の対応や根本原因調査に多くの時間が割かれ、開発・運用担当者が本来取り組むべき改善活動や戦略的案件に集中できない状況でしたが、Instanaによりこれらの課題が軽減されたことで、担当者の生産性向上にもつながっています。
GMOあおぞらネット銀行は今後、統合管理とセキュリティー強化へ向けて、Instanaの活用をAWSやAzure などのクラウドネイティブサービス、クラウド環境にまで拡大し、アプリケーションからインフラまでを一貫して可視化・統合管理できる体制の構築を目指しています。さらに、IBM® Concertとの連携により、脆弱性管理やソフトウェア部品表(SBOM)の自動生成など、セキュリティー強化にも取り組む計画です。
GMOあおぞらネット銀行株式会社は、あおぞら銀行とGMOインターネットグループのジョイントベンチャーとして、2018年7月に事業を開始したネット銀行です。「すべてはお客さまのために。No.1テクノロジーバンクを目指して」をコーポレートビジョンに掲げ、従来の銀行の概念にとらわれず、IT企業が最新鋭の銀行サービスを提供するという発想で、システム開発を内製化している強みを武器に、スピード感をもってシームレスに金融サービスを提供し続けています。
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引用または説明されているすべての事例は、一部のクライアントがIBMの製品を使用し、達成した結果の例として提示されています。実際の性能、コスト、削減効果、またはその他の結果は、運用環境によって異なる場合があります。