Business Challenge Story

IŞBANKでは、中核のローン事業を拡張し、紙で行われていた従来のローン申請プロセスと管理プロセスを改善したいと考えていました。コンプライアンス要件に従い、ローン関連ファイルのアーカイブ方法を変更する必要がありました。また、成長中の小型の銀行として、IŞBANKは社内のプロセスを迅速化し、この重要なビジネス領域において効率の向上、コストの削減、および競争力の強化を図りたいと考えていました。

1992年の創立以来、IŞBANKはローン事業は紙に依存したプロセスでした。新しい規制が導入されるにつれ、社内の既存プロセスでは、すべてのアーカイブ要件に対応するのが難しくなってきました。データ保存方針の厳格化に加え、IŞBANK自体も成長を遂げ、事業を拡大して新しい顧客を獲得していきました。

既存の紙によるプロセスでは今後の成長に対応できないことは明白でした。例えば、ローン部門では、ローン関連の業務書類の保管、取り出し、および管理は、いずれも時間のかかるプロセスとなっており、ローン申請の現在の状態について顧客に回答するのが困難でした。通常、顧客の申請に関する問い合わせに回答するためには、電話を何本もかける必要がありました。

Transformation

IŞBANKがローン事業で成長戦略を成功させるためには、データ保存の問題を解決し、ローン管理プロセスを最適化する必要がありました。この状況の対処方法をについて、IBM Global Business Servicesに相談したところ、電子アーカイブにワークフロー管理システムを組み合わせ、それを実装するよう提案を受けました。競合他社数社のソリューションを検討しましたが、IBM iオペレーティング・システム上で動作する、IŞBANKのカスタマイズされたコア・バンキング・システムとの間でデータを送受信できる重要な機能を備えていたのは IBMのソリューションだけでした。

プロセスの正しい理解とソリューションの実装

IŞBANKがこの包括的な事業変革プロジェクトに IBM を選択すると、IBM Global Business Servicesはローン管理プロセス全体の分析から着手し、既存のビジネス・プロセスの設計を完全に見直すよう提案しました。IŞBANKの効率的な成長を可能にするプロセスの作成が目標であるため、自動化は重要な側面でした。したがって、効率的な自動ワークフローのサポートに最も適切なITシステムを選択することが不可欠でした。

IBMによって、IBM エンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)とIBM DB2の組み合わせが提案されました。監査に対応したローン記録情報(レコード)のアーカイブなどのエンタープライズ・コンテンツ管理の基盤になるのは、IBM FileNet Content Managerです。

さらに高度なワークフローの管理と監視を可能にするために、IBM FileNet eFormsが統合され、電子フォーム処理機能が確保されました。プロセスのパフォーマンスを高め、サイクル・タイムを短縮するために、IBM FileNet Business Process Managerも展開されました。

IBM Global Business ServicesおよびIBM Software Group Servicesが持つプロジェクト管理の幅広い経験と、両サービス・スタッフとIŞBANKの従業員との効率的なコラボレーションによって、プロジェクトは順調に進み、IŞBANKは予定された期間内および予算の範囲内でプロジェクトを完了することができました。最終的にプロジェクトは、実装途中に発生したすべての追加変更要求も含めて、およそ90人日で完了しました。

全体的に、このプロジェクトにおけるIBMとのコラボレーションは、IŞBANKにとって非常に満足できるものでした。IŞBANKローン部門に所属し、対象分野専門家であり、このプロジェクトの窓口担当者であるAli Şimşek氏は、次のようにコメントしています。「すべての関係者が非常に熱心に取り組み、このプロジェクトを比較的短期間で成し遂げることに全力を尽くしました。当行はプロジェクト管理にとても満足しています。このプロジェクトは極めて貴重な経験とみなすことができると思います。特に、アプローチの俊敏性には感銘を受けました。IBMのコンサルタントは、さらなる改善やカスタマイズのためのあらゆるアイデアを実現してくれました。なかには、当初はプロジェクトの範囲に含まれていなかったものもあります」。 開発段階が終了し、新しい機能の包括的なテストが完了すると、IBM Global Business ServicesはFileNetソリューションをIŞBANKの既存のIT環境に統合し、新しいツールを生産的に操作できるように銀行スタップの教育を行いました。

デジタル・ワークフローの活用

新しいエンドツーエンドのデジタル・ローン・プロセスが整備されたことで、IŞBANKは銀行部門の全規制を順守しながら事業の成長を図る準備ができました。

Ali Şimşek氏は次のように説明しています。「今や、WebベースのFileNet Workplace XTユーザー・インターフェースでマウスを1回クリックするだけで、プロセス全体が動きだします。このインターフェースは非常に使い勝手がよく、内部の複雑性はユーザーには見えません。使いやすさの面で非常に優れています。バックエンドでは、複雑なプロセスやカスタマイズされたプロセスの設計や編集のための多数のオプションがある強力なツール・セットを利用できます」。

データ保存の問題に対処するため、ローン関連文書がIŞBANKに届くと、まずその文書が電子アーカイブに追加されます。「監査に対応した保管を行うために、すべての関連文書がスキャンされ、エンタープライズ・コンテンツ管理システムにアップロードされます」と、Ali Şimşekは説明します。

従業員が規制順守のために行う必要のある作業は、関連文書のスキャンだけです。スキャンされた文書は、自動的に処理され、IBMエンタープライズ・コンテンツ管理システム にアップロードされます。アーカイブされた文書には、元の文書を実際に変更することなく、注釈を追加できるため、完全な監査証跡が確保されます。

また、顧客情報(レコード)に他の文書を追加することもできるため、書簡、FAX、e-メールを問わず、すべての関連情報および通信情報を集中FileNetシステムで見つけることができます。

「このソリューションは生産性を高めてくれます。なぜなら、文書を 一度スキャンし、アップロードするだけで済むからです。その後は、時と場所を選ばず、文書の検索と文書へのアクセスを簡単に実行できるため、文書を探すのに時間を浪費することなく、生産的に業務に取り組むことができます」と、Ali Şimşek氏は言います。「異なるコンポーネント (スキャナーから、取り込みアプリケーションを経由したFileNetエンタープライズ・コンテンツ管理システムまで) が、互いにシームレスに統合するその方法が見事です」。

ローン管理プロセスのデジタル化と合理化によって、IŞBANKは相当の時間を節約できることが見込まれます。例えば、ローン申請の作成に、以前は3時間ほどかかっていましたが、現在では1時間前後で完了できます。IŞBANKは年間約2,000件のローン申請を処理しているため、最終的な節約時間は膨大なものになります。さらに、管理チームは、各銀行で処理中の申請数と、フランクフルトの管理部門による承認が必要なリスクの高い申請数に関する簡易概要を参照することもできます。このソリューションによって、プロセス全体が迅速化されるだけでなく、以前とは比較にならないほどの透過性が確保されます。 また、IBMの支援の下、署名パッド・ソリューションも統合されました。このソリューションでは、管理者や幹部が、紙ベースのプロセスで行っていたのと同じように、署名によって申請を承認することができます。この機能は、広く尊重されている認証要素を新しいプロセスに追加することで、ユーザーの受け入れを促すのに役立っています。ローン申請に手書きの承認署名を維持することで、デジタル・プロセスがより具体的なものになります。手書きの署名のイメージは、ローン業務の中核である信用と信頼性の表明です。

IŞBANKでデジタル化したプロセスのもう1つの大きな利点は、管理者やカスタマー・サービス・スタッフがすべてのローン申請とそのステータスを完全に把握できるようになったことです。以前は顧客の申請に関する問い合わせにすぐに回答できないことがよくありましたが、今は、アカウント・マネージャーが、問い合わせの申請書がどこにあるかを顧客にはっきりと告げることができ、また、だいたいいつごろ処理されるかを以前よりもはるかに適切に見積もることができます。これにより、カスタマー・サービスが著しく向上するだけでなく、時間の大幅な節約も達成されます。

さらに、IBM FileNet Business Process ManagerのProcess Analyzerコンポーネントを通じて、新しいワークフローをリアルタイムのOLAP (オンライン分析処理) 分析によって監視することもできます。この分析で得た洞察に基づいて、IŞBANKはボトルネックを検出し、ワークフローを最適化できます。

「このソリューションによって、当行の業務方法が根本的に変わるでしょう」とAli Şimşek氏は言います。「効率と生産性に優れたこのアプローチのおかげで、IŞBANKでは、従来よりも短時間でより良いサービスをお客様に提供できます。IŞBANKはこのプロジェクトを通じて、飛躍的な進歩を遂げると思っています。処理スピードの遅い、紙に依存したプロセスから、すべてがデジタル化された環境へと転換することによって、当行は成長し、企業戦略を実現できるようになるでしょう」。

Benefits

  • 電子フォームとワークフローにより、ローン申請の作成時間が3時間から1時間に短縮
  • 再設計されたワークフロー (監視下におかれた透明なデジタル・ワークフロー) を通じて、カスタマー・サービスが大幅に向上し、ペーパーワークに関連する損失と遅延を排除
  • すべての文書が検索可能または利用可能になることで生産性を向上
  • 紙のアーカイブにより検索時間と作業を撤廃

将来の展望

ローン事業での成功後、IŞBANKのチームはこのソリューションを複数の別の事業単位に提示しました。その結果、チームは現在、会計部門と協力して、会計部門の生産性を上げるために同様のソリューションの実装に取り組んでいます。最終目標は、一貫性のある標準化されたソリューションをIŞBANKの多数の部門で構築し、効率と全体的なビジネス・パフォーマンスを全社規模で高めることです。またIŞBANKは、次の段階に進んでローン決定を自動化するために、IBM ILOGソリューションの実装を検討しています。 Ali Şimşek氏は次のようにまとめています。「IBM エンタープライズ・コンテンツ管理による文書管理およびワークフロー・ソリューションの導入をIŞBANK内で積極的に推進しています。他部門についてもその多くが、それぞれのプロセスを最適化し、IŞBANK全体の効率とビジネス・パフォーマンスの向上につながるこのアプローチから利益を得ると思います」。

お客様の声

Ali Şimşek氏 (IŞBANK GmbHの対象分野専門家およびプロジェクト窓口担当者)

「このソリューションによって、当行の業務方法が根本的に変わるでしょう。効率と生産性に優れたこのアプローチのおかげで、IŞBANKでは、従来よりも短時間でより良いサービスをお客様に提供できます。IŞBANKはこのプロジェクトを通じて、飛躍的な進歩を遂げると思っています」。

お客様情報

IŞBANK GmbHはトルコの大手銀行Türkiye İş Bankası A.Ş.の欧州子会社です。Türkiye İş Bankası A.Ş.は1,200以上の国内支店に22,000人を超える従業員を擁し、年間11億ユーロの純利益を計上しています。また、トルコの銀行で国外に子会社を設立したのは、同行が初めてでした。IŞBANK GmbHは、ドイツにおける銀行業の中心地フランクフルトに本社を置き、ドイツ、オランダ、フランス、およびスイスに12支店を展開しており、ヨーロッパ全体でおよそ220人の従業員を雇用しています。2011年には610万ユーロの利益を上げました。

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • BladeCenter
  • Storage: N3300

ソフトウェア

サービス

  • GBS BAO: Enterprise Content Management
  • Software Services for ECM

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud
    • FSS: Banking - Back Office - Payments