Business Challenge story

自動車メーカー・カーエレクトロニクス部品メーカーの製品保証要求

KOAの長期経営方針の一つにQ-1st(品質第一)があります。Q-1stは、製品の品質だけでなく、仕事の質も向上させる全員参加の全社的な取り組みです。

2000年代になり、自動車・カーエレクトロニクス部品メーカーから、15年間、24万キロメートル走行しても壊れない抵抗器の製品保証と不具合品を流出させない体制構築の要求がありました。KOAは、こうした要求に応える仕組みとして、受注から生産・出荷までのビジネスフローの中で不具合をゼロにする取り組み「ZDF(Zero Defect Flow)」の導入を決定し、営業、生産現場、設計部門で「ZDのモデルづくり」がスタートしました。

Transformation

分かりやすいユーザー・インターフェースを評価してDB2 Web Queryを採用

それまでKOAが行っていた製造工程の品質検査は、製造ラインの最終工程で行う出荷検査がメインでした。しかし、この方法・タイミングでは不良の発生防止が遅れ、検査の時点では不良原因が分からないといった問題が内在していました。また、人が携わる感覚的検査のためのトレーニングが重要となり、検査員の負担も大きくなっていました。そこでKOAは、まず製品を検査する部位と方法を意図的に増やし、工程や設備に潜む問題を顕在化させました。顕在化した問題の改善と同時に製品の管理方法も見直しました。

前工程から製品を引き取る際にオペレーターが加工前の製品を確認し、前工程に不具合情報をフィードバックする仕組みに変更しました。さらに特定の製品においては、工程で発生した不具合を直ちに設備にフィードバックして設備を停止する製造ラインのモデルを構築し、品質向上に努めました。

KOA 経営管理イニシアティブ 情報システムセンター ゼネラルマネージャー 春日裕司氏は、品質向上の必要性を次のように話します。「いくら技術力や開発力があると言っても、製品の品質が悪ければ誰も信じてくれません。お客様に安心してお使いいただける品質の高い製品を提供し、お客様と信頼関係を築くことがお客様満足の向上となります。ZDフローは製品品質と業務品質の向上を図るツールとなりました」

一般的な製造ラインは、前もって決められた個数を抜き取り検査することで、そのラインの製品品質をロット単位で保証します。しかし、抜き取り検査では出荷する製品すべての品質を保証することはできません。そこで、KOAは全数検査による品質保証の体制を構築し、工程で検査した数値結果をIBM i 搭載Power Systems (旧 IBM System i5)上のDB2に保存する仕組みを構築しました。品質管理者や設備技術者は、検査データが蓄積されたDB2にクエリーを実行してデータを抽出し、表やグラフを作って原因分析や解析を行い、設備や作業手順の是正や改善措置を講じます。しかし、表やグラフを作成する者のソフトウェア・スキルによって作業時間が変化してしまって、分析や解析が効率的に行えないなどの問題がありました。

「品質管理者や設備技術者にデータの抽出、表やグラフ作成などに時間を使わせることなく、簡単な操作でデータを抽出し、短時間にデータの分析・解析が行なえる仕組みを構築したいと考えていました」(春日氏)。

そんな時、KOAはDB2 Web Queryと出会いました。春日氏がDB2 Web Queryを知ったのはPower Systemsのセミナーだったそうです。「提供開始前の情報でしたが、この製品だと思いました」それまで提供されていたQuery for iSeries (Query/400)は、エミュレーターを使ってPower Systemsに接続してデータ操作をするものでした。ユーザー一人一人にIDを設定し、パソコン1台1台にエミュレーターソフトをインストールしなければならないことと画面の操作を教育する時間が膨大になると判断し、導入を見合わせていました。しかし、DB2 Web QueryはWeb上でデータ操作ができるものでした。KOAは、DB2 Web Queryによって簡単な操作で傾向値管理ができるようになると考え、DB2 Web Queryの販売開始と同時に試験導入し、機能と情報セキュリティー評価を行いました。春日氏は、機能評価の結果を次のように話します。「ユーザー・インターフェースが分かりやすいため、誰でも簡単に操作することができます。DB2 Web Queryがあれば、それまで半日あるいは1日かかっていた、表やグラフの作成時間を数十分に短縮することが可能となりました。またソフトウェアのインストールなどのシステム提供側の工数も不要になりました」

KOAは、DB2 Web Queryを使って、コントロールが必要なキープロセスや、投入数、不良数や設備稼働率を製造ラインの管理者に分かりやすいように可視化しました。製品の全検査データを対象にして分析・解析することで、製造ラインの各設備の状態がより正確に傾向値管理できるようになりました。

Benefits

DB2 Web Queryによる情報システム部門のワークロード削減

機能評価を終えたKOAは、早速DB2 Web Queryを導入しました。春日氏は、利用者であるエンドユーザーのメリットを次のように話します。「メリットは、Webブラウザーだけで操作できる点です。分析や解析に必要となるデータベースを情報システム部門が用意するだけで、エンドユーザー側で希望の形式に加工できる点がDB2 Web Queryの最も良いところだと思います。つまり、何か教育を受けなければならないとか、クエリーを勉強しなければならないということがなく、GUIを使って自分がアウトプットしたい形式をイメージして操作を行えばよいので、とても使いやすいソフトウェアだと思います」現在KOAは、各工程で測定されたデータをリアルタイムにDB2に送り、現場の作業者がDB2 Web Queryを使って即座に状況を把握できるようにしています。

春日氏は、DB2 Web Queryを導入したことで、それまで情報システム部門で行われていたデータ抽出・加工作業も減少したと話します。「ソフトウェアのインストール作業や設定作業が必要ない点は、提供者側のメリットでもあります。また、汎用機を利用していた時代は、エンドユーザーからデータ提供の依頼があると、それぞれの要求内容に応じて情報システム部門のプログラマーがクエリーやプログラムを使ってCSV形式のファイルを作成し、ユーザーに提供しておりました。このような作業は、とても時間がかかるものでした。基幹システムを汎用機からPower Systemsに移行し、DB2 Web Queryを使うことで、エンドユーザー自身がWebブラウザーを使って簡単にデータを参照できるようになり、情報システム部門は本来の業務であるシステム要件確認や設計により多くの時間を割り当てることができるようになりました」

また、春日氏は、DB2 Web Queryによるセキュリティーも高く評価しています。「これまでは汎用機を使っていたため、データをオープンにすることができませんでした。これは、汎用機自体が厳重に守られ、そこに入ること自体がタブーだと考えられていたためです。IBM iとDB2 Web Queryは、ユーザーにデータ権限を設定し、セキュリティー・ポリシーに従ってデータ操作することができます」さらに春日氏は、DB2 Web Queryを生かすためには、適切なデータベースをあらかじめ用意しておく必要があるとも話します。「今回のデータベースモデルは、工程によって管理しなければならない項目が異なるため、あらかじめ分析に必要なデータベースを作っておいて、ユーザーが使いやすいようにマージし、簡単にクエリーできるような形にしました。このような裏方の作業はどうしても必要です。ただし、このようなデータベースを作っておけば、ユーザーはDB2 Web Queryを使って簡単に目的とするデータを参照することができます」

将来の展望

データを全数保持することで全数保証する品質システムを構築。DB2 Web Queryの利用をZDフロー全体へ展開

KOAは、製品を全数保証するアプローチによって、十数年という長期間の品質保証を要求する製品に万が一不具合が発生しても、短時間に該当データを抽出し、その製品の加工記録を分析できるシステムを構築しました。このシステムの効果を実感したKOAは、今後DB2 Web Queryの利用をZDフロー全体(営業、生産現場、設計部門等)へ広げていこうと考えています。

お客様情報

1940年3月に創業したKOA株式会社は、抵抗器、コイル、ヒューズなどの各種電子部品を開発、製造し、国内外のさまざまな企業に販売しています。同社は、社員や株主に加えて、取引や製品を通じて関係した顧客との信頼関係を重視し、他社にはない特長ある「ものづくり」を実践しています。

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM i

ソフトウェア

  • IBM DB2 Web Query for i

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud