株式会社ファンケル(以下、ファンケル)は、約15年にわたり運用し続けてきた基幹システムを刷新するプロジェクトを2014年より実施しています。その第2段階において、通販サイト「ファンケルオンライン」の運用を支えるWebシステム基盤をクラウドに移行しました。IBM Cloud の「ベアメタル・サーバー」を採用し、自社専有環境を実現しました。お客様の個人情報を扱う基幹システムとしてプライベート・クラウドと同等のパフォーマンスとセキュリティーが可能となり、また、オンプレミスの店舗システムともリアルタイムに連携し、キャンペーンなどで急増するアクセスにも柔軟に対応しています。
ファンケルは、FIT(FANCL Information Technology)」プロジェクトで経営戦略をITで支える基盤の整備を進めています。第1段階のFIT1(2014年~2016年)では、約15年間にわたり運用を続けてきた基幹システムを刷新、ITシステムの外部依存から脱却し、内製化を可能にする体制を整えました。FIT2(2017年)では、通販サイト「ファンケルオンライン」の運営を支えるWebシステムおよび店舗システムの再構築を実施しました。お客様満足度を高めるため、Webシステム基盤には急激なアクセス増加にもリソースを柔軟に拡縮できるパブリック・クラウドを活用することが得策ですが、お客様の個人情報を大量に扱うシステムのセキュリティーをパブリック・クラウドで守り切れるのかどうか、大きな懸念がありました。
同社は、IBMからパブリック・クラウドでありながら物理サーバーを専有できるIBM Cloudベアメタル・サーバーの提案を受け、自社ITのセキュリティー基準や運用ルールを適用可能で、プライベート・クラウドと同等の厳重なセキュリティーを担保できることから採用に踏み切りました。加えて、オンプレミスのVMware vSphere® による仮想化環境とまったく同じvSphere環境をIBM Cloudベアメタル・サーバー上に構築し、システムをそのまま移行できることも採用の決め手となりました。また、「ITシステムの外部依存から脱却する」という方針に基づいた運用サービスのコンペを実施した結果、20年近くにわたって、信頼関係を培い、同社のITシステム内製化へのこだわりを十分に理解しているIBMのグローバル・テクノロジー・サービス(GTS)による運用サービスも導入しました。
リニューアルされたファンケルオンラインは、2018年7月7日よりサービスを開始しました。お客様からのアクセスが急増した場合は、IBM Cloudベアメタル・サーバーが迅速にリソースをスケールアップして対応し、情報システム部の担当者はアプリケーションの問題解決に専念できるようになりました。同社では、FITプロジェクト5カ年の取り組みによって、ITシステムの運用コストを30%以上削減し、アプリケーション開発のスピードを2倍に向上しています。この成果を踏まえつつ、同社は第3段階のFIT3への取り組みを始動させており、さまざまなチャネルで発生するデータを単に蓄積して利用するだけでなく、「お客様との間に新たなコミュニケーション(絆)を生み出す」という観点から、より付加価値の大きなデータ活用を推進していきます。
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