Business Challenge story

メインフレームでは安定性が優先する

クボタシステム開発では、従来、多種多様な業務を処理するため複数のホスト・アプリケーションが稼働していましたが、それらが次第にオープン化されていくなか、メインフレームのあり方が議論されるようになりました。今回、zCTによるジャンプアップ移行の企画フェーズに携わっていた中橋和久氏(情報開発センター IT基盤サービスグループ企画チームリーダー)は、メインフレームからダウンサイジングへの流れの変わり目を次のように振り返ります。

「1990年代後半までは、比較的小規模なシステムはオープン系で作られていましたが、事業部の基幹となるシステムはまだメインフレーム中心でした。流れが大きく変わったのは、1999年から2000年にかけてのことで、当時のWebSphere Application ServerによるCICS基幹連携プロジェクト以降は、基幹系の再構築によるオープン系システムが増えてきました。」

メインフレームの位置づけは変わってきましたが、その安定性、堅牢性、信頼性に対する評価までが変わったわけではありません。今回の移行プロジェクトの実行フェーズを率いてきた太田康之氏(情報開発センター 運用グループマネージャ)は次のように語ります。

「置き換える前のシステムは、驚くほど年季の入った古い構成でしたが、それが不思議なほど安定していました。運用部門としては、最新バージョンより安定バージョンを、という基本的な考え方がありますが、まさにそれに合致した構成だったわけです。最新でなくてもパフォーマンスが劣化するわけでもなく、トラブルもない。変える必要はないという意見が出てくるのも当然でした。」

実際、クボタシステム開発のメインフレームは、長年の利用の中で磨きがかかり、その安定性で揺るぎない信頼を得ていました。しかし、旧システムのOSはサポート切れとなり、変更は不可避の情勢でした。そこで、OSのバージョンアップが検討されましたが、コストに対するメリットが見出せないまま、変更計画は膠着状態に陥りました。そのようなときに、zCTの話が出てきました。

「IBMからzCTを提案されたときには、これで壁が打開できるという展望が開けました」(中橋氏)

Transformation

メインフレームに対する展望を蘇らせたzCT

zCTは、メインフレーム環境のモダナイゼーション(最新化/近代化)を支援するためのサービスで、かなり古いバージョンからの移行も手掛けることがあります。

今回のプロジェクトではOS/390 V2R10からz/OS V1R10までのジャンプアップでの移行を行いましたが、その移行について太田氏は次のように語ります。

「製造業を中心として、リニューアルはしたいが、それに要するコストを考えると二の足を踏むという企業は多いのではないでしょうか。そもそもメインフレームでは、新旧システムの互換性が常に保証されていることが、オープン系にはない基幹システムとしての魅力です。今回採用したジャンプアップという方式では、OSを個々にバージョンアップした場合より、コスト的なメリットを享受しやすいということは容易に考えられます。一方で、対象が拡がりますので、リスクも大きいと判断されます。当社の場合、このリスクを乗り越えるために、zCTに背中を押してもらったという感じです」(太田氏)

Benefits

移行期間の短縮と、従量課金によりコスト削減を実現

メインフレームの変更を検討していた中橋氏らは、半年ほどの時間をかけてzCTの有効性を検証し、社内に説明をして導入を決め、z10 BCへの移行に舵を切りました。中橋氏は、今回のジャンプアップの効果を次のように語ります。

「最初の当社単独での計画では1年から1年半はかかるワークロードでしたが、今回はzCTを活用して約半年で完遂できたことになります。そのコスト削減効果は大きいものがあります。」

さらに、運用グループのマネージャでもある太田氏は、その効果について次のように語ります。「ワークロード・ライセンス・チャージ(使用する処理性能に対する課金)を活用できており、そこは想定どおりの効果が上がっています。さらに、zIIP(IBM System z Integrated Information Processor)によるDRDA処理のオフロードにも取り組んでいますので、ここでもコストの適正化は図られていると考えています。運用面では、バッチ処理が速くなっていますが、これはディスク装置による恩恵でしょうね。」

中橋氏はプロジェクトの意義について次のように続けます。「今回はあくまでも、メインフレームの新しい自由な世界へのパスを手にしたという点に意義があると考えます。今後は、既存のプログラム資産のSOAへの対応、アプリケーション開発手法の変革などの検討を進めます。いずれにしろ、一度は消極的になっていたメインフレームに対する展望を蘇らせるうえで、zCTは大きな役割を果たしてくれました」

 

将来の展望

将来に向けての展望

今後のプラットフォームの見通しについて、太田氏は次のように語ります。「グローバル対応のための24時間365日運用や、統合データベースのニーズを考慮すると、メインフレームの堅牢性はもっと活用してもいいのかもしれません。限りなく100%止められないシステムへのニーズの高まりと、一方でのダウンサイジングという状況の中で、IBM zEnterprise のように異機種混合の環境をハイブリッドで管理できる次世代のメインフレームが出現してきたということは大いに注目すべきだと思っています。」また、データベース・サーバーとしての可能性について次のように続けます。「既にzIIPを使っていることもあり、ISAO(IBM Smart Analytics Optimizer)のようなデータベースに特化した機能には、データベースを統合していく上で期待していきたいですね。」(太田氏)

IBM zEnterpriseでは、zBX(IBM zEnterprise BladeCenter Extension)の接続環境においてハードウェア資源の一元管理と仮想化を実現するIBM zEnterprise Unifi ed Resource Manager(zManager)が提供されますが、そのzManagerに対し中橋氏は次のような期待を寄せています。「zEnterpriseの実用性については、その構想どおり異機種混在環境を仮想化して、zManagerで1つのボックスとして一元管理できる世界が実現するのであればとても素晴らしい。メインフレーム系とかオープン系といったプラットフォームを意識しない運用が実現できれば、運用負荷の削減によるコスト削減効果が期待できます。

またシステム全体をまとめることによって、全体を俯瞰(ふかん)しながらより効率的なシステム構成を見直すことができるかもしれません。今後、導入事例やバージョンアップなどの動向も含め、実用性を検証していきたいと思っています。」

最後に、パートナーとしてのIBMの役割を太田氏は以下のように述べています。 「本番稼働開始直前にトラブルが発生したのですが、その現場で、IBMの高い技術力とそれをフルに活用できる組織力を再認識することができました。 今後当社がクボタグループのIT戦略を推進していくためには、IBMのパートナーシップは非常に重要だと思っていますし、ぜひ今後も協力していただきたいと思っています」

クボタシステム開発におけるzCTを活用した最新化へのとりくみは、クボタグループのビジネス戦略に応えるための多様化するIT要件に対応し、コストの最適化も実現するための第一歩といえるでしょう。

 

お客様情報

産業機械メーカーであるクボタのIT子会社として培った製造業での豊富な業務知識と高度なIT技術をベースに、情報システムの企画・戦略立案から運用・保守までのトータル・サービスを提供。ソリューション・サービスとして、製造、官公庁、文教/工業教育、運用分野をカバーする。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

ソフトウェア

サービス

  • システム変更負荷軽減サービス(zCurrency TransformationzCT)

Solution Category

  • Systems Hardware
  • Systems Software
    • DB2 for z/OS