Business Challenge story

約7割を占める「人に関係するコスト」削減のため、運用に手間のかからないシステムが必要に

NISSAY ITがデスクトップ・クラウド構築の検討に着手したのは2009年10月。まずはデスクトップ仮想化の機能検証を行い、さらに100ユーザー規模のパイロット環境で有用性を検証。2010年2月に導入プロジェクトを正式に発足し、2010年5月にはシステム全体のグランド・デザインが決定しました。

デスクトップ・クラウドを実現する仮想化ソフトウェアとしては「Citrix XenApp 6(以下、XenApp)」を使用。これを「VMware ESXi 4」の上で動かし、仮想化されたアプリケーションをストリーミング機能でクライアントPCに送り込むことで、場所を選ばすにPCアプリケーションを利用できるようにする方式が採用されました。

クラウド基盤を実現するハードウェア製品の選定で最も重視されたのがコスト削減を実現する運用効率化です。「クラウド化でシステムを集約するほどハードウェア・コストは削減できます。しかしそれと同時に運用効率化も実現しなければ、全体的なコストを下げることはできません」と高倉氏は指摘します。「広い意味でシステムコストのうち約7割は人に関係しています。これをできる限り削減しなければ、全体のコストは下がりません」(高倉氏)。

特に重要なのがストレージ製品の選択だったといいます。「ストレージは性能関連の問題が発生しやすい上、データ配置等のパラメーター設定も多く、障害対応でも多くの人手が必要になります。全体的なコストを削減するには、運用に手間のかからないストレージ製品が必要でした」と語るのは南山氏です。一方でサーバーに対しては、集約率の高さが求められました。集約率が高くなれば管理対象のサーバー数を削減でき、運用負担も軽減するからです。

Transformation

ストレージにXIVを採用し、運用を大幅に省力化。サーバーではメモリー容量を重視し、HX5を採用

このような課題を解決できる製品として採用されたのが「IBM XIV Storage System(以下、XIV)」と「IBM BladeCenter HX5(以下、HX5)」でした。

「XIVの存在を初めて知ったのは2009年1月に我々が行った米国視察の時でした。いくつかのユーザー企業を訪問し、見学させてもらったのです。その際に革新的なストレージとして複数の企業から紹介されたのがXIVでした」と南山氏。「XIVは従来のRAID構成を必要とせず、データ配置やディスク障害発生時のリカバリーを自動的に行います。設定に手間がかからず、運用でもほとんど人手を必要としません」と評価します。今回のプロジェクトでも、ストレージの設計と構築は約1カ月半で完了。その動作検証もわずか1日で完了したといいます。「実際、従来のストレージではバインダー1冊分にも及んだ設定項目が、XIVはA4一枚でした。この差は非常に大きいです」(南山氏)。

「サーバー選定ではメモリー容量を重視しました」というのは、インフライノベーション事業部 インフラサービス開発ブロック 専門職の牛塚 健雄氏です。仮想化環境ではサーバーのメモリー容量がボトルネックになりやすく、メモリー容量の上限が搭載可能な仮想マシンの数を左右する傾向があるからです。また今回のデスクトップ仮想化ではサーバーOSに64ビット版を採用していますが、そのポテンシャルを最大限に引き出すためにも大容量メモリーが必要だったといいます。「HX5は優れたメモリー・アーキテクチャーで、大容量メモリーの搭載が可能です。またオクタコア(8コア)・プロセッサー搭載で、高いパフォーマンスを実現していることも大きな魅力でした」と牛塚氏は語ります。

各物理サーバーではハイパーバイザー上で複数のVM(仮想マシン)が動き、その上でXenAppが稼働します。これを8台1組の「N+1構成」にし、ライブ・マイグレーションによる動的なロード・バランシングを実現しています。現在はこれを単一データセンターに設置していますが、近い将来には図のように複数データセンターにシステムを設置し、ストレージ間のデータ同期によってディザスター・リカバリーに対応する予定です。

また、IBMのサポートについても「IBM以外のソフトウェアが含まれているにもかかわらず、IBMはシステム全体を視野に入れた提案をしてくれました」と、インフライノベーション事業部 R&D推進ブロック 専門職の水田 智之氏は評価します。「IBMの技術者は仮想化やクラウドに関する十分な知識を持っています。サポートレベルも非常に高いと感じました」と補足します。

Benefits

1サーバー当たり200台分のPC集約を実現。TCOは4割削減、3年以内の投資回収の見込み

デスクトップ・クラウド環境の構築によって、PCの運用負荷は大幅に削減されました。アプリケーション管理をデータセンター側で集中的に行うことで、個々のPCでのアプリケーション設定が不要になったからです。もちろんセキュリティー確保も容易になりました。社外からアクセスした場合でもデータが社外に出ることはなく、アクセス履歴等の監査証跡も集中管理しやすくなっています。

データセンター側の運用負荷も低減しています。「以前はストレージのIOPS(1秒当たりのI/O性能)を監視してデータ再配置を行う必要がありましたが、XIVは自動化されているため、そうした手間は必要ありません」(牛塚氏)。サーバー運用も省力化されています。動的なロード・バランシングを行うことで、人手に頼らずに最適な運用が行えるようになったからです。 

高いレベルの集約率を実現できたことも、注目すべきポイントの1つです。高倉氏は「他社の事例では1サーバー当たり50~60台のケースが多いようですが、このクラウド基盤では1サーバー当たり200台分のデスクトップを集約できます」といいます。一般的なシステムに比べて約4倍の集約率を実現できた理由としては、アプリケーション仮想化の方法を採用したことに加えて、HX5も大きな貢献を果たしていると指摘します。

NISSAY ITはこのクラウド基盤でTCOを4割削減できると試算。投資回収も3年以内に実現可能であると見込んでいます。

将来の展望

今後はあらゆる社内システムをクラウド化。顧客へのサービス提供にも積極的に活用

「今回構築したクラウド環境はデスクトップ仮想化だけのものではなく、全社の統一基盤だと考えています。顧客に対するサービスも、このクラウド基盤を活用することで、より高品質なITサービスを迅速に提供できると考えています」と高倉氏。今後はこのクラウド基盤によって、社内外に提供しているITサービスをクラウド化していく計画だといいます。

業界をリードする先進的なクラウド基盤を構築し、自らのITサービスにますます磨きをかけるNISSAY IT。刻々と変化していく社会・経済環境の下、顧客企業のニーズにスピード感を持って応えるべく、同社のITサービスはこれからも着実に進化を続けていくことでしょう。

お客様の声

基盤ソリューション事業部 ジェネラルマネジャー 兼 インフライノベーション事業部 R&D推進ブロック チーフマネジャー 高倉 禎氏

「今回構築したクラウド環境は社内の統一基盤だと考えています。顧客に対するサービスも、このクラウド基盤を活用することで、より高品質なITサービスを迅速に提供できると考えています。」 

インフライノベーション事業部 R&D推進ブロック マネジャー 南山 浩司氏

「XIVの存在を初めて知ったのは、我々が行った米国視察の時でした。その際に革新的なストレージとして複数の企業から紹介されたのがXIVでした。実際、従来のストレージではバインダー1冊分にも及んだ設定項目が、XIVはA4一枚になりました。この差は非常に大きいです。」 

インフライノベーション事業部 インフラサービス開発ブロック 専門職 牛塚 健雄氏

「HX5は優れたメモリー・アーキテクチャーで、大容量メモリーの搭載が可能です。オクタコア(8コア)・プロセッサー搭載も大きな魅力でした。」

インフライノベーション事業部 R&D推進ブロック 専門職 水田 智之氏

「IBMの技術者は仮想化やクラウドに関する十分な知識を持っています。IBM以外のソフトウェアを含め、システム全体を見据えたサポートをしてくれました。」

お客様情報

ニッセイグループのIT戦略を担う会社として1999年に設立。日本生命とグループ各社の情報システム構築・運用で長年にわたって培ってきた豊富な経験を生かし、保険・金融・医療・介護等の分野における数多くのシステムサービスを手がけている。システム全般にわたる業務コンサルティングからシステム設計、開発・運用、事務アウトソーシングまで網羅的なサービスを提供。顧客のIT戦略を「ずっと支える」「もっと役立つ」パートナーとして“しっかりと地に足のついた”ソリューションを提供し続けている。

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM XIV Storage System
  • IBM BladeCenter HX5

Solution Category

  • Systems Hardware