Business Challenge story

教育の質の向上や、学生向けサービスの向上を目指す

東京理科大学の教務システムは、かつてはIBM汎用機の上で職員たちの手によって構築されていました。しかし、2000年に日本システム技術株式会社の学生支援システム「UNIVERSAL PASSPORT」を導入。さらに、入試・教務・就職・学費・校友会などの総合事務システム「GAKUEN REVOLUTION」も導入し両システムを連携させるとともに、独自のカスタマイズを加えて効率的な教務システムを構築・運用しています。

教務システムの強化について、東京理科大学総合情報システム部部長の後藤邦夫氏は次のように語ります。

「少子化が叫ばれ大学全入時代と言われる現在、“教育の質”や“学生サービス”を向上させていくことが大学経営にとって重要な課題の一つです。そのためには、さまざまなデータを多角的に分析する必要があります。また、学生サービスの向上という面では、学生がいつでもどこからでも必要な情報にアクセスできるような環境づくりや、学生ひとりひとりに的確な指導ができるような仕組みが求められていると感じています」

そのひとつの例が、欠席がちな学生に対する指導です。従来は、欠席が続いている学生がいても、その実態を把握することができず、結果として単位を落としたり、場合によっては留年・中退につながる場合もありました。

「欠席の多い学生を早期に把握し指導することは、学生本人のためになるのはもちろん、親御さんの願いでもあります。また、入学してきた学生に良質の教育を授け社会に送り出すことこそ私たちの使命でもあります。そのためには、出欠席のデータを正確に把握することが必要でした」(後藤氏)

また、情報提供という面では、学生がいつどこにいても、休講情報などの必要な情報にアクセスできることが必要です。かつて、汎用機でシステムを構築していた頃には、学内1000台あまりの端末から利用できる環境を整えていましたが、インターネットが普及するにつれ、学生が自宅や学外から利用できる環境が求められてきました。また、携帯電話の普及を受け、学生向けの情報提供には携帯電話からもアクセスできるような仕組みが必要でした。

システム管理の面からは、年2回の履修登録時のシステム負荷の増大が大きな課題となっていました。

「2万人以上の学生を抱える大学はどこも苦労しているようで、サーバーがダウンしてしまう例もあると聞いています。そのため、キャパシティー設計はわれわれにとっても重要な問題なのです」(後藤氏)

「履修登録時期は年2回それぞれ1週間程度です。しかし、この時期には、2万人の学生のほとんどがアクセスしてきます。このピーク時に合わせたシステムを構成すると、平常時にはどうしてもオーバー・スペックになってしまいます」と語るのは、総合情報システム部担当課長右手正道氏です。

Transformation

ICカードによる出欠管理と、CoDによるピーク時のシステム負荷軽減

こうした課題の解決の契機となったのが、2008年の「UNIVERSAL PASSPORT」のバージョンアップでした。

UNIVERSAL PASSPORTの最新版では、携帯電話Web対応が標準機能として実装されたほか、授業に対するアンケート機能や、掲示板などの機能が強化されるなど、教員と学生のコミュニケーション促進に役立つ機能が増え、学生向けサービスの向上につながります。

また、ICカードと連携した出欠管理が行えるため、各教室にカードリーダーを備えることで、出欠席情報を自動的に正確に把握できるようになりました。2009年度には久喜キャンパスで31の教室にカードリーダーを設置・運用。2010年度には全4キャンパスに展開する計画です。

東京理科大学 総合情報システム部 次長の篠原篤氏は、ICカード学生証導入に至った経緯を、次のように説明しています。

「2001年頃に、学生証を紙からICカードへ切り替えようと検討しましたが、コストが課題となって採用が見送られました。そのため、学生証は磁気カードとし、ポータブルリーダーを教員が教室に持参して読み取る形になりました。しかし、これでは、読み取ったデータを活用するためにシステムへ取り込む手間が必要で、教員の手間や負担が増えてしまったのです。近年ICカードが急速に普及したこともあり、導入することになりました」

システム基盤に関しては、IBMのSystem pを採用しています。

「学生支援システムに必要なのは、学生からの24時間365日のアクセスに対応できる可用性です。障害に強くなければなりません。そのため、サーバーを多重化、データベースにはDB2のアクティブスタンバイ構成を採用しました」(右手氏)

また、サーバー負荷が増大する年2回の履修登録時のことを考え、IBMの提案で、2008年からCoDを採用しています。サーバー負荷が増大する履修登録時だけ、CPUやメモリーといったシステムリソースをフレキシブルに増やせる仕組みです。これによって、ピーク時にあわせた過剰なシステム構成をする必要がなくなるのです。

Benefits

出欠情報を基に、きめ細やかな学生指導が可能に。CoDにより、システム投資コストも抑制

ICカードによる出欠管理は、先行導入した久喜キャンパスや関連大学の山口東京理科大学で既に効果が現れています。

「山口東京理科大学では3回連続で欠席した学生を呼び出して指導しており、この取り組みで実際に退学者が減っています」(後藤氏)

また、総合情報システム部事務システム課課長の入江淑人氏は、次のように話します。

「出欠状況を問い合わせてくる保護者に対する回答にも役立ってきます。データを取っているため、説明にも説得力がでます。久喜キャンパスの教員は、読み取ったデータを取り込む作業が不要になり、以前使っていたポータブルリーダーより格段に楽になったと評価しています」

さらに、出欠管理データは、別の視点から見ると、講義そのものに対する評価や、使用する教室の最適な割り当てにも活用できます。

「ICカードは、出欠管理以外にも、各種証明書の自動発行をはじめ、夜間の学内や図書館への入館のセキュリティー管理にも使っています」(入江氏)との言葉どおり、ICカードはもはや、学生にとっても学校にとっても手放せないアイテムになりつつあるといえます。

履修登録時のシステム負荷の問題を解決したCoDについて、右手氏は次のように語ります。

「必要な時期に必要なリソースを使えるCoDは、大学のようにピークの時期が予測できる場合には、過剰なシステム投資をする必要がなく、有効なソリューションだと思います」

将来の展望

情報を多角的に分析し、教育の質的向上につなげたい

東京理科大学では、2013年4月に葛飾に新キャンパスを開設する予定で、将来に向けて業務のさらなる効率化を目指しています。学生支援システム「UNIVERSAL PASSPORT」だけでなく、総合事務システム「GAKUEN REVOLUTION」も最新版へ移行中で、2012年度から稼働開始の予定です。

「これからは、大学も一般企業のBIのように、さまざまな情報を関連付け多角的に分析することが必要になってくるはずです。汎用機時代からのお付き合いであるIBMには、システム管理・運用面でも活用面でも、われわれの役に立つ提案を期待しています」(後藤氏)

お客様情報

明治14(1881)年建学。130年の歴史を持ち、現在では神楽坂、久喜、野田、長万部の4キャンパスで8学部33学科を擁しています。学部生、大学院生合わせて約2万名、事務職員は約450名、教員は非常勤も含めれば2000名あまりが勤務しています。また、学校法人東京理科大学としては系列大学として山口東京理科大学、諏訪東京理科大学を設置しています。

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

ソフトウェア

ソリューション

  • キャパシティー・オンデマンド(CoD)

Solution Category

  • Systems Hardware