自動化により主要な管理レポートをより速く提供
Deloitteは一連のRPAボットを使用してレポート作成を合理化しています
サンパウロ市の有名な斜張橋

ロンドンの権威ある会計事務所は1911年の創業から66年後に、南米最大国であるブラジルで操業中の英国鉄道会社の監査を実施するために同国に最初の事務所を開設しました。

現在、その会計事務所であるDeloitte社は、監査、コンサルティング、税務、アドバイザリー分野のサービス・プロバイダーとして世界最大手の一角を占めます。ブラジルでも会計とアドバイザリーに関して上位にあり、国内の主要経済拠点に12の事務所を構え、5,500人以上の専門職が働いています。

ブラジル国内に190社あるDeloitte社パートナーは、幹部のレビュー用に毎月作成される包括的な経営報告書を、業務を掌握するうえで頼りにしています。パートナーはこの報告書からビジネスに関する決断を下し、成長戦略を立てるために必要な財務と運営情報を入手しています。

長年、この経営報告書の作成には、担当者の数と費やされる時間数の点で、かなりの人的資源が必要でした。従業員は複数のシステムから200以上のMicrosoft Excelスプレッドシートに情報を手入力し、厳しい締め切りに間に合うように各報告書を作成していました。報告書は手入力ミスが確実に発見、訂正されるように、最高財務責任者(CFO)付けスタッフがさらに時間をかけて見直してから、パートナーに配布されていました。

Deloitte社ブラジル担当のRobotic and Cognitive Process Automationリーダー、Martin Seefelder氏は次のように当時を振り返ります。「5人のアナリストが月次経営報告書の作成を担当していました。運営情報の収集、予算数値の確認、最新版の編さんに、毎月5日から8日は専念する必要があり、毎月担当者は報告書の作成作業に追われ、他の有意義な任務に取り組む時間がありませんでした」

労働時間の削減

 

 

経営報告書作成の所要時間は5日から8日から、1時間に減り、5人の担当アナリストはより価値の高い職務に取り組めるように

レポート作成時間の短縮

 

出張経費報告書の作成時間が1日3時間から10分まで短縮したうえ、手入力に付随するミスも解消

RPAはシステムの生産性と品質を向上する低コストの方法です。しかも、価値の高い活動に専念する時間的余裕も生まれます Martin Seefelder氏 Robotic and Cognitive Process Automationリーダー Deloitte社ブラジル

経営報告書以外にも、売掛金報告書や出張経費報告書などの基本的な報告タスクには多くの時間と反復的な手間をかける必要がありました。Deloitte社ではITコンサルティングへの関与が次第に深まっていき、クライアントのためにデジタル・トランスフォーメーション・プロジェクトに取り組んでいたため、内部業務用に高度なソフトウェア・ツールを使用する機会を模索し始めていました。

Seefelder氏は次のように経緯を説明します。「当社が求めていたのは、報告書作成業務の質を改善し、専門知識を価値の高い他の活動にも転用可能にするソリューションでした。データを収集し、報告書を作成するだけでなく、データの分析方法を最適化する必要がありました。こうしたニーズを追求した結果、辿り着いたのが自動化でした」

価値の高い職務に時間を充当

Deloitte社はIBMビジネス・パートナーであるため、ビジネスの生産性と効率性の向上を目的とする幅広いIBMソリューションに関する知識がありました。同社のITチームがAI搭載プラットフォーム、IBM® Robotic Process Automationソリューションを評価したところ、その能力は主な報告書作成プロセスの自動化という社内のニーズにぴったり一致することがわかりました。

IBMのこのロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)ソリューションには、Deloitte社のシステムとの統合に関して技術面と実用面で有利な点がありました。まず、同社のEPRプラットフォームであるSAPとシームレスに連携し、手入力をせずに報告書テンプレートにデータを自動転送可能な点が挙げられます。2つ目として、このRPAソフトウェア・パッケージはノートPCでの実行を想定した構成になっており、ネットワーク・サーバーでホスティングする必要がありません。「ノートPCでRPAを実行可能な点は、当社スタッフが新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けリモート・ワークを始めていたことから、重要な決め手となりました」とSeefelder氏は指摘します。

Deloitte社のITチームはRPAプロジェクトの開始時に、報告書作成プロセスの合理化が自分の役割に与える影響について誤解している従業員がいることに気づきました。「数人のアナリストは仕事が奪われると心配していました。ところが、RPAボットの導入後は、自動化をきわめて好意的に受けとめ、満足感を示すようになりました。節減した時間を使って、よりやりがいのある他の活動に取り組むことができるためです」(Seefelder氏)。

RPAボットの導入後は、自動化をきわめて好意的に受けとめ、満足感を示すようになりました。節減した時間を使って、よりやりがいのある他の活動に取り組むことができるためです Martin Seefelder氏 Robotic and Cognitive Process Automationリーダー Deloitte社ブラジル
ミスが減り、作業が迅速に

Deloitte社では、RPAの機能を報告書作成ニーズと一致させてから、月次経営報告書、売掛金、出張経費、通貨為替レートの監視専用に4台のRPAボットをセットアップしました。

Deloitte社は月次経営報告書の自動作成専用のRPAボットを使用して、5日から8日かかっていた報告書作成プロセスを1時間で完了できるようになっています。自動化に伴い手入力を通じてプロセスに紛れ込んでいたミスは一掃されています。同社はRPAボットを品質管理報告書の作成自動化にも利用しています。従来このプロセスは実行に240分かかっていましたが、今ではRPAボットによって30から40分で完了します。

売掛金に関しては、RPAボットによって未決済請求書の帳簿滞留日数リストが毎日生成されています。以前はこの滞留日数リストの処理に1日1時間が必要でしたが、今では15分で完了します。

出張経費の管理については、RPAボットは経営幹部のレビュー用にすべての出張経費の日時報告書を生成しています。「以前はこの情報を取得するために、アナリストは旅行代理店からの多数のメールを開封して情報を抽出し、システムに入力する必要があったため、1日3時間かかっていました。今ではRPAボットを使ってこのタスクを15分で完了可能です」とSeefelder氏は語ります。

同社では従業員が変動する通貨為替レートに関する最新情報を取得できるように、RPAボットをブラジルの中央銀行に直結させています。情報の更新に人の介入は必要ありません。

経営報告書の自動化プロセスでのRPAボット導入に成功したことで、Deloitte社では社内と社外の両方でRPAテクノロジーの他用途での採用を検討しています。「このテクノロジーが役に立つという確証が得られたため、クライアントにもこれら製品を売り込むことができます。例えば、クライアントであるブラジルの大手電気通信会社とは、当社の経験に基づきこのソリューションの活用機会に関して連携する予定です」とSeefelder氏は締めくくります。

Deloitteロゴ
Deloitte社について

監査・保証、コンサルティング、財務アドバイザリー、リスク・アドバイザリー、税務、関連分野での大手サービス・プロバイダーであるDeloitte社(ibm.com外部へのリンク)は、Fortune Global構成企業500社の5分の4にサービスを提供しています。150カ国以上で活動する独立系事務所に専門職33万5,000人以上が専属しています。これら事務所はイングランドとウェールズで法人化された非公開会社、Deloitte Touche Tohmatsu Limited社の提携メンバーです。

このお客様事例で取りあげたクライアントの当初の契約相手であるWDG Soluções Em Sistemas E Automação De Proces LTDA社は、2021年1月1日にIBMとして事業遂行を開始しました。このお客様事例に登場するWDG製品、WDG StudioおよびWDG RPAは、現在それぞれIBM RPA StudioおよびIBM RPA Solutionの名称で知られています。

次のステップ

この記事で紹介されているIBMソリューションの詳細については、IBMの担当者またはIBM ビジネス・パートナーにお問い合わせください。

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2021年6月、米国で制作

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記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本資料の情報は「現状のまま」で提供されるものとし、明示または暗示を問わず、商品性、特定目的への適合性、および非侵害の保証または条件を含むいかなる保証もしないものとします。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。