Business Challenge story

フルWeb対応のパッケージには、処理能力の高いインフラが必要

シェアードサービスとは、異なる企業が同じシステムを活用し特定の業務を効率的に進める仕組みです。特に人事総務関係の業務においては、細かい部分では各社各様であるものの共通する部分も多いため、シェアードサービスが多く利用されます。

2003年、JR九州パトニ・システムズ(当時、JR九州システムソリューションズ株式会社)は、JR九州のグループ企業34社の人事・給与・就業関連業務プロセスを統一したいというニーズを受け、これらのシステムを共通化する計画を進めることにしました。

JR九州パトニ・システムズのシステム本部 担当部長、宮内龍幸氏は次のように語ります。 「当社は早くからシェアードサービスの有用性に着目し、ビジネス活用していくことを推進していましたが、2003年当時はまだ一般にはあまり知られていない仕組みでした。そこで、グループ企業各社様の人事・給与・就業関連業務の詳細を徹底的にリサーチすることにしました」。

また、実際にプロジェクトの推進にあたった、JR九州パトニ・システムズ システム本部 野口貴浩氏は、「シェアードサービスを利用した際、従来の業務のどこを変える必要があるのか、変えることでどんなメリットがあるのかを、地道にコンサルティングしていきました。これは、現在でもユーザー各社様に続けていることです」と、シェアードサービス導入の際には、参加企業への丁寧なコンサルティングの必要性を語ります。

Transformation

“フルWeb対応”のパッケージと、処理能力の高いインフラが必要

2003年、アプリケーションの選定に入ったときに、まず要件として挙げられたのが、フルWeb対応のパッケージであることです。このことについて、宮内氏は次のように語ります。

「Web対応をしていても、導入にあたっては、結局新たにクライアントサーバーシステムが必要ということでは、ユーザーの負担が大きくなってしまいます。ですから、導入を決定すれば、すぐにどこからでも、Webから入力やデータ加工処理ができるというのが条件でした」。

その結果、NTTデータ アイテックスの「ePro_St@ff」が選定されました。「ePro_St@ff」は、フルWeb対応であることはもちろん、人事総務関連の業務パッケージとして豊富な実績を持ち、オプションを多数利用しないと必要な機能を活用できない他社製品と比べ、充実したオールインワンのパッケージであることが評価されました。

フルWeb対応のパッケージには、処理能力の高いインフラが必要になります。今回構築したシステムはLinuxで構築されるため、その面でもスムーズに対応できる、Webアプリケーションサーバー、DBサーバーが必要になります。検討の結果、アプリケーションのプラットフォームとして「WebSphere」、データベースサーバーに「DB2」、ハードウェアに「BladeCenter S」がそれぞれ導入されました。

「仮想サーバーがダウンしても、ゲストOSをすぐさま自動的に切り替え運用するなど、ハードウェアとしての高い性能が求められていました。また、機能拡張に柔軟に応えてくれるプラットフォームも必須でした。そうした意味で、今回導入したIBM製品はこちらの要件を十分に満たしてくれていると思います」(宮内氏)。

こうして、JR九州グループが活用するシェアードサービスシステムは、2005年に完成。その後、ユーザー数の増加に対応するため、2009年にシステムの増強を図りました。データの自動仕分け機能など豊富な機能を持つ「ePro_St@ff」と、堅牢で柔軟性の高いIBM製品群のインフラによって、現在グループ企業12社がこのサービスを利用しています。

Benefits

人事総務関連作業全体のコストが50%以上縮減、というユーザー企業の声も

シェアードサービスの大きなメリットとして、コスト削減が挙げられます。グループ企業各社がそれぞれ自前のシステムを維持させて人事・給与・就業関連業務を行うよりも、はるかに低コストでシステムを維持できます。

「ユーザー企業様からは、『データチェックなどを含めた作業量の短縮ができ、人事総務関連作業全体のコストが50%以上削減された』といった声も寄せられています。したがって今後も順調にユーザーは増えていくと考えています。法改正などでシステムの変更を実施するケースがあっても問題なく稼働していますし、現在のところトラブルは皆無です。グループ外の企業様からの引き合いも増えています」(宮内氏)。

JR九州グループのシェアードサービスは、各グループ会社に出向している社員も全員利用しています。このユーザー数だけでも7000ユーザーを超える数です。たとえ、出向先の企業がこのサービスに参画していなくても、インターネットを利用できる環境さえあればすぐにサービス活用が可能ということで、利用者の増加を見込んでいます。

「出向社員が利用しているのを見て、出向先のグループ会社様に興味をもっていただき、サービスに参画していただいたというケースもあります。動作が軽快でスムーズなことを実際に目のあたりにしてからの採用ですから、サービスの信頼性を支えてくれているアプリケーションやインフラには自信を持っています」(野口氏)

 

将来の展望

ユーザー増加目指すと同時に、新たな活用ノウハウを提供

JR九州パトニ・システムズでは、「確実にメリットを生み出すシェアードサービスシステム」として、さらに参画企業を増やすべく積極的な推進活動を続けています。

「われわれも積極的にサービス活用のノウハウを提供していますが、ユーザー企業様同士でノウハウを共有する動きが出ています。これは、当社のシェアードサービスが『確実にメリットを生み出すサービスシステム』として認知されてきた証だととらえています」(野口氏)

サービス活用のノウハウという意味では、シェアードサービスのもう一つのメリットである、人材の有効活用に向けての取組みも広がりつつあります。統一したシステムで人事・給与・就業関連業務を処理しデータを蓄積していくことにより、グループ全体で人材をより効率的に配置していくこともできるようになるわけです。また、個々のグループ会社が自社の人材活用の方法を他社と比較して改善するといったことも容易になります。

こうしたことを踏まえ、JR九州パトニ・システムズでは、今後さらに、蓄積された人事データを多様な角度から分析して新たな知見に変えるための分析ソリューションの活用やコンサルティングサービスを活発化させていく予定です。それによって、これまで以上に戦略的に人材情報を活用できるようになります。

シェアードサービスは、IBM SmarterCloudに代表されるクラウド・コンピューティングを活用することで、さらに進化する可能性を持っています。そして、クラウドで新たな次元のサービスを提供する際に大きな役割を果たすのが、NTTデータ アイテックスの「ePro_St@ff」やIBM製品群なのです。

 

お客様情報

2010年7月、JR九州グループと、インドのIT企業パトニ・コンピューター・システムズ・グループの合弁企業として発足したJR九州パトニ・システムズ株式会社。JR九州グループ各社はもとより、グループ外の企業に対して、多様なITサービスを提供しています。

 

ビジネス・パートナー

1993年、日本アイテックス株式会社を設立し、主に人事系・財務系パッケージの開発、販売及び関連業務ソフトウェアの受託開発事業をスタートさせた。2000年に「ePro_St@ff」をリリース。2003年には、中小企業研究センターから「技術開発奨励賞(現:グッドカンパニー大賞)」を受賞している。2011年7月より、現社名に社名変更。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • BladeCenter

ソフトウェア

ソリューション

Solution Category

  • IBM Cloud
  • IBM Hybrid Cloud