Business Challenge story

700万人の会員情報を分析してお客様を深く理解し、ビジネスに活用

富士通のユビキタス・ソリューションにおいて、いわゆる「パソコンビジネス」を手掛けているパーソナルビジネス本部の花形潤氏によれば、パソコンビジネスで管理・運営している個人対象の会員組織は現在700万人に達しているといいます(2010年6月現在)。この会員組織は“AzbyClub(アズビィクラブ)”と呼ば れており、富士通製パソコンを購入したお客様がユーザー登録をすると、「AzbyClub会員」となり、さまざまなサービスが受けられるというものです。具体的には、ホームページ上でのQ&A、マニュアルなどの閲覧や各種お役立ち情報の提供、またメール配信サービス、電話やメールでの問い合わせも可能な技術相談窓口、PCコンシェルジュなどの多岐にわたるサービスを提供しています。

同社の“AzbyClub”に関連するデータ分析の歴史は、2000年の「アクセス・ログ解析」から始まったと花形氏は語ります。さらに、会員数が350万人に達した2004年には、会員のセグメンテーション分析に着手しました。2007年には会員数が500万人を突破。ここにきて、既存システムでは分析が困難になり、またお客様をより深く理解し、ビジネスに積極活用したいと考え、SPSSが導入されました。

しかしながら、当時のパソコンビジネスには、データ分析を積極的にビジネスに活用するためには、解決すべきさまざまな問題がありました。花形氏によれば、例えば次のような問題が関係部門から上げられたといいます。

  • 顧客データを集約して分析する環境がない(業務ごとに違う環境でデータを管理しているため)
  • データサイズが大きすぎて集約して分析できる環境がない(AzbyClub会員数は現700万人、Webサイトのアクセス・ログ容量は10GB/日以上)
  • お客様を理解するための尺度がバラバラである(年齢や職業等の区切り方が異なっており、他の調査結果などとの比較ができないなど)
  • 今現在のお客様を理解するためのデータが不足している(必要な顧客データの中には、1年以上前のデータしかない場合があった)
  • データ分析に時間がかかりすぎる(必要なデータをあちこちから集めるだけで1週間以上かかる)

Transformation

分散するデータを一元管理し、顧客データを生かす体制づくりを進める

このような問題を解消すべく、まず顧客データ分析環境の整備が行われました。具体的には、3つのWebサイトやコールセンター、5つ以上のデータベースに分散して存在している膨大なデータを集約し、一元的に管理する分析用データウェアハウスの構築です。ハードウェアやデータベースの選定に合わせ、分析ツールの選定も行われ、データウェアハウスにアクセスし、多様な分析を行うツールとして、データマイニング・ソフトウェア SPSS Modeler、統計解析ソフトウェア SPSS Statistics、分析資産管理ソリューション SPSS Collaboration and Deployment Servicesといった製品群が導入されました。採用の決め手となったのは、まだ十分な分析スキルを持っていない担当者でも使いこなせるという、圧倒的な「使いやすさ」だったと花形氏は語ります。

このデータウェアハウス構築と並行して行われたのが、部門横断型のデータ分析ワーキング・グループ(データ分析WG)による、「顧客データを活かす体制づくり」です。データ分析WGは、マーケティング部門、パソコン直販部門、コンタクトセンター部門、サービスビジネス部門のスタッフから構成されており、いずれも、お客様データを日常業務で活用している部門でした。パソコンビジネス部門が一体となって分析に取り組むため、データ分析WGでは、“お客様から見た富士通はひとつ”という基本原則にのっとり、以下のような取り組みを行ったといいます。

  • 顧客(AzbyClub会員)データの各部門共通の尺度を定義(ITリテラシーの測定方法、満足度やロイヤルティーの考え方、年齢、職業等の区切り方の統一など)
  • 定常アンケート調査の実施による、顧客データの充実(今現在のお客様の状況を継続的に把握する、ITリテラシーは時系列で変化を把握など)
  • 分析用データやその分析結果を複数部門で共有、活用(他部門でやっていることを同じことはやらない、各部門の分析担当者のスキルを底上げするなど)

Benefits

データ抽出からビジネス活用までの効率が大幅に改善

この取り組みは、花形氏の主導により現在も継続的に行われているそうですが、部門それぞれの目的や方針の違いもあり、取り組みを始めた当初1年程度は、意見のすり合わせにずいぶんと苦労したといいます。

こうして SPSS Modeler、SPSS Statistics、SPSS Collaboration & Deployment Servicesといった製品群を活用し、膨大な分析用データが一元管理されているデータウェアハウスの構築と、顧客データが生かせる体制づくりが一段落した現在、データの抽出から分析、さらにメール配信などのビジネス活用までの一連の業務プロセスが大幅に効率化し、またスピードアップを実現しました。

 

将来の展望

さらなる顧客理解への取り組み

今後は、さらに深いお客様理解につながるデータの収集、そして効果的なセグメンテーション、およびパーソナライゼーションの実現、また、多様なプロモーションへのビジネス活用に取り組んでいきたいと花形氏は語っています。

 

お客様情報

年間売上高5兆円に上る、IT企業。通信システム、情報システムおよび電子デバイスの製造・販売ならびにこれらに関するサービスを提供。

 

テクノロジープラットフォーム

IBM Business Analytics について

IBMのビジネス・アナリティクス・ソフトウェアは、業績改善に取り組む意思決定者に対し、実践的な洞察を提供します。IBMは、ビジネス・インテリジェンス、予測分析と高度な分析、財務パフォーマンスと戦略の管理、ガバナンス、リスクおよびコンプライアンス(GRC)、そしてアナリティック・アプリケーションからなる包括的なポートフォリオを用意しています。

IBMソフトウェアは、ビジネスの傾向やパターンあるいは異常の発見、仮説に基づくシナリオの比較、潜在的な脅威や機会の予測、重要なビジネス・リスクの特定および管理、さらには経営資源に関する計画、予算および予測を実現します。IBMの世界中のお客様は、この充実したアナリティクスを使うことで、業績への理解を深める一方、成果への予測を高め、目標への確かな道筋をつけることができます。

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