Business Challenge story

何があっても止まらない決済代行サービスを目指しディザスター・リカバリーの検討を開始

ペイジェントの基幹系システム、中でもデータベースは、重要な決済データを扱うために極めて高い信頼性と堅牢性が求められます。このシステム基盤を担っているのが、IBMのサーバー製品「IBM Power 720」とストレージ製品「IBM System Storage N6210」です。これらの製品を採用した理由について、ペイジェント システム部 部長 濱口和喜氏は次のように説明します。

「決済代行サービスは24時間365日、決して止まることが許されません。そのためシステムにも当然、極めて高い信頼性が求められます。そこで、高い信頼性と堅牢性を持つサーバー製品とストレージ製品を追い求めていった結果、自然とIBMの製品に行き着きました。IBM Power 720とIBM System Storage N6210には、高い耐障害性、データ二重化、データ欠落防止などの仕組みがあらかじめ用意されていますから、弊社が求める高い信頼性要件に十二分に応えてくれます」

同社のデータベース基盤は、複数台のIBM Power 720とIBM System Storage N6210でクラスタ構成が組まれており、万が一のハードウェア障害の際にも最小のシステムダウン時間でサービスを継続できるようになっています。障害に対しては万全の備えが施された構成ですが、それでもまだ若干の不安点が残っていたといいます。それが、災害に対する備えです。ペイジェント 営業推進部 佐竹淳氏は次のように述べます。

「重要な社会インフラを担う決済代行サービスは、東日本大震災のような大災害の際でも、サービス提供を継続する社会的責務があります。そのためには、本番システムの可用性を上げるだけでなく、遠隔地に災害対策サイトを置くディザスター・リカバリー(以下、DR)の仕組みを構築する必要があると考えました」

そこで同社は2012年初めより、DRシステム導入の検討を開始しました。災害対策サイトの立地を検討するに当たっては、本番サイトから300km以上離れていることを必須条件としました。また、東日本大震災時の計画停電の教訓から、本番サイトと災害対策サイトがそれぞれ異なる電力会社の管轄となるよう、立地の検討を行いました。

Transformation

サービスレベルが劣化しないDRシステムをわずか半年で構築

一方、システム面においては、万が一の際に本番サイトが被災し、災害対策サイトにシステムが切り替わったとしても、サービスレベルが劣化しないことを要件として挙げました。

「まず何よりも、災害で本番サイトがダウンしても、サービスを通常通り継続できることを最優先に考えました。そのため、本番サイトから災害対策サイトに切り替わった後でもシステムの性能が劣化せず、かつ高い可用性が担保できる構成を組む必要がありました」(濱口氏)

こうした大方針が定まった後、同社は具体的なシステム構成の検討を開始しました。性能と可用性を担保するために、災害対策サイトには本番サイトとまったく同じ構成のシステムを構築することになりました。さらに、本番サイトと災害対策サイトの間のデータ同期には、IBM System Storage N6210が備えるデータレプリケーション機能「SnapMirrorテクノロジー」を使い、30分に1回の頻度で差分データの同期を取る構成としました。

「もともと、弊社のデータベース基盤を担当していただいていたIBMのエンジニアに、今回のDRシステム構築も手伝っていただきました。弊社のシステムを深く理解しており、かつ製品知識がとても豊富なので、安心してお任せすることができました」(濱口氏)

災害対策サイトに設置するサーバー製品・ストレージ製品の設定や事前の動作検証、さらには災害対策サイトへの搬入と設置に至るまでの作業は、まず、本番サイトと同じシステム構成をIBMの検証センター内に丸ごと再現し、入念なテストを行った上で災害対策サイトに設置、さらには本番サイトからの切り替えテストも各機能別に細かく行われました。

こうした入念な準備の甲斐もあり、ペイジェントのDRシステムは極めて短期間の内に本番稼働までこぎ着けることができました。 「実際の構築作業は2012年6月に始め、11月には本稼働を開始できました。その過程では、カード会社や携帯キャリア会社といった決済ベンダーとのシステム接続の調整に難航するなど、幾つかの問題が発生したのですが、インフラ周りにおいてはまったく問題が起きませんでした。社外調整に難航しながらも、これだけ迅速にDRの運用を開始できたのは、製品の信頼性の高さと、丁寧な技術支援のおかげだと思っています」(濱口氏)

Benefits

サービスの信頼性向上で顧客に高い安心感を提供

こうして2012年11月に稼働を開始したペイジェントのDRシステムは、その後何の問題もなく、極めて安定して稼働しています。本番サイトと災害対策サイトとの間のデータ同期は、両サイトに設置されたIBM System Storage N6210の間で自動的に取られ、また災害対策サイト側のシステム管理作業もリモートから行うことができるため、DR導入後も運用の手間はほとんど増えていないと濱口氏は言います。

「新しい決済手段に対応するときなどには、プログラムの更新を本番サイトのサーバーだけでなく、災害対策サイトのサーバーに対しても実施する必要があります。ただ、DRの導入で増えた運用の手間は、これだけです。実際には、運用の工数はほとんど増やさずに済みました」

佐竹氏は、ペイジェントのビジネス全体にとって、今回のDR導入でサービス品質が大きく向上した効果は極めて大きいと述べます。

「災害対策は、お客さまの目には直接見えない地道な取り組みですが、これによってシステムの信頼性を高めることは、お客さまに提供するサービス品質の向上に直結します。こうした地道な努力を積み重ねることで、既存のお客さまに満足していただくだけでなく、これから決済代行サービスを利用しようと考えていらっしゃる方々に対しても、高く評価していただけるのではないかと考えています」

 

将来の展望

今後のビジネス拡大のためには積極的な自社システムの進化が不可欠

現在、決済代行サービス企業は数多く存在しますが、その中で今回ペイジェントが構築したような本格的な災害対策の仕組みを備える企業は、まだほとんどありません。そんな中、今回構築したペイジェントの災害対策システムは、同社が今後ビジネスを発展させていく上で大きなアピールポイントになると佐竹氏は言います。

「ECサイトやゲームサイトの事業者にとっては、自社で運用するシステムをどれだけ堅牢にしても、そのバックエンドで動く決済代行サービスがダウンしてしまえば、ビジネス全体が一気に滞ってしまいます。つまり、決済代行サービスが単一障害ポイントになってしまうわけです。その点、今回他社に先駆けてDRシステムを構築したおかげで、競合他社のサービスと比べ、信頼性の面で大きくリードできたと考えています」

同社では今後も、顧客に高い価値を提供し続けていくために、積極的に自社システムを進化させていく、と濱口氏は言います。

「今後も、新しい機能やサービスを投入し続け、これまでにない価値をお客さまに提供していきたいと考えています。そのためには、IBMの製品と技術がどうしても欠かせません。特に、ビジネスの拡大に伴ってデータ量が急速に増えてきているため、IBMのストレージ技術に頼る場面が増えてくると予想しています。そのため、今後ともIBMの支援には大いに期待しています。

 

お客様の声

株式会社ペイジェント システム部 部長 濱口和喜氏

「IBM製品の信頼性の高さと、エンジニアの支援のおかげで、短期間で満足の行くDRシステムを構築することができました」

株式会社ペイジェント 営業推進部 佐竹淳氏

「IBM製品をベースにした信頼性の高いDRシステムを、競合他社に先駆けて導入できたことで、自社サービスの品質の高さをアピールできるようになりました」

 

製品・サービス・技術 情報

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

ハードウェア Power Systems, Storage: N6210

Solution Category

  • Other