臨床試験の構築は、時間がかかることの多い、広範な臨床データ管理プロセスを伴うステップです。
プロセスの非効率性は深刻な遅延を引き起こす恐れがあり、また、治療薬の価格およびその市場によっては、薬剤の市場投入が遅れるたびに非常に大きなコストがかかる可能性があります。
最も重要なのは、非効率性が原因となり、命を救える可能性のある医薬品を患者に届ける臨床試験が大幅に遅れることです。
Biorasi, LLCのチームはこのような問題に直面し、臨床開発のライフサイクルを短縮できる可能性があり、かつ妥当なコストで実現できるデータサイエンスパートナーを探し始めました。
Biorasiによると、電子的臨床検査情報の収集にかかる一般的な目安は73 日です
IBM® Clinical Developmentソリューションは、40 日未満で電子情報の収集を行います
Biorasiは、顧客中心の開発業務受託機関(CRO)におけるパーソナルケアおよび配慮と市場をリードするフルサービス組織のグローバル能力を組み合わせることに重点を置く、受賞歴のある組織です。そのため同社は、データサイエンスとライフサイエンスのテクノロジーパートナーを探す際、治療法の市場投入を早めるだけでなく、そのプロセスを通じて必要なサポートを提供できるパートナーを見つけたいと考えました。
包括的な入札プロセスを実施した同社は、IBM Watson HealthとIBM Clinical Developmentソリューションを選択しました。
「IBMが提供するものには、私たちが臨床研究をするうえで重要だと考えていることも含めて、多くの共通点がありました」と言うのは、Biorasi社のデータサイエンスおよびバイオメトリクス担当副社長であるRoberto Silberwasser氏。
共通の関心として、患者が必要な治療を受けるためのより良いプロセスおよびテクノロジーへの適用性がありました。
IBM Clinical Developmentを導入してすぐに、同社チームは構築プロセスにおける利便性を実感しました。
「IBM Clinical Developmentは非常に使いやすいです」と、同社のデータ管理ディレクターであるSara Vaidya氏は言います。「とても使いやすいので、データ管理から臨床チーム、プロジェクト管理チームまで、当社のすべてのユーザーがIBM Clinical Developmentソリューションを最大限に活用しています。」
電子的臨床検査情報収集(EDC)の準備には、臨床試験データをいくつかのフォームに入力し、すべての段階の試験データを検証する作業もあります。臨床データ管理プラットフォームがより直観的なものであるほど、臨床試験データの入力および分析のスピードが上がります。しかし、構築段階では、直感的に理解することが難しい、まとまりのないソリューションが多いため、特別なプログラミング・スキルが必要な場合があります。同社によれば、これらの情報収集にかかる一般的な目安は研究の構築およびリリースまで73日だといいます。他のEDCアプリケーションを使ったデータベースでのレポート作成には、さらに時間がかかる可能性があり、その場合、80日近くかかることもあります。
しかし、IBM Clinical Developmentソリューションを使用したBiorasiのチームは、研究の構築作業をより迅速に終えることができ、最終的にEDCにかかる平均時間を4~6週間に短縮することができました。
さらに同氏は、チームが特定のニーズや要件に対処できるよう設計されているこのソリューションの設計ワークフローを高く評価しています。
「IBM Clinical Developmentを使用する理由を聞かれたときは毎回、いくつかある、と答えます」と同氏。「このプラットフォームは適応性に優れ、カスタマイズ可能な上に拡張性も持ち合わせているため、あらゆる種類の臨床試験に対応できます。」
「また、追加機能を手動でプログラミングする必要がないインターフェイスも魅力です。」と彼女は付け加えます。彼らによれば、IBM Clinical DevelopmentはBiorasiチームの「作業の迅速化とスマート化」に一役買っているといいます。この結果は、時間および費用の大幅な節約につながるため、研究データベースを構築する際に非常に重要なポイントです。
同社は、研究の構築時間の短縮に加え、大幅なコスト削減も実現しました。
データベースの構築期間を1か月短縮し、構築にかかる時間を全体で25%削減できただけでなく、このソリューションによって必要な作業時間が短縮されたため、チームはライフサイクル全体のコストを50%以上削減することができました。
さらに、BiorasiチームはIBM Clinical Developmentを使用して、以前は不可能とされていた以下のような構築をスケジュール通りに完了しました。
• EDC/自動応答技術(IRT)による15日間の稼働開始
• 15日間の延長調査をデータ移行で実施
• EDC/IRT/データ移行による25日間の稼働開始
• EDC/IRT/データ移行による33日間の稼働開始
• EDC/IRT/コホート/医用におけるデジタル画像と通信(DICOM)規格のイメージングで38日間の稼働開始
最終的には新薬を待ち望んでいる患者にも影響を与えるため、コストと時間の節約は非常に重要です。
「時間を節約できれば、それは私たちにとって大きなメリットです。なぜなら、それはスポンサーにとってコスト削減を意味するだけでなく、命を救う可能性のある薬をより早く市場に出すことができるからです。まさに、当社がそのような行動をとれるようサポートしてくれたのがIBMなのです。」と、Biorasiのデータ管理マネージャー兼臨床データベース開発主任であるRaul Lopez氏は言います。
Biorasi(ibm.com外部リンク)は、世界中のライフサイエンス企業のための医薬品や機器の臨床開発を加速させている、受賞歴のあるCROです。Biorasi社は2002年の設立以来、スポンサーとの真のパートナーシップを形成し、業界を前進させるプロセス、方法論、技術に注力することで、革新的な治療法を市場に送り出してきました。本社はフロリダ州マイアミにあり、世界中に支社を構えています。
IBMは1世紀以上にわたり、重要なイノベーションを創出してきました。そして、Watson Healthを利用し、よりスマートな医療エコシステムの構築支援に取り組んでいます。この取り組みは、よりシンプルなプロセス、より優れたケアに関するインサイト(洞察)、より迅速なブレークスルー、そして世界中の人々のエクスペリエンスの向上を目指し、お客様と協力していくことを意味します。健康、データ、分析に関する業界の深い専門知識、実用的なインサイト、信頼およびセキュリティーに関する評価など、当社の中核となる強みを組み合わせることで、お客様へのサポートを提供します。IBMは、お客様やパートナーと協力してスマートな仕事の実現に取り組んでいます。詳細については、 https://newsroom.ibm.com/2022-01-21-Francisco-Partners-to-Acquire-IBMs-Healthcare-Data-and-Analytics-Assetsをご覧ください。
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米国で制作、2020年12月
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