Business Challenge story

サーバーの定期更新でレンダリング・ファーム全体の能力向上

今や映画やゲームに欠かせない3DCGですが、その制作工程はIT抜きには成り立ちません。

ポリゴン・ピクチュアズ テクノロジー部 部長 山森徹氏は「CGの制作には多くの工程があります。上流工程のデザイン、シナリオ、演出といったプロセスからアニメーション制作の工程を経て、最終的に3DCGが出力されます」と話します。ポリゴン・ピクチュアズでは工程ごとにセクションを設け、分業制で3DCGの制作を行っています。

「3DCGの制作工程の中でも、特にコンピューターのパワーを必要とするのが、レンダリングです。レンダリングでは、光や影、質感などさまざまなデータを入力した結果をプログラムで計算し、最終的な画像を出力します」(山森氏)。

大量のデータを処理するレンダリングでは計算に長時間かかるため、ポリゴン・ピクチュアズはレンダリング専用のサーバーを使用しています。他の作業に使用しているマシンも、空き時間にはレンダリング作業に参加するよう設定されており、それらをまとめて「レンダリング・ファーム」として作業を行っています。

「日中はレンダリング専用のサーバーが処理を行っていますが、他の作業で使用しているマシンも、業務が終了してユーザーがログオフするとレンダリング・ファームに参加するよう設定されています。大量のデータを効率的に処理するためです。レンダリングは非常に時間がかかるので、こうした仕組みでIT資産を無駄なく活用しています」(山森氏)。

現在、レンダリング専用のサーバーは約130台。業務終了後の夜間は他のマシンにも振り分けることで、全体で400台から500台が計算処理を行い、出力された画像はIBM Storwize V7000 Unifiedに格納しています。これらのレンダリング専用サーバーのうち、ポリゴン・ピクチュアズでは、毎年20台程度を定期的に入れ替えて、システムの刷新を図っています。

また、ポリゴン・ピクチュアズ テクノロジー部 インフラグループ 真水洋介氏は、CG制作現場での課題を次のように話します。「CGの業界では、CGのクオリティーとシステムには密接な相関関係があります。クオリティーの高いCGを制作するには、より複雑な計算が必要になり、レンダリングにかかる時間が長くなります。新しいマシンも3年ほど経つと、その時点でのCG制作から見るとスペックが古くなってしまいます。そのため、全体の何割かを定期的に新しくすることで、レンダリング・ファーム全体の能力向上を図っています」。

Transformation

NeXtScaleの導入で自由度の高いシステムを構成

今回のシステム更新で課題となっていたのが、電源とスペースです。ポリゴン・ピクチュアズでは社内にサーバールームを持ち、自社で管理・運用を行っています。このサーバールームで使用できる電源は100ボルトのみ。またサーバーを設置できるスペースにも限りがあります。そこで候補に上がったのがNeXtScaleです。1Uハーフサイズの高密度設計であり、100ボルトでも最大のパフォーマンスで動作することから、これらの条件にぴったりでした。

「今後のサーバー増設なども考え、これまでも1ユニットに2台入るサーバーを選択してきました。ただしシャーシ型ではなかったので、1個の電源ユニットの故障で2台のサーバーが使えなくなるため、1台につき1個の電源ユニットを搭載して独立して稼働できる機種を選定するなど、管理も面倒になっていました。またこれまでもさまざまなベンダーからブレードサーバーを紹介いただくことはありましたが、ブレードは200ボルトでないと動作しないので、選択肢がありませんでした」(真水氏)。

今回の更新では、NeXtScale nx360 M4ノード20台を2つのNeXtScale n1200 エンクロージャー(シャーシ)に収めました。これにより、スペースと電源の両方の課題がクリアされました。

しかし、それ以上にNeXtScaleが魅力的だったのは、CPUの選択肢が豊富だった点だと真水氏は話します。「他社のモデルでは選択できるCPUのラインアップが少なかったり、発熱量に制限があるために使いたいものが選べなかったりしましたが、NeXtScaleは非常に自由度が高く、満足のいくシステムが組めたと考えています」。

ポリゴン・ピクチュアズでは、レンダリング・サーバーのオペレーティング・システムとしてサーバーOSではないWindows 7 Professionalを採用していますが、IBM海外ラボにて事前動作検証を行い、安心して検討できたという点も選択のポイントとなりました。

Benefits

レンダリング作業の時間短縮でCG制作のクオリティー向上に期待

運用前のCPUのベンチマーク・テストでは、前年に導入したものと比較して倍のスコアが出ています。CPUの世代も上がっているため単純な比較はできないとしながらも、ベンチマークのスコアどおりにCPU性能が出れば、レンダリングの処理時間はほぼ半分になります。これはポリゴン・ピクチュアズにとって、非常に大きな効果があると山森氏は言います。「レンダリングを短時間で行うことができるようになれば、さらにクオリティーの高いCG制作が可能になります。レンダリングは、全体の工程の中でも比較的後ろになるため、そこを短くできるとなると、デザインなどほかの工程にさらに手をかけられるので非常にありがたいです」。

また、導入時の取り付け作業や運用面でもメリットがあったと真水氏は話します。「IBMのサーバー全体に言えることですが、ツールレスで作業できるので、管理・運用が非常に楽です」。ポリゴン・ピクチュアズでは導入時の設置作業も自分たちの手で行っていますが、NeXtScaleはラッキングが非常に容易なので驚いたとも真水氏は言います。「金具の精度が高く、作りが非常にいいので、一人でも取り付け作業が行え、今回のように多くの台数を導入するような場合には、非常に効率よく作業できます。細かな点にまで配慮された設計にも信頼性の高さを感じます」。

シャーシ型を導入したことで、配線も非常にシンプルになりました。「これまでは電源を細かく分けていたのですが、その結果、1ラックに最大で50本近い電源ケーブルがあったのですが、今回入れたNeXtScaleでは1エンクロージャーにつき電源は6本で済みます。NeXtScaleは配線も非常によく考えられていると思います」(真水氏)。

 

将来の展望

GPUを使ったリアルタイム処理や、海外展開も視野に

今回導入したNeXtScaleは、CPUだけでなく画像処理向け補助演算装置Graphics Processing Unit(以下、GPU)にも対応予定です。今後、GPUでのレンダリングの要望が増えてきたときには、GPUを使っての処理も行っていきたいと山森氏は話します。

「最近のゲームでは、ゲームの中のムービーパートが、ユーザーがリアルタイムでプレーしているゲーム画面とシームレスにつながるようになってきています。そのため、そこにつながるムービーもリアルタイムでレンダリングする必要があります。こうした処理はGPUを使うと高速に行えるため、レンダリングではCPUからGPUへ移行する流れがあります。NeXtScaleはGPUの選択肢も数多くあり、アップグレードできる点が非常に魅力です。今後、そうした環境への移行もスムーズに行えると考えています」。

さらにポリゴン・ピクチュアズでは、2013年にマレーシアに子会社を作り、3DCGの制作を開始しています。現地のITスタッフのスキルがアップしたら、NeXtScaleを導入することも検討したいと真水氏は話します。「IBMはサポート対応のエンジニアのレベルも高いと感じています。グローバル展開もされているので、海外の子会社に導入してもグローバルなサポートが期待できます」。

ポリゴン・ピクチュアズのクリエーティブな活動を、IBMの技術力と製品の信頼性がこれからも支えていきます。

 

お客様の声

株式会社ポリゴン・ピクチュアズ テクノロジー部 部長 山森 徹氏

「NeXtScaleの採用でレンダリングを短時間で行うことができるようになれば、さらにクオリティーの高いCG制作が可能になります。レンダリングは、全体の工程の中でも比較的後ろになるため、そこを短くできるとなると、デザインなどほかの工程にさらに手をかけられるので非常にありがたいです」

株式会社ポリゴン・ピクチュアズ テクノロジー部 インフラグループ 真水 洋介氏

「他社のモデルでは選択できるCPUのラインアップが少なかったり、発熱量に制限があるために使いたいものが選べなかったりしましたが、NeXtScaleは非常に自由度が高く、満足のいくシステムが組めたと考えています」

 

お客様情報

1983年創立。世界でも有数の歴史と実績を誇るデジタル・アニメーション・スタジオ。『トランスフォーマープライム』(第39回デイタイム・エミー賞受賞)、『トロン:ライジング』(第40回アニー賞受賞)、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(第40回デイタイム・エミー賞受賞)をはじめとするTVシリーズや、映画、ゲーム、展示会などのほか、自社作品のライセンス事業も行っています。キングレコード、講談社との共同出資により製作されるTVアニメ『シドニアの騎士』が、MBS、TBS、CBC、BS-TBSの”アニメイズム”枠にて2014年4月より放送開始。

 

パートナー情報

ITホールディングスグループのTIS株式会社は、SI・受託開発に加え、データセンターやクラウドなどサービス型のITソリューションを多数用意しています。同時に、中国・ASEAN地域を中心としたグローバルサポート体制も整え、金融、製造、流通・サービス、公共、通信などさまざまな業界で3,000社以上のビジネス・パートナーとして、お客様の事業の成長に貢献しています。

 

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