Business Challenge story

WASの停止時にもセッションが引き継げる仕組みの実現

iStudy Cloudは、システム・テクノロジー・アイが提供する豊富なe-ラーニングコンテンツを、インターネット接続環境さえあれば、いつでも、どこからでも利用して、学習・スキルの管理、改善、診断のPDCAサイクルが実践できるSaaS型のe-ラーニング学習管理システムです。2009年2月にデータベース環境のバージョンアップを行い、より多くの会員がストレスなく利用できるシステム基盤が実現されています。

このデータベース環境は冗長化されており、1台のサーバーが停止しても、ほかのサーバーに処理を引き継ぐことが可能な仕組みになっています。一方、WAS Expressは製品の仕様により、複数台でのセッション情報の共有に制約があり、アプリケーション・サーバーが停止した場合には、セッション情報を引き継ぐことができないため、受講中の情報が消失してログイン画面に戻ってしまうという懸念がありました。

代表取締役社長兼最高執行役である松岡秀紀氏は、「実際には、アプリケーション・サーバーの停止によって、ログイン画面に戻ってしまうというクレームがお客様からあったわけではありません。しかし、もし受講中にログイン画面に戻ってしまえば、サーバーの停止がお客様にあらわになってしまうため、未然に対策が必要だと考えました」と話します。

「仮に何らかの障害が発生して1台のWASが停止したとしても、セッションを確保したまま、ほかのWASに処理が引き継がれ、何事もなかったように利用者が受講を続けることができる仕組みを実現したいという思いが以前よりありました」と松岡氏。

この仕組みを実現するために、システム・テクノロジー・アイではいくつかの製品の比較検討を実施。その結果、セッション情報をキャッシュしてログイン情報を共有し、障害が発生した場合でも研修情報を引き継ぐことができる仕組みを実現できるWebSphere DataPower XC10を導入することを決定しました。

Transformation

WebSphere DataPower XC10でiStudy Cloudを再構築

システム・テクノロジー・アイでは、使いやすさや機能性をより一層向上することを目的に、iStudy Enterprise Serverの最新バージョンをベースに、iStudy Cloudを再構築しました。WebSphere DataPower XC10の導入作業は、このiStudy Cloud再構築のタイミングに合わせ、2010年8月より開始しました。

再構築されたiStudy Cloudは、2ノードで冗長化されたバックエンドのデータベース・サーバーに、30ノード程度のWASがつながっており、現在はその中の2ノードがWebSphere DataPower XC10につながっているという構成となっています。

導入作業ではまず、正常ケースでWebSphere DataPower XC10が問題なく動作することを確認し、続いて障害ケースの検証を実施。さらにパフォーマンスなど、アプリケーションへの影響も確認し、2010年10月26日よりサービスを開始しました。システム・テクノロジー・アイでは、導入してすぐに使えるというアプライアンスの利点を生かし、採用検討開始からわずか2カ月で導入作業を完了しています。

WebSphere DataPower XC10の採用を決めた理由を松岡氏は、「1台のWASが停止した場合でも別のWASに処理を引き継げるフェイルオーバーの機能と、セッション情報を保持してログイン情報をキャッシュできる機能を兼ね備えている製品はそれほど多くありませんでした。その中でも、最も理想に近い機能を搭載していたのがWebSphere DataPower XC10であったことから採用を決めました」と話します。

一方、iStudy CloudでWASを採用したのは、導入コストが抑えられること、製品サポートの継続性が保証されることの2つの理由からでした。松岡氏は、「システムの拡張をスケールアウトで行っていくという方針なので、1ライセンスが高額だと導入が困難です。そこで導入コストは重要なポイントであり、手ごろな価格でWAS Expressを導入できることは大きな選定ポイントでした」と話します。

また寡占化が進んでいる現在のIT業界では、企業が買収されることでなくなってしまう製品も数多くあります。そこで製品サポートの継続性も重要なポイントの一つでした。さらに製品開発本部 インフラ統括部 マネージャの新保義幸氏は、「WASの最新バージョンは、パフォーマンスが大幅に向上していたことも高く評価しました」と話しています。

Benefits

日中の計画停止が可能になり作業負荷が大幅に低減

WebSphere DataPower XC10を導入したことで、iStudy Cloudで提供される研修の設問を利用者が考えて、答えを入力し、次の設問に移動するボタンを押したときに、ログイン画面に戻ってしまうというような事態を回避するという当初の目的は達成できました。

松岡氏は、「WebSphere DataPower XC10は新しい製品だったため、導入までに苦労はありましたが、IBMの技術者の強力なサポートもあり、稼働にこぎ着けることができました。本番稼働後は、非常に安定して動いています。また、WebSphere DataPower XC10導入によるアプリケーションのパフォーマンス劣化は1%未満なので、まったく問題ありませんでした」と話します。

「今回のiStudy Cloud再構築では、実は他社製品を導入することがほぼ決まっていました。しかしその製品を提供するベンダーには、IBMのようなサポート体制がなかったので、もしそちらを採用して同じような問題が発生した場合には、今回よりも苦労したかもしれません。エンタープライズで実績のあるIBMなので、サポートに関しては安心感がありました」(松岡氏)。

またiStudy Cloudは、24時間×365日、いつでも利用可能なサービスであることが必要なことから、システムのメンテナンスは利用率の低い夜中や早朝に行うことが必要でした。しかしWebSphere DataPower XC10を導入したことで、利用率の高い日中の時間帯でもシステムを計画停止して、メンテナンスを行うことが可能になりました。

新保氏は、「業務時間中にシステムの計画停止を行えるようになったことで、作業負荷が大幅に軽減されました。まだ障害によるシステム停止はないので、もし障害が発生したときにはさらに効果が感じられると思います。以前はシステムが停止すると慌てて復旧作業をしなければなりませんでしたが、今は心に余裕が持てるようになりました」と話しています。

将来の展望

iStudy Cloud導入企業382社への展開や導入支援も計画

今後システム・テクノロジー・アイでは、iStudy Cloudを導入している382社の企業の要望があれば、提供しているiStudy CloudサービスをWebSphere DataPower XC10につないでいくことも計画しています。松岡氏は、「WebSphere DataPower XC10は、WASを何台でも連携できるライセンス体系なので、必要に応じてサービス連携を拡張することができます。顧客の可用性に対する要件に合わせた柔軟な対応も可能になります」と話します。

松岡氏はさらに、「今回のシステム構築で、WebSphere DataPower XC10の仕組みを完全に理解できたので、今後はこの経験やノウハウを生かし、IBMと協力しながらWebSphere DataPower XC10を導入する企業を支援する取り組みも展開していきたいと考えています。例えば、ハンズオン・トレーニングの開発などが考えられます。WebSphere DataPower XC10に対応したアプリケーションを開発する場合、こうした方がより効果的だという経験もできたので、その経験も今後の開発に生かせると思っています」と話しています。

お客様情報

CSR教育、ビジネススキル、IT利用スキル等のe-ラーニング学習ソフトウェア「iStudy シリーズ」および、ITSSやETSS等のスキル診断からスキルアップのPDCAの仕組みを構築し、戦略的人材育成を支援するiStudy Enterprise Serverの開発販売、ならびにOracle・IBMの認定研修など教育事業を中心に展開しています。

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ソフトウェア

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