ホーム お客様事例 アコム株式会社 アコム株式会社
デジタル変革の推進を支える業務アプリケーションの安定稼働を、堅牢性と可用性に優れたIBM Zの更改と特定処理専用プロセッサーで実現

デジタル変革に向けた取り組みとしてインターネット・サービスの拡充を進めるアコム株式会社(以下、アコム)は、Webチャネル経由の顧客が大幅に増加。恒常化が予測されたCPU使用率の上昇の課題を、メインフレームの更改と特定処理専用プロセッサーの活用によって短期間で解決しました。

ビジネス上の課題

アコムでは、顧客向けインターネット・サービスの拡充によるトランザクション量の上昇に伴い、ローン業務や信用保証業務のサービス提供に不可欠な審査業務における高負荷な内部処理が増大。内部処理の増大に伴う既存システムのCPU使用率上昇の課題は、処理の効率化やリソースの割り当てなどの運用施策では解決が困難な状況となり、実業務に影響を及ぼすようになりました。

概要

CPU負荷の問題を解決し、業務アプリケーションを安定稼働させることを最大のミッションとするメインフレーム更改プロジェクトで、アコムは既存システム(IBM System z10)の後継機種であるIBM z13への更改を選択しました。この更改によって、CPUの処理効率の向上と使用率の抑制を実現し、業務アプリケーションの安定稼働と運用業務の効率化に寄与しています。

IBM Zの機能 安定したCPU使用率を実現
Z自身の機能強化と特定処理専用プロセッサーの活用により、ピーク時でも更改前の平常時以下にCPU使用率を抑制
CPUの処理効率が向上
平均で3割CPUの処理効率が向上
業務の効率化
CPU使用率の常時モニタリングが不要となり、運用業務の効率化に貢献
 
インターネット・サービスの拡充を筆頭とするデジタル変革によるトランザクション増加で、CPU使用率が逼迫

アコムグループは、『一人でも多くのお客さまに最高の満足を感じていただき、個人ローン市場において社会に信頼される「リーディングカンパニー」を目指す』という経営ビジョンのもと、ローン事業、クレジットカード事業、信用保証事業、海外金融事業、債権管理回収事業を主要事業と位置付け、個人ローン市場におけるシェアの拡大に努めています。

「当社は、デジタル変革に向けた取り組みとしてPCやスマートフォンによるインターネットサービスを拡充しています」と、同社 システム統括部 システム運用センター 運用チームのチームリーダーである小川和也氏は、アコムの取り組みについて話します。
アコムは、ローン・クレジットカード事業や信用保証事業の業務を支えるシステム基盤として、メインフレーム「IBM System z10」(以下、IBM z10)を利用してきましたが、CPUの負荷は、年々増大する一方でした。そして、CPU使用率の上昇に伴って、同社のIBM z10で動かしているローン業務、信用保証業務、審査業務に関わる各種アプリケーションの動作が不安定になっていました。当時の状況を小川和也氏は次のように振り返ります。
「当時のCPU使用率は、高い水準が続く状態でした。そのため、使用率のピーク時にはATM(現金自動預払機)の取引業務の一部においてエラーが発生するなど、お客さまの取引に影響を与える障害発生を危惧する状況になっていました」
CPUの負荷が増大した背景について小川和也氏は「インターネット・サービスの拡充により、Webチャネルからローンやクレジットの新規申込をするお客さまが大幅に増加しました。また、信用保証事業の拡大による処理量の増加もあり、CPU使用率の上昇につながったと考えています。審査業務においては、お客さまの取引を過去から全て検索、再計算するという重い内部処理があり、この処理もCPU使用率を圧迫していました」と説明します。

こうした状況を改善すべく、同社は「I/Oを制御するモジュールを見直して、各アプリケーションのトランザクション処理を効率化し、CPU負荷を軽減」、「メインフレームのLPAR(論理区画)を変更して、CPU負荷の高い業務に多くのリソースを割り当てる」、「インフレーム内のCPUで処理していた監視モニターの一時停止」といった施策に取り組みました。ただ、人手を介した運用によるCPU使用率の改善も限界と迎えた、と小川和也氏は話します。
「様々な施策によって、一時的にCPU使用率は下がりました。ただ、増大し続けるトランザクション処理量に追い付かなくなり、2017年にはCPU使用率が高水準で推移していました。そこで、将来予測を実施したところ、2018年10月には恒常的にCPU使用率が上限近くに達する可能性が高いことが明らかになったのです」

業務アプリケーションのDb2処理をzIIPで稼働させることで、CPUの負荷軽減と急激な負荷増大のリスク抑制が図れます 小川 裕二氏 システム統轄部 システム運用室センター 運用チーム 担当課長 アコム株式会社
 
メインフレーム更改プロジェクトを立ち上げ、ベスト・プラクティスとしてIBM z13を選択

2017年4月、アコムはメインフレーム更改プロジェクトを立ち上げました。プロジェクトでは、業務アプリケーションを安定稼働させることを最大の目的として、サポート終了時期が近づいているIBM z10に代わるシステム基盤が検討されました。

当初は、オープン系システムに全面刷新することも選択肢に上がりましたが、開発に時間がかかることや、開発案件を凍結する必要が出てくるため断念しました。そして、最終的に同社が選択したのは、IBM z10の後継機種であるIBM z13でした。同社 システム統轄部 システム運用室 センター運用チーム 担当課長である小川裕二氏は、IBM z13を採用した理由について、次のように話します。

「IBM z10が当時抱えていた問題はCPU使用率だけであり、メインフレーム自体の堅牢性や可用性については全く問題がありませんでした。本番稼働中に障害を起こしたことはほとんどなく、コア業務を担うシステム基盤として安心感も高かったのです。IBM z13は、この堅牢性や可用性を受け継ぎながら、マシン・スペックが大幅に強化されています。また、IBM z13はIBM z10とアーキテクチャーが変わらないため、業務アプリケーションに手を加えることなく、短期間に最小限のリスクでシステム更改ができると判断しました。最終的に、当社は、CPUを2642MIPS(*)まで拡張できる構成のIBM z13の採用を決めました」

*メインフレームが1秒間に命令を何百万個実行できるかを示す単位

小川裕二氏は、性能が強化された特定処理専用のプロセッサー(オプション)である「zIIP」(IBM System z Integrated Information Processor)が搭載されることも、IBM z13を採用する決め手になった」として、小川裕二氏は 「業務アプリケーションのDb2処理をzIIPで稼働させることで、CPUの負荷軽減と急激な負荷増大のリスク抑制が図れます。その結果、監視モニターなどの運用業務を軽減できると考えました」と話します。

約1年でメインフレームの更改を実現

2017年4月にスタートしたメインフレーム更改プロジェクトは、大きなトラブルなく順調に進み、2018年5月にはIBM z13への移行を完了しました。約1年という短期間でメインフレームの更改を実現したことになります。

更改後のシステム構成は、IBM z13を2台設置する冗長構成であり、万が一のハードウェア障害が発生しても業務が継続できます。災害復旧対策については、ローカルのストレージに書き込みが完了した時点でサーバーに書き込み完了を通知し、その後、リモートのストレージへの書き込みを実施する「グローバルミラー」機能を採用。メインとバックアップの両方のデータセンターのストレージのデータを、別のストレージに非同期にミラーリングしており、片方がダウンした際は数秒で切り替わる仕組みとすることで、業務への影響を最小化しています。

「プロジェクトの工程は、設計、開発、テスト、移行という通常の開発工程で進めていきました。その中で特に重視したのが、アプリケーションの動作確認でした。IBM z10での動作と、IBM z13での動作を比較して、処理速度やCPU使用率などで問題が出た場合には、プログラムの改修をしました」と小川裕二氏は話し、次のように続けます。

「IBM z10時代から当社のサポートを担当していた、経験豊富な日本IBMのスタッフがプロジェクトに加わってくれたことも、短期間でトラブルなくメインフレームを更改できたことにつながりました」

CPUの処理効率が平均で3割向上しました。そして、日常的に高水準であったCPU使用率は、現在ではピーク時でも更改前の平常時以下に抑えられています 小川 和也氏 システム統轄部 システム運用センター 運用チーム チームリーダー アコム株式会社
効果と今後の展望
CPU使用率の安定化と業務アプリケーションの安定稼働を実現

計画通りにメインフレーム更改プロジェクトを完遂して、小川和也氏はIBM z13は導入効果が非常に大きかったと強調し、次のように話します。

  「CPUの処理効率が平均で3割向上しました。例えば、以前は10MIPSを使っていた処理が、メインフレームの更改後は7MIPSに下がりました。そして、日常的に高水準であったCPU使用率は、現在ではピーク時でも更改前の平常時以下に抑えられています。これにより、業務アプリケーションを安定稼働させることが可能になりました。また、運用面では、CPU使用率をシビアにモニタリングする工数が不要となり、業務の効率化にも貢献しています」

同社の今後のシステム展開について、小川和也氏は次のような考えを示します。

「今後、さらにデジタル変革を推進していくためには、開発言語やアプリケーションの見直しも含めたシステム全体の最適化を図ることが重要と考えています。その選択肢の一つとして、Linux on IBM Z(メインフレーム用Linux)の採用も検討するでしょう。オープン化やクラウド化への流れを的確に捉え、当社にとって最適なアーキテクチャを評価し、採用していきたいです」

アコム株式会社

アコム株式会社
〒100-0005 東京都千代田区 丸の内2−1−1
https://www.acom.co.jp/corp/

アコムは、人間尊重の精神とお客さま第一義に基づき、創造と革新の経営を通じて、楽しく豊かなパーソナルライフの実現と生活文化の向上に貢献することを企業理念として、一人でも多くのお客さまに最高の満足を感じていただき、個人ローン市場において社会に信頼される「リーディングカンパニー」を目指します。


次のステップ
The DX Leaders(日本語ニュースレター)を購読 他のお客様事例を見る

Copyright IBM Corporation 2023.日本アイ・ビー・エム株式会社 〒103-8510 東京都中央区日本橋箱崎町19-21

IBM、IBMロゴ、ibm.com、およびIBM Consultingは、米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。 他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点でのIBMの商標リストについては、https://www.ibm.com/jp-ja/legal/copyright-trademarkをご覧ください。

本事例は最初の発行日の時点で得られるものであり、随時、IBMによって変更される場合があります。すべての製品が、IBMが営業を行っているすべての国において利用可能ということではありません。

記載されている性能データとお客様事例は、例として示す目的でのみ提供されています。実際の結果は特定の構成や稼働条件によって異なります。本書に掲載されている情報は現状のまま提供され、第三者の権利の不侵害の保証、商品性の保証、特定目的適合性の保証および法律上の瑕疵担保責任を含むすべての明示もしくは黙示の保証責任なしで提供されています。IBM製品は、IBM所定の契約書の条項に基づき保証されます。

本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
記載の事例は特定のお客様に関するものであり、全ての場合において同等の効果が得られることを意味するものではありません。効果はお客様の環境その他の要因によって異なります。製品、サービスなどの詳細については、弊社もしくはビジネス・パートナーの営業担当員にご相談ください。