Business Challenge story

4 万8000台の自動販売機管理の効率化が課題

ネオス株式会社 (以下、ネオス) は、「自動販売機を通じて“お客さま”と“飲料メーカー”との架け橋になりたい」という企業理念に基づき、日本全国56営業所の販売拠点 (Network) で事業を展開。清涼飲料水業界における25年以上の経験と実績 (Operation) を生かし、顧客満足度の高いサービス (Service) を24時間×365日提供することを目指しています。ネオス (NEOS) という社名は、この「Network」「Operation」「Service」の頭文字に由来しています。

飲料自販機オペレーターとして、複数の飲料メーカーより商品を仕入れ、自動販売機を通じて販売することを事業として展開しているネオスの最大の特長は、1台の自動販売機に、複数のメーカーの売れ筋商品を販売していることです。ルートマンと呼ばれる自販機オペレーション担当者が、商品の補充や売上金の回収、自動販売機や周辺の清掃、自動販売機の修理・調整、空容器の回収など、自動販売機の運営・管理を行うことが事業の中核となります。

管理している自販機は約4万8000台 (2010年7月末現在) を数え、取り扱う商品の数は約1000アイテムに上ります。さらに「コラム」と呼ばれる自動販売機内の商品を投入する列の数は約120万コラムといいます。ネオスでは、1台の自動販売機を1つの店舗と考え、コラムは店舗内の棚として在庫や売上を管理しています。

そのため取り扱うデータ量も膨大で、マスタデータとしては、自動販売機のロケーションデータが13万件、コラムデータが156万件、売上データと在庫受払データがそれぞれ月間500万件に上ります。この基幹システムに蓄積された膨大なデータから、分析担当者が必要に応じてデータを抽出し、Microsoft Excelを使用して、販売・訪問実績や訪問計画、在庫管理など分析し、ルートマンへの情報提供を行っていました。

しかし一部のアプリケーションにしかアクセスできる権限がなく、蓄積されているデータの保存期間も短いため、過去のデータが必要な場合には、各自のPC上で管理しなければなりません。そのため個人管理のデータ量が肥大化し、データ消失のリスクも増加するという課題も抱えていました。またマスタデータとトランザクションデータが分かれているため、レポート作成作業に時間がかかるほか、類似したレポートも数多く作成され、データの整合性の検証も困難でした。

情報システム課課長の斉藤竜馬氏は、次のように語ります。「複数メーカーの商品を取り扱っているために商品の数が多くなり、自動販売機の管理も複雑になります。しかし、欠品が発生しないように最適な品ぞろえを実現し、また釣り銭不足や故障などにも迅速に対応しなければなりません。こうした自動販売機の管理作業を軽減するには、新たな情報系システムを構築しなければならないと考えていました」。

しかしネオスでは、本格的なシステム開発の経験者や技術者が不在であり、データベースやSQL文の知識を持つ担当者も在籍していませんでした。またITベンダーと協力してシステム開発を行う経験が皆無であることから手順も分からないなど、システム構築そのものに対する課題も抱えていました。斉藤氏は、「その一方で、業務に対する理解度が高かったことは、情報系システム構築やその後のIT導入を進めるにあたっても力となり、良い経験をもたらしました」と話しています。

Transformation

PoCの実施によりIBM Netezza DWHアプライアンスの採用を即決

ネオスでは、2007年9月に「情報系システム構築プロジェクト」をスタート。同時期に情報システム部門も発足しました。続いて10月~11月でシステム基盤の選定作業を実施しています。その結果、12月にIBM Netezza DWHアプライアンス (以下、IBM Netezza) を採用することを決定。2008年1月よりシステム構築が開始され、8月に本番稼働しました。

今回の情報系システム構築においては、IBM NetezzaおよびBIツールの組み合わせによるシステム構築で、数多くの経験と実績を持つ株式会社電通国際情報サービス (ISID) がサポートしています。

しかし当初は、新しい情報系システムの周知徹底が不十分であり、現場も既存のやり方を変更する余裕がなかったために、新しい情報系システムは利用されないという状態が続いていました。そこで経営トップの判断により、2009年10月に社内での運用の推進を強化し、12月には日本全国のすべての拠点で情報系システムの利用を開始。2010年1月に基幹システムからデータを抽出する旧サービスを廃止しています。

今回、構築された情報系システムは、ルートマンがハンディーターミナルで吸い上げた自動販売機のデータを基幹システムで日次処理を実施。その後、基幹システム、自動販売機資産管理システム、ワークフローシステム、会計システムから必要なデータをETLツールで抽出し、集計してIBM Netezzaにローディングする仕組みになっています。

DWHに蓄積されたデータは、全国の拠点管理者がBIツールを使用して、日々の配送計画を作成したり、販売管理や在庫管理などの業務に利用したりするほか、必要に応じて自由に加工、集計し、データを分析することができます。

新しい情報系システムにIBM Netezzaが採用されたのは、日本ユニシス株式会社 (以下、日本ユニシス) が実施したPoC (Proof of Concept) が決め手でした。日本ユニシスでは、独自のPoCプログラムを使い、ネオスが準備した3年分に相当する1億4700万件の売上データを利用して検証を実施。その結果、全件検索が47秒、3カ月分のデータ抽出が4.6秒、1日分のデータ抽出が0.3秒など、いずれも高いパフォーマンスを発揮しています。

斉藤氏は、「PoCの結果は想像以上でした。しかもインデックスを作成することなく、この性能が発揮できることは驚きでした。この数値は、ほかのどのデータベースでも実現できないものでした。また日本ユニシスは、BIツールを使った3種類のレポートのサンプルを提示してくれたことも高く評価して、最終的にIBM Netezzaの採用を決めました」と話しています。

Benefits

DWH専門のシステム管理者が不要に

IBM Netezzaを導入したことで、基幹システムや自販機資産管理、会計など、アプリケーションごとに散在していた業務データの一元管理を実現。当日のデータは、翌日の朝までにDWHに蓄積されるので、タイムリーなデータの活用が可能になりました。またDWHには、要件に応じ複数年のデータが保存されているため、個人のPCに保存されていたデータも不要となり、データ容量や消失リスクの削減も実現しています。

データ活用による作業効率向上や業務改善もIBM Netezzaを導入した効果のひとつです。BIツールを利用して、定期レポート作成業務を自動化することで類似するレポートを廃止しました。これにより、複数のアプリケーションからデータを抽出し、集計してレポートを作成するという煩雑さも解消、責任の所在が明確でない複数の数字が社内を独り歩きすることや、そこから生じていた不整合の確認作業も不要になりつつあります。

たとえば「自販機コラム管理帳票」は、マスタテーブル10種、トランザクションテーブル7種より各自動販売機のコラム別の情報をアウトプットし、ルートマンがコラム単位での在庫、商品交換、ホットコールド切り替えなどを管理するためのものです。トランザクション件数が最大で2億行を超えるテーブルの参照もあり、これまでは手作業でも作成することが困難な帳票でした。

しかしIBM Netezzaの速度とBIツールの利点を生かし、一表で前月当月売上、前月残・前日残在庫、月内訪問計画・実績、補充・商品交換・ホットコールド切り替え実績、商品構成、売り切れ実績、販売風速などが閲覧できる帳票が実現可能になりました。

さらに費用対効果として、お客さまへのサービスレベルを向上しながら、データ分析やレポート作成のための作業時間の短縮、ルートマンの作業効率の向上と労働時間の短縮も実現しました。さらに「ハードウェアだけと見ればコストは割高になります。しかし、データベースライセンスやストレージなども含めて総合的に判断すれば、TCO (総保有コスト) の削減に効果がありました」と斉藤氏は言います。

一方、情報システム部門におけるIBM Netezza最大の導入効果は、DWHに関する専門のシステム管理者が不要であるということです。以前は基幹システムからのデータ抽出に対する問い合わせやサポートに多くの労力を割いていました。しかしIBM Netezzaを導入したことで、情報システム部門は、フロントエンドシステムのサポートに注力することが可能になりました。

斉藤氏は、「IBM Netezzaは、各SPUに平均してデータを分散するようにDDL (データ定義言語) を設計すること、定期的な統計情報の更新、論理削除されたデータを物理削除するReclaim処理など、いくつかのポイントに注意しておくだけで、専任のデータベース管理者がいなくても容易に運用することができます」と話します。

そのほかネオスでは、日本ユニシスグループのユニアデックス株式会社 (以下、ユニアデックス) によるIBM Netezzaの保守サポートも高く評価しています。斉藤氏は「ユニアデックスは、非常に高いレベルの保守サポートを提供してくれます。サポート時間内であれば、10~20分で受け付けが終了し、午前中に問い合わせれば、ほとんどの回答がその日のうちに返ってきます。現状ではハードウェアの障害は発生していませんが、運用に関する問い合わせは日々発生しているので非常に助かっています」と話しています。

将来の展望

マスタの蓄積やデータマートの強化に期待

今後の展望について斉藤氏は、次のように語ります。「トランザクション系データは、すでに3年分蓄積されましたが、いつ、どんな商品が販売され、当時の在庫状況はどうであったかといった情報は、マスタデータを蓄積しなければ分析できません。そこで今後は、マスタの履歴を蓄積することで、データ分析の品質を向上していく計画で、すでにコラムのマスタは過去3年分の履歴を保持しています」。

また、販売分析や在庫管理など、業務や分析要件に対応したデータマートもさらに充実させていく予定です。斉藤氏は、「本格的なIBM Netezzaの活用から約2年経って、ローデータだけでは厳しい分析があることも分かってきました。こうした分野には、今後もデータマートを作成することで対応していきたいと思っています」と話す。

情報系システムが次に目指すポイントを斉藤氏は、「賞味期限を中心とした品質の管理、お客さまが望まれるより良い品ぞろえの為の商品分析、売り切れを確実に防止するなどの訪問効率への支援です。また、需要予測やクレーム分析などを充実することにより、自動販売機を利用するお客さまに対するサービスレベルをより一層向上させることを目指しています」とIBM Netezzaに対する期待を交え話しています。

お客様の声

情報システム課 課長 斉藤竜馬氏

「IBM NetezzaのPoC の結果は想像以上でした。しかもインデックスを作成することなく、この性能が発揮できることは驚きでした。この数値は、ほかのどのデータベースでも実現できませんでした」。

「IBM Netezzaは、各SPUに平均してデータを分散するようにDDLを設計すること、定期的な統計情報の更新、Reclaim処理などに注意しておくだけで、専任の管理者がいなくても容易に運用できます」。

「IBM Netezzaは、ハードウェアだけで考えればコスト高になります。しかし、データベースライセンスやストレージなども含めて総合的に判断すれば、TCOの削減にメリットがありました」。

お客様情報

ネオス株式会社は、「自動販売機を通じて“お客さま”と“飲料メーカー”との架け橋になりたい」という企業理念に基づき、日本全国56営業所の販売拠点 (Network) で事業を展開。清涼飲料水業界における25年以上の経験と実績 (Operation) を生かし、顧客満足度の高いサービス (Service) を24時間×365日提供することを目指しています。ネオス (NEOS) という社名は、この「Network」「Operation」「Service」の頭文字に由来しています。

テクノロジープラットフォーム

ソフトウェア

  • IBM Netezza DWH アプライアンス

Solution Category

  • IBM Hybrid Cloud