Business Challenge story

IT資源の運用効率の向上とTCOの削減に大きな期待

同金庫のデスクトップ・クラウド環境では、IBMのサーバー(BladeCenter、System x)に仮想化環境を実現するシトリックス社のCitrix XenAppを搭載し、クライアントとしてWyse端末、および既存のPCを使用しています。当プロジェクトは、2009年6月から開始され、システムのデモ、XenApp上でのアプリケーションの検証などが行われた上で採用に至りました。2010年2月から7月に、8拠点、約200ユーザーの移行を完了し、年末までには、44の全営業店と本部に拡大されます。全職員が使用する900台のPCのうち480台がWyse S10端末(Wyse社)に置き換えられる予定です。XenAppサーバーへの同時接続数は、600強のユーザーを予定しています。 デスクトップ・クラウド環境を活用することにより、業務データをデータセンター内に設置したサーバー上で管理します。これにより各拠点の端末にはデータを保持しないため、強固なセキュリティーを実現できるようになります。 また、従来クライアント側で実施していたアプリケーションの導入と更新がサーバー側の作業だけで完了することや端末の修理・交換が容易になることでメンテナンス作業の大幅な効率化を見込んでいます。 同金庫では、こうしたセキュリティーの強化とIT資源の運用効率の向上に大きな期待を持って、デスクトップ・クラウド環境構築に取り組んでいます。

過去に経験したシステム更新が クライアント環境仮想化へのニーズを醸成

巣鴨信用金庫では、2000年頃からシステムの更新・メンテナンスとセキュリティーの確保という2つの大きな課題がクローズアップされてきました。 同金庫は2002年5月に大きなシステムの更新を行っています。データベース・サーバーのバージョンアップと、同時にクライアント側のOSをMicrosoft Windows 2000にアップグレードし、アプリケーションも移行しました。 この更改作業は単純なものではなく、準備に一年以上かかるという大変な労力を要しました。その理由は、データベースの切り替えに合わせて、クライアント側のプログラムも更新しなければならないため全部を一斉に入れ替えなければならなかったからです。 この時の苦労が、その後クライアント環境仮想化への移行を真剣に考えるきっかけとなりました。巣鴨信用金庫事務部システムの亀井淳一係長は、そのときの状況をこう語ります。 「次に更改するときは、順次に切り替えることはできないか。データベース・サーバーへの接続モジュールを一度に更新できるような簡単な手段はないのか。一担当者として2002年の経験から、いろいろと考えさせられたことがありました」。 同金庫には、再びクライアント側のOSの更新という問題が降りかかってきます。社内ユーザーからさまざまな拡張の要望が上がってきますが、Windows 2000 環境の下では、調達できるハード・ソフトが限られてきます。 そこで、同金庫では新たにOSを入れ換える方向と、シンクライアントを比較検討しました。その結果、10年以上の長期間で見た場合は、シンクライアントの導入の方にコスト・メリットが出るのではないかと判断しました。 また、セキュリティー対策に関しても、大きな課題がありました。当初はノートPC使用していましたが、物理的に机上にPCが固定されているリスクに対しても早急に解決する必要があり、こうした課題を解決するため、同金庫は現行のPCベースのITシステムを、シンクライアント端末をベースにしたデスクトップ・クラウド環境で構築することを決定しました。

Transformation

サーバー上のアプリケーションを利用しデータもサーバーに保存

デスクトップ・クラウド環境の構築ではIBMのサーバー全17台にシトリックス社のXenAppを搭載しました。具体的には、各ユーザー固有のクライアント環境がXenAppサーバー上で仮想的に実現し、ユーザーはあたかも自分のPCで作業をしているかのように、オフィス・アプリケーションなどを使用することができます。 この際、データはすべてサーバー側に格納されるため、情報漏えいなど各端末側でのセキュリティー問題は解消されます。 また、ユーザー管理を中央で一括して行えるため、ユーザー・グループごとに利用可能なアプリケーションを設定するなどの制御を行うことができます。ユーザーのアクセスについては、いつ何処で誰が何を使用したかという詳細なログがサーバー側に記録されるため、不正アクセスの防止・検知などに大いに役立ちます。 その他のセキュリティー機能としては、インターネットにアクセスできるサーバーとそうでないものを分離することにより、サーバー全体のセキュリティー・レベルを上げることや、ポリシーにより各端末が使用できる周辺機器や外部接続記憶装置(USBキー、HDDなど)の管理などがあります。 さらに、PCアプリケーションの場合、修正プログラムによる更新が頻繁に発生しますが、XenAppではInstallation Manager機能を使用して修正プログラムの適用をサーバー側で一括して自動で行うことができるため、システム運用の効率が飛躍的に向上します。

Benefits

お客様の社内に実証環境を構築、システム導入の判断に大きな役割

今回のデスクトップ・クラウド環境の構築にあたっては、IBMのチームワークが発揮されました。シンクライアントによるクライアント環境の仮想化を検討されていたお客様のニーズを、テレマーケティング・チームが発掘し、サービス、ハードウェア、デリバリー等の各チームの協業により、案件の成約からサービス・インまで繋げました。この間のIBMの対応について、お客様から高い評価を受けています。 「2009年の3月に、IBMから電話が入りました。そのときすでにシンクライアントについて検討しているところでした。 4月初めに、営業の方に来社いただいて話を聞きました。そこからは圧倒的な組織力、総合力がありました。きちんとリサーチして、最適なソリューションを提案していただきました。見事でしたね」 と語るのは、当初このプロジェクトを担当していた創合企画部の柳田達夫次長です。 2009年5月に、IBMの事業所にて同金庫の関係者の方々に、IBMのデスクトップ・クラウドのデモをご覧いただきました。その直後には、同金庫の社内に実証のための環境を構築し、お客様の目で実際に確認していただきました。 「アプリケーションを入れ、レスポンスを含めた使い勝手を検証しました。その結果、問題ないということになりました。書類だけでは判断できません、実際に目で見てよく分かりました」 と、佐野吉弥理事はIBMの迅速な行動を高く評価しています。 プロジェクト・マネージャーの役割を担っている亀井淳一氏からも、提案や回答の質の高さに評価をいただいています。 「環境を一番早く、短い期間に作っていただきました。2~3日で、ほぼ満点の環境ができあがってきました。我々がめざそうとしているものが、具体的に目の前に絵を描くように構築され、対応力がすばらしいと思いました」。 また、IBMとパートナーとの連携も、プロジェクトの成功要因に挙げられます。IBMと共同で、Citrixの仮想環境とWyse端末を導入した、株式会社エム・ピー・テクノロジーズとの検証作業は、同金庫内部で高評価を得ました。 そして、Citrix XenAppを採用した理由は、アプリケーション仮想化ソフトの中でも歴史があり、信頼性があるというのが大きな要因となっています。ネットワークを介してどれくらい使えるのか、という比較テストも実施し、方式とコスト、そして対応力がよい、というのも決め手になりました。

TCO 3割削減を期待、社会的責任を果たすための基盤を確保

先進的で効率的な各種管理機能、信頼性と拡張性を備えたデスクトップ・クラウド環境の構築により、巣鴨信用金庫は数百台のPCベースのITシステムで抱えていた多くの問題を解決することができます。より性能の高いH/Wへの単なる置き換えではなく、システムの使用形態を根本的に変えるクラウド・コンピューティング技術の採用により、運用効率が劇的に上がることで、大幅なTotal Cost of Ownership(TCO)の削減が見込めます。 試算では、新環境に切り替えることで5年間の累計コストが約3割下がることを期待しています。 また、一方でセキュリティーのレベルはこれまでよりもはるかに高くなるため、社会インパクトの高い金融業務において、顧客情報の厳格な管理や透明性の確保といった、社会的責任を適切に果たし続けるための強固な基盤を手に入れることができます。 現在(2010年9月)、まだ移行の途中ということもあり、コスト削減効果については、数値で確認できるまでには至っていません。また、システム管理者にとっては、全体としての負荷が軽減されたかどうかまだ明確になっていないというのが実情です。 しかしながら、運用の面で、10分でディスプレイの電源が切れるといった細かい設定を施しているので、実稼動が測定できるようになると、良い結果が期待できると考えています。

 

将来の展望

IBMのスキル・組織力・実行力と信頼関係づくりに高い評価

こうした経過の中で、IBMのサービス全体に対しても、高い評価をいただいています。 「個人の力だけではなく、組織力、チームとしての力は、かなり役割分担ができていて、お互いサポートしあっているというところは、目を見張るものがありました。具体的なソリューションを提供してくれる力、実行するに当たっての進捗管理の手法も、非常に勉強になりました。自分たちのやり方を踏襲するだけではなくて、我々の文化にも合わせながら信頼関係を作っていただきました」(佐野吉弥理事)。 同金庫では、近い将来の展望としては、今まで以上にITをより身近に活用できるようになるのではないかと期待しています。デスクトップ・クラウド環境が備わったことにより、どこからでもサーバーに接続できます。会議でのプレゼンテーションや好きな時間に受講できるe-ラーニングなど、活用の場が拡がると期待しています。

ワールドワイドの知見と実績「IBM Smart Business Desktop Cloud

IBMは、仮想化ソリューションを展開する主要ベンダーとワールドワイドでアライアンスを組んでおり、クライアント環境仮想化に関して、世界中での豊富な実績に基づいたノウハウを蓄積し、IBM独自の設計・構築基準などを確立しています。 こうしたグローバル規模の知見を基にIBMのデスクトップ・クラウド・サービス「IBM Smart Business Desktop Cloud」を提供しています。導入前には、IBMがユーザーの要件や環境などについて事前アセスメントを実施し、最適な導入計画を提案します。導入後の運用・保守についてのサービスも用意しており、クライアント環境のライフサイクル全般にわたってトータルにサポートしています。

 

お客様情報

1922年(大正11年)、相互扶助・非営利・協同の精神のもと「有限責任信用組合巣鴨町金庫」として創立。

1997年(平成9年)に「喜ばれることに喜びを」をモットーに「金融機関」から「金融サービス業」への転換を図る。

2006年(平成18年)からは「金融サービス業」をさらに一歩進めた「金融ホスピタリティ」を掲げ、よりお客様にご満足いただける信用金庫を目指している。

 

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サービス

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  • IBM Cloud