Business Challenge story

既存のKPI 管理環境に代わり求められる新たな仕組み

韓国のゲーム開発会社NCSOFT Corporation のグループ会社であるエヌシージャパンは2001 年に設立。「MISSION:楽しさでつながる新しい世の中を作ること」「FORMAT:小さく、強く、充実した会社」「CORE VALUE:INTEGRITY(真摯さ)、 PASSION(献身)、NEVER-ENDING CHANGE(感動)」「SPIRIT:CONQUER THE SPACE(宇宙進出)」の企業文化の下、NCSOFTが開発したオンラインゲームのサービスを日本のプレーヤーに提供しています。

同社の企業文化についてエヌシージャパン プラットフォーム・ユニット プラットフォーム・オペレーション部門 DBチーム DBスペシャリスト 成 定模氏は次のように説明します。

「近年は手軽に遊ぶことができるスマートフォン向けのゲームが普及していますが、エヌシージャパンではPC 向けのオンラインゲームを主として提供しています。こうした状況においてビジネスを成長させるため、エヌシージャパンでは『MISSION』『FORMAT』『CORE VALUE』『SPIRIT』という企業文化を育んでいます。『MISSION』はゲームの提供を通じて人々に楽しんでいただける世の中を作ることを目標としています。エヌシージャパンはNCSOFTなどと比べて規模が小さな会社ですが、それでも社員同士が尊敬し合い、コミュニケーションを図ることにより、強く、充実した会社を作ることを目指すことが『FORMAT』です。『CORE VALUE』はゲームを創作する中でモラルと芸術性を両立させ、常に変化し続けることによりお客様に楽しんでもらえる環境を作ることが求められることから、『真摯さ』『献身』『感動』を大切にする姿勢を表しています。最後の『SPIRIT』は少し変わっていて宇宙進出という目標を掲げています。これは未知の世界でも楽しめるようなものを生み出していくことを意味しています」。

エヌシージャパンではビジネス成長を促すために、以前より各種KPIを管理するシステムを活用していました。この仕組みはNCSOFT が開発したもので、IBM Cognos Business Intelligence(以下、Cognos BI)のスコアカード機能を活用していました。Cognos BIはグローバル契約を結んでいたことから、エヌシージャパンをはじめとしたグローバルのグループ会社がこの仕組みを共有していました。

「Cognos BIでさまざまな指標を管理していましたが、重要となる指標はゲームの同時接続人数やアクティブプレーヤー数などになります。エヌシージャパンが提供するオンラインゲームでは『ワールド』という概念があります。ワールドとは複数のプレーヤーで形成されたグループで、ワールド内でプレーヤー同士が協力し合いながらゲームを進行します。Cognos BIでは、それぞれのワールドの参加人数が把握できるので、プレーヤーが集中したワールドのシステム負荷対策を行うなど、よりプレーヤーが快適にゲームを楽しめる環境作りが可能になります」(成氏)。 エヌシージャパンのKPI 管理の仕組みは、エヌシージャパンの事業部門や開発部門のメンバー、経営層のほか、NCSOFTのメンバーも活用していました。

Cognos BIによるKPI 管理環境はグローバルで有効に活用されていましたが、NCSOFTではビッグデータの活用も見据えて、独自のKPI 管理システムを開発することになりました。それに伴いCognos BIのグローバル契約が終了することから、エヌシージャパンでは代わりとなるKPI 管理の仕組みを用意する必要に迫られました。

Transformation

既存環境の有効活用と日本独自の仕組み構築に向けてCognos Expressを導入

エヌシージャパンではKPI 管理ツールを検討し、その結果Cognos Expressの導入を決定しました。

「既存の環境にCognos BI が活用されていたことから、Cognos Expressであれば画面などをそのまま流用することが可能になります。エヌシージャパンはNCSOFTに比べて規模や扱うデータ量も少ないことから、Cognos Expressで新しい環境を構築ることになりました。将来的にはさまざまな機能を付加していくことが展望されましたが、Cognos Expressであれば拡張性に優れているので安心です」(成氏)。

また成氏はCognos Expressの機能面についての評価を以下のように述べます。

「これまでは既存の画面であらかじめ設定されたデータのみを閲覧するという使い方をしていましたが、Cognos ExpressのQuery Studioを活用すれば定形のページを簡単に作成できます。画面デザインを考慮しなければ、5~10分という短時間で作成できるということは非常に魅力的でした。また今後の活用を考えるとOLAP(OnLine Analytical Processing:オンライン分析処理)機能を活用して、利用者側で必要な条件に応じたレポートを作成するといった使い方も検討していたことから、Cognos Expressであればそうした機能にも対応しているという点も評価しました。OLAP 機能の活用は社内からも要望が上がっていました。こちらでレポートを作成しなくても、利用者が求めるデータを素早く参照することが可能になります」。

またCognos Expressであれば、マルチ言語環境にも容易に対応できるという点も評価ポイントだったと成氏は言います。

「新しいKPI 管理環境は日本と韓国の2カ国のスタッフが閲覧することを想定していましたが、Cognos Expressはマルチ言語対応なので、1つの画面を開発したら、言語を変えるだけで2カ国向けの画面を用意することができます。もし将来的に米国や欧州、台湾などの拠点でも活用することになった場合、マルチ言語対応が非常に役立つと思いますし、多国語のマニュアルも用意されていますので安心して使うことができます」。

こうしてCognos Expressの導入が2013年11月に決定。その後同年12月には既存環境からの移行作業が進められ、2014年1月から新環境の稼働が開始されました。「旧環境とは異なるCognos製品に代わることから移行作業がスムーズに進むのかということを心配しましたが、実際に作業を開始するとほとんど問題なく移行できました。結果的にインストールからバックアップ、テストを経て2時間程度で稼働可能な状態になりました」(成氏)。

旧環境で使用していたコンテンツの130~150 ページが新しいCognos Expressの環境に移行され、スムーズに稼働が開始されました。

Benefits

ゲームプレーヤーの動向を迅速に把握することでより楽しめるゲーム・サービスの提供を実現

新しいKPI 管理の仕組みは、以前の環境と同様に、エヌシージャパンの事業部門、開発部門、経営層およびNCSOFTのメンバーが利用していますが、新しい環境では、部門別に詳細な閲覧権限を設定しています。

「個人情報保護法などへの配慮も含め、利用者によって閲覧可能なデータを制限することが求められますので、閲覧可能なダッシュボード数の制限、特定利用者の課金状況の閲覧禁止など、新しい環境では詳細に権限を設定しました」(成氏)。 エヌシージャパンが提供するオンラインゲームは、月額課金のゲームとアイテム課金のゲームに大別されます。例えば人気タイトルである「リネージュ2」の場合、一定のレベルまでは無料で楽しむことができ、それ以上のレベルで楽しむ場合は「ゲージ」というアイテムを購入する必要があります。このアイテム課金まで継続するゲームプレーヤーがどの程度を占めるかということが同社のビジネス上で重要な要素になります。

「課金状況のデータはすべてCognos Expressに取り込まれていますので、どのレベルまで継続し、どの程度のゲームプレーヤーが課金レベルに達しているかということを分析することが可能になっています。その分析結果を参照することで、イベント開催などの施策のターゲットを絞り込むことが可能になります」(成氏)。

また一旦離脱したゲームプレーヤーに再びゲームを楽しんでもらうための施策にもCognos Expressは活用されています。 「一旦離脱して戻っていただいたお客様を休眠復帰プレーヤーと呼ぶのですが、この休眠復帰プレーヤーをいかに確保するのかということも非常に重要になります。オンラインゲームは常にアップデートを繰り返して変化を続けているのですが、アップデートを行う際にはゲームプレーヤーにe-メールで案内を送信します。そのe-メールの送信対象はCognos Expressで抽出するのですが、その結果として休眠復帰プレーヤーをどの程度確保できたのかということについてもデータとして蓄積し、分析を行うことでさらなる施策につなげることが可能になります」(成氏)。

このようにプレーヤー動向を中心に有効に活用されているKPI 管理環境ですが、Cognos Expressだからこそ効率的な活用が実現していると成氏は言います。

「例えばExcelなどを使ってKPI 管理を行うことは可能なのですが、その方法では膨大な手間と時間を要してしまいます。Cognos Expressは簡単な操作でレポートを作成することが可能なので非常にありがたいと思っています」。

 

将来の展望

今後はOLAP機能を活用した仕組みを整備し、利用者が求めるデータを自由に抽出できる環境を構築

今後はOLAP機能を活用した仕組みを構築していきたい成氏は言います。

「Cognos Expressを導入した真の成果はOLAP機能を活用してこそ得られると思っています。利用者が必要とする条件でデータを自由に抽出し、分析結果をスピーディーに得られる環境が整えば、より有効なデータ活用が実現するでしょう。そのためにはキューブを生成する必要があるので、これからその作業に取り組んでいきたいと考えています。それさえ用意しておけば利用者が自由にレポートを作成できる環境が実現します。またOLAP機能ではExcelで編集することが可能になっています。データベースに不慣れな利用者であっても使い慣れたExcelを活用できるということは大きな魅力です」。

さらにさまざまな分析ニーズにCognos Expressを活用していく展望について成氏は語ります。 「まだ個人的に検討しているレベルなのですが、ゲームのログをCognos Expressに取り込むことを考えています。通常ログはテキスト状態で保存されていますが、これをデータベースに保管してCognos Expressに取り込めば、求めるログ・データを素早く検索し、その項目に絞って閲覧することが可能になります」。

Cognos Expressはモジュール別での導入が可能ですが、エヌシージャパンではすべてのモジュールを導入しています。

「現在はReporterをメインに活用していますが、今後はAdviserによる生データを直接取り込んでの分析、XceleratorによるOLAP 機能の活用、Plannerによる将来予測など、Cognos Expressの機能をフルに活用し、エヌシージャパン独自の仕組みを構築し、日本の市場に即したビジネス展開を推進していきたいと考えています」(成氏)。

エヌシージャパンでは、今後もCognos Expressを有効に活用しながら、ゲームプレーヤーがより楽しめるゲーム・サービスの提供を実現し続けていくでしょう。

 

お客様の声

“例えばExcelなどを使ってKPI管理を行うことは可能なのですが、その方法では膨大な手間と時間を要してしまいます。Cognos Expressは簡単な操作でレポートを作成することが可能なので非常にありがたいと思っています。”

エヌ・シー・ジャパン株式会社

プラットフォーム・ユニット

プラットフォーム・オペレー

ション部門 DB チーム

DB スペシャリスト

成 定模 氏

 

お客様情報

韓国のゲーム開発会社NCSOFT Corporationのグループ会社であるエヌ・シー・ジャパン株式会社は2001 年に設立。「MISSION:楽しさでつながる新しい世の中を作ること」「FORMAT:小さく、強く、充実した会社」「COREVALUE:INTEGRITY(真摯さ)、PASSION(献身)、NEVER-ENDING CHANGE(感動)」「SPIRIT:CONQUER THE SPACE!(宇宙進出)」の企業文化の下、NCSOFT Corporation が開発したゲーム・サービスを日本のプレーヤーに提供しています。

 

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