デザインとは人を幸せにするためにありUXデザインがそれを可能にする

日本IBMのデザイナー、Yoshimiさんのインタビューをお届けします。
 

人を幸せにするUXデザインの探求の道

学生時代は、もともとプロダクトデザインやもの作りに興味があったので芸術大学に進学し、アートやデザインを学びました。さまざまな分野を学んでいく中で、「アート」は自身の思いや社会への問いをもとに表現していくことで、それに対し「デザイン」は社会との繋がりやニーズ、守るべき制約を踏まえた上で“人を幸せにし、日常を豊かにするもの”を形作ることと考えるようになり、よりそれを学ぶために大学院ではUXデザインを専門に研究される教授の研究室に所属し、人の体験や本能を揺さぶる心のデザインに取り組みました。

IBMのインターンシップを考えたのは様々な企業を調べる中でUXデザインに取り組んでいることを知り興味を持ったことがきっかけです。

当時はテックカンパニーの印象しかなく、調べる中でコンサルティング事業や独自のデザインシンキングを用いたエクスペリエンスデザインに取り組んでいることを知り、自身のキャリアの選択肢として興味を持ちました。

デザイナーといっても、例えばメーカーに所属するのと広告代理店に所属するのではデザインに取り組む目的もデザイナーとしての働き方も大きく異なりますし、またそれらはネット上で調べていてもわからない部分なので、会社の雰囲気や実際に働くイメージをもっとよく知るためにインターンシップに応募をしました。
 

インターンシップでは“デザインの視野”が広がった

インターンシップは、具体的なビジネスシーンを想定した課題を取り扱い、デザインシンキングのプロセスを通して、サービスの体験設計やUIデザインを制作し、提案するという実践形式のワークが中心で、現場のデザイナー社員の方からフィードバックをもらいながら進めるという内容でした。

これまでの大学・大学院では、手を動かしながら、ものを観察しながら、アイデアを組み合わせてアウトプットを作っていくプロセスを学んできたのですが、デザインシンキングは着地を見据えながら再現性をもって進め、課題に対して確実にアウトプットを生み出していくことに特化しているプロセスだと感じました。

実際にその時に取り組んだワークはとある金融サービスを考案するというテーマで、自身の中にある知識や発想を組み合わせて役に立つものを提案したつもりでしたが、ビジネス観点での有用性だったり、実現可能性だったり現在の業務でも重要となるフィードバックをいただきました。当時の私はアイデアや発想ばかりが先行しがちで視野が狭く、とにかく手を動かすことに必死だったと覚えています。
 

IBMのデザイナーの共感する姿勢、親身になる姿勢に心を惹かれた

インターンシップの5日間でIBMについて多くの情報をインプットできたことも良かったのですが、キャリアを考えるという観点では、IBMのデザイナーの人柄や姿勢を知れたことが一番良かったことでした。

そもそもデザイナーという仕事自体が、人をより豊かに、幸せにできるかを考える仕事なので、ユーザーを丁寧に観察し自分自身がユーザーに共感することが大事だと思います。

インターンシップでは、デザイナー職の社員さんとの壁打ちやフィードバックで、「このサービスはユーザーがどう感じるだろうか、実装されたらユーザーにどんな影響を与えるだろうか」といったユーザー中心の議論やコミュニケーションをたくさんしましたし、“ユーザーに共感すること、親身になって寄り添うこと”を大事にするあたたかい人たちだと感じました。
 

誰のため?から考えられるデザイナーとしてお客様に価値を提供したい

IBMに入社し、現在はUXデザイナーとして働いています。主にユーザーを起点としたビジネス構想策定や具体的なサービスの体験設計を行い、プロトタイプを通してサービスを作り込んでいく役割としてクライアントワークのプロジェクトに携わっています。ビジネスとテクノロジーをエクスペリエンスで繋ぎ、ユーザーにとって最適なサービスを届けることがUXデザイナーの仕事だと思っています。

ここまでいくつかのプロジェクトに参画しましたが、例えばとある小売業のお客様のアプリデザイン刷新のプロジェクトでは、既存のサービスを刷新し、新しいお買物体験を考えるというものでした。アプリストアに掲載するコンテンツを制作した際は、アプリのインストールを促したり、クーポンの利用を促したりと様々なビジネスの意図を反映する必要がある一方で、多くの情報が乱立すると、不要な操作が増えたり、動線がわかりにくくなったりユーザー体験が悪化する懸念があります。正解がないような抽象度の高い議論だからこそ、実際の画面のプロトタイプをもってお客様と議論をし、エンドユーザーに対して最も訴求したい内容が一番に伝わり、より良いお買物体験になるようにデザイン刷新に取り組みました。

IBMには「Think(考えろ)」というスローガンがありますが、まさにいつも意識しています。

デザイナーとして、ユーザー体験の視点で考えていくのはもちろんですが、そもそものビジネスの視点やIBMの強みであるテクノロジーの視点の3つの視点で考えることが大事だと考えています。

そもそもコンサルティングワークとして、お客様企業のビジネスやその市場、ユーザーについての理解は欠かせないですし、最近は生成AIの技術を組み込んだサービスを扱うことが増えているので、最新のテクノロジーの知識もそうですが、クラウドなどインフラ、ITアーキテクチャーなどの知識を踏まえて、どんな技術をどう組み合わせればそれが実装できるのか、エンジニアと同じ目線で話せる必要があります。どんどん新しいものが出てくるので、視野を広げられるよう“Think”の毎日です。
 

“IBMデザインの空気感”を自ら体験してほしい

実際にIBMのデザイナーとして働いてみて、率直に良かったと感じています。

IBMでは、規模の大きいビジネスやサービスなどを担当させていただくプロジェクトが多く、表面的なデザイン段階だけではなく企画構想段階から関わる機会が多くあります。コンサルタントとデザイナーが対等なので一緒に議論をしながら進めていくのはとても楽しいです。当然、求められるアウトプットのレベルは高いので、常に緊張感と隣り合わせで自分の限界との戦いですが、それだけ自分のアウトプットを多くの人に届けることができるのも、デザイナーとしてのやりがいだと感じています。

コンサルティングワークとデザインワークの両方をやっていく環境がIBMにはあります。

就職活動に取り組む上で、公開された情報をデスクトップで調べているだけでは、どんな人が働いているのか、どんな価値観を持っていてどんな働き方をしているのか、よくわからないと思います。本音を言うと私もそうでした。

そのような意味で、インターンシップはその現場に行ける、その社員と議論や交流ができる良い機会なので、ぜひ活用していただきたいと思います。

デザイナーとして、「ユーザーに寄り添い、共感する」ことが大事だと先述しましたが、まさによくわからないからこそ、現場に飛び込んで、自ら体験してみる気持ちを大事にしてほしいです。

IBMのデザインの現場で皆さんとお話しできるのを楽しみにしています。
 

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