2年間で、生産性向上による20億米ドルの成果を達成しました。そう目標に掲げて邁進した結果です。
IBMが2023年にこの挑戦を受け入れた時点では、成功へのロードマップは存在していませんでした。私たちは、自らトランスフォーメーションへの道を切り拓く必要がありました。その一環として、IBM自身が最初の実践者(クライアント・ゼロ)となり、AIファーストかつハイブリッド・バイ・デザインのストラテジーのもと、ビジネスのあらゆる側面を再構築しました。過程ではいくつかの失敗もありましたが、それらは私たちに、より深く掘り下げ、さらなる挑戦を行い、失敗を機会へと転換する原動力を与えました。
2年が経ち、累計35億ドルの生産性向上効果を達成し、現在も拡大を続ける中で、AI、ハイブリッドクラウド、オートメーションは、他のストラテジーと組み合わせることで、正しく活用すれば大規模にビジネス価値を提供できることを実証しました。それが、当社の取り組みを通じて明らかになったことです。お客様にも同じ成果を達成していただきたいと考えています。
そこで、当社自身の実際の変革によって形作られたこの取り組みを、真のトランスフォーメーションに向けたロードマップとしてまとめました。そのロードマップを、今、お客様と共有します。意思決定、ワークフロー、ユースケースを一つずつ積み重ねながら、AIやその他の中核となるアクセラレーターを組織に導入していきましょう。
AIを導入するだけでは、エンタープライズ全体に大きな変化はもたらせません。そのため当社は、部門ごとのサイロ構造を超え、組織全体とその課題を包括的に見直しました。その視点から、AIやその他の変革テクノロジーと手法が、IBM全体で最も大きな効果を発揮する領域と活用方法が明確になりました。
AIは、どのような役割を果たしたのでしょうか。当社は複数のAIアシスタントを目的別に設計し、HR、IT、調達、営業、税務といった、ビジネスを支える各領域に統合しました。各アシスタントは、IBM® watsonx製品ポートフォリオのAIによる生産性向上ツールを活用して構築されています。
IBMは2024年だけで1,100万件を超えるHR関連の問い合わせに対応しました。IBMの従業員に良好な従業員エクスペリエンスを提供するためには、実効性の高いHRソリューションの構築が不可欠でした。
- 最初の問い合わせから最終的な解決までのユーザー・サポート・ジャーニーを可視化する。 - ニーズを満たしていないサポート・チャネルは最適化または廃止する。 - 24時間365日対応するバーチャル・アシスタントによるサポートを提供する。
- AIツールを活用して対話型アシスタントを開発する。 - 中核となる業務領域の機能をサポート・ソリューションに統合する。 - 少数のユーザーで検証を行い、成功基準を満たしていることを確認する。
ダウンタイムや技術的な問題は、生産性を即座に停止させる要因となる。そのため当社は、迅速かつ正確に対応する方法を見出す必要があった。
- 課題を特定するためにディスカバリー・ワークショップを実施する。 - 処理量、複雑性、またはコストの高い業務に重点を置く。 - メリット・モデリングのフレームワークを用いてビジネス・ケースを構築する。
- watsonx Orchestrateなどのプラットフォームを活用し、業務領域特化型のエージェントを構築する。 - 事前構築済みのエージェントから開始し、自社のニーズに合わせてカスタマイズする。 - Workday、Microsoft Outlook、SAP などの既存ツールにエージェント型AIを統合する。
調達部門には、IBMの支出管理の最適化に集中するための十分な時間と、取引関係を360度で把握するための洞察が必要です。しかし、データのサイロ化や重複業務が業務時間を圧迫していました。そこでIBMは、AskProcurement AIアシスタントを開発しました。
- IBMのメリット・モデリングのフレームワークを用いてビジネス・ケースを構築する。 - 生成AIを活用し、提案依頼書(RFP)、Eメール、レポート、要約を作成する。 - コンテンツ生成が反復的でありながら、文脈の正確性が求められる領域に注力する。
- 一般的な業務ニーズに対応した事前構築済みのエージェント、テンプレート、ワークフローを活用し、トランスフォーメーションに向かってはずみを付ける。 *IBMのエージェントは、watsonxアクセラレーターおよびローコード・ツールを活用し、1日でデプロイされました。
IBMのグローバル営業組織は迅速に行動していますが、さらにスピードを高めたいと考えています。そこで当社は、リアルタイムの洞察とサポートを提供し、IBMの営業担当者を支援するAskSales AIアシスタントを自社で構築しました。
IBMはグローバルに事業を展開しています。しかし、アクセスできない不完全なデータが、コンプライアンス業務を煩雑で手作業中心のものにしていました。そこで当社は、Ernst & Young LLP(EY)と協業し、データを税務対応可能な状態に整備するとともに、データ駆動型の洞察を組織全体で活用できるようにしました。
手作業のプロセスが業務の足かせになっている、またはリスクを高めている箇所を見極める。 - コスト、時間、コンプライアンスに測定可能な影響を及ぼす課題に注力する。 - 経営層の賛同を得て、迅速な対応と支援を推進する。
- テクノロジー、ストラテジー、業界に関する専門知識を有するパートナーを選定する。 - ビジネスの洞察と技術的専門性を融合した部門横断チームを編成する。 - コラボレーションを通じて、実用的でスケーラブルで、リスクの低いソリューションを共創する。
- 自律型ワークフローは、リアルタイムで利用可能な税務対応データに依存する。 - データは競争優位の源泉である。データを活用可能にすることで、正確性、スピード、監査性が向上する。
- 現行のシステムやワークフローと統合可能なプラットフォームを選定する。 - 透明性、セキュリティー、適応性を備えたAIツールを優先する。 - AIプロバイダーをAIオーケストレーターとして活用し、検証済みの統合機能やベスト・プラクティスを取り込む。
トランスフォーメーションは一度きりの取り組みではなく、仕事の進め方そのものを根本から変えるものです。
IBMのトランスフォーメーションの次の段階では、各業務領域のアシスタントを統合し、強力な単一の自律型AIエージェントであるAskIBMを実現します。