2013年8月4日、「ROBOLAB(ロボラボ)プログラミング教室 ~ゴールを目指せ!車型ロボットを動かそう~」が、石巻ICT戦略会議と石巻産業創造株式会社(以下、ISS)の主催により開催されました。当日、開始時間の直前に震度5の地震があったにもかかわらず、石巻地域の小学生11名が参加。IBMは社員7名がボランティアで参加し、講師やサポーターを務めました。

技術の夢や楽しさ、エンジニアの仕事を体感するプログラムを復興支援の一環として実施

IBMは、「エンジニアーズ・ウィーク(EWeek)」という、技術者自らが子どもたちに科学や数学の面白さを伝え、“エンジニア”の仕事に興味をもってもらうための活動を社員のボランティア活動を通じて実施しています。EWeekはもともとアメリカで約20年前に始まったキャンペーンで、日本IBMは2006年から社会貢献活動のひとつとして取り組みを開始。2012年末までに380回のイベントを実施し、延べ21,690名の生徒が参加しています。

今回のロボラボ プログラミング教室もEWeekメンバーによるもの。「プログラミングってどんなもの?」「ロボットはどうやって動かすの?」―教室では、プラスチック製ブロックで組み立てた車型ロボットの動きを制御するプログラムをパソコンで作成し、実際に動かして楽しく学びます。

また、IBMは東日本大震災後、被災地の復興支援のためにIBMソリューションの無償提供や社員のボランティア派遣を行うとともに、石巻市においては未来に向けたまちづくりを支援する社会貢献プログラム「IBMスマーター・シティー・チャレンジ」など、支援を行っています。今回の主催者である石巻ICT戦略会議とISSは、地域コミュニティーにおける情報通信技術(ICT)人材の育成を活動の柱のひとつに据えており、今回のロボラボ開催につながりました。

次第に夢中になっていく子どもたち。ボランティア社員もその様子を見て笑顔に

教室はまず、「エンジニアとはどういうもの?」という講義からスタート。講師役の社員が、エンジニアという職業とその仕事の仕方について説明します。答えはひとつではないことや、「知識をためて考え、試して、結果を確認する」ことの繰り返しの大切さを伝えます。

続いて作業を開始。一人ひとり、ブロックを使ってモーターの付いた車を組み立てます。

スクリーンを使って説明している様子
説明を熱心に聞く子どもたちの様子
モーターの付いた車を組み立てる子どもたちの様子

エンジニアってどんな仕事か知ってる? 最初はちょっと緊張気味の子どもたち

次に「プログラム」について学びます。ロボットの動きを考え、進む距離や曲がるタイミングを考え、パソコンに入力。プログラミングした内容をロボットに送信し、実際にロボットを起動させて動きを確かめます。思い通りにいかない場合、その理由を考え、試行錯誤を繰り返しつつ動きを修正していきます。

講師の話をまとめプログラミングを考える子どもの様子
コースの詳細を確認する子どもたちの様子
プログラミングしったロボットをコースに走らせる子どもの様子

パソコン上でプログラムを作り、実際にどのように動いたかを確認。簡単な動きができたら、次はコースどおりにロボットを動かす中級・上級コースにも挑戦!

流れが飲み込めてくると、生徒たちはプログラムを作って試し、直しては試しと、パソコンと作業台の間を行き来します。直進するだけの動作から、次第にコースに合わせてロボットを動かす、中・上級コースにも挑戦。子どもたちからは「1回転しちゃった」「そこで曲がれ、行け!」とあちこちで声が上がり、ボランティアで参加した社員からは「惜しい!」「曲がる時間を少し短くしてみたら?」とサポート。時間が経過するにつれ、教室は難しいコースをクリアした歓声や笑い声に包まれていきました。

そして、「最初に言った、繰り返し繰り返してつくっていくエンジニアの仕事を、皆さんはよくできていたと思います。いつでもエンジニアになれそうな感じです」という講師の言葉とともに、3時間のプログラムが終了しました。

講師の問いかけに全員挙手する子どもの様子
講師と子どもたちで作ったロボットを手に記念撮影

「おもしろかった人は?」「もう1回来てみたい人は?」という講師の問いかけに、生徒は全員挙手

IBMでは、今後も石巻の小中学生を対象に社会貢献プログラムを継続的に行っていく予定です。また、EWeekの活動は全国で展開していきます。

今回参加した社員の一人は、「ボランティアとは“ともに歩むこと”であり、その気持ちが大事だと思う」と話します。被災地で、そして日本各地で、社会とともに歩むIBMの社会貢献の取り組みは今後も続きます。

子どもたちの感想

社員の感想

社会の声:“特に人材育成に関して、企業総ぐるみでCSRに走ってほしい”

写真:西村洋一様
石巻ICT戦略会議 座長
石巻産業創造株式会社 代表取締役社長
西村洋一様
多くの企業が石巻で復興支援の活動をしてくださっていることを、大変ありがたく思っています。震災から2年以上が経過し、最近はようやく住民の気持ちが少しプラスの方向に向いてきたような気がしています。しかしながら、将来に向けて新たな産業を創出し、人材を育てていくことはこれからの大きな課題です。石巻ICT戦略会議はICTの可能性に着目し、産学官が協働してICTを活用したまちづくりや産業復興に関する情報収集や検討とその実践を目指しています。今回は、その目標のひとつである「次代を担う子どもたちのICTリテラシーの向上」のため、ロボラボ教室を開くことを決めました。

地方都市にICTの芽を植え付けることも重要ですが、子どもたちに、コンピューターは単なるネットワーク閲覧機ではないこと、ものをつくる楽しさを体感してもらえるIBMのロボラボは非常に良いプログラムだと思います。実際に子どもたちの感想を見ると、短時間の中でコンピューターのプログラムの本質の部分をとらえていて、すごいなと感じました。

企業が入社した人材を教育するのは当たり前ですが、“社会貢献”というかたちで早い段階から育成を支援する取り組みはとても有意義だと思います。それが最終的には企業の力のみならず、日本の社会全体の底上げにつながるわけですから、特に人材育成に関して、企業総ぐるみでCSRに走っていただきたいというのが私の思いです。