三好成明の顔写真
三好 成明さん
1995年1月17日午前5時46分、阪神淡路大震災が起こり、神戸市とその周辺地域に壊滅的な打撃を与えました。実際の揺れはわずか20秒でしたが、初めて日本の都市部を襲ったこの巨大地震により、4万人が負傷し、6千人が死亡しました。
運命の朝、IBMの営業部長であった三好成明さんは、負傷は免れたものの、自宅マンションの損壊のため、一時的に避難せざるをえなくなりました。電気のもどった自宅に帰り自分でおにぎりを作り、近所の人々に配って歩きました。それから10年の間に、三好さんはIBMを退職しましたが、地域を拠点としたインターネット・テレビ局「117BBTV」を創設するなど、絶えず神戸の復興に向けて取り組んできました。
「地元の人々の元気な活動をインターネット・テレビで取り上げることにより、震災の際に築かれた人々の絆をさらに広めたいと考えています」と三好さんは述べています。神戸市の復興に向けた絶え間ない献身がきっかけとなり、ついに三好さんはオンデマンド・コミュニティーと、Internet Safety for Kids(子どものためのインターネットの安全性)などのソリューションを利用することになりました。以下はその三好さんにまつわる話です。

がれきの中で

阪神淡路大震災直後の街の様子 「Internet Safety for Kids」を知り、どうすれば子どもたちにとってよいインターネット環境を作ることができるかを話し合うための市民集会を始めました


2005年、三好さんは大震災の発生から10年を記念して、ボランティア団体「117BBTV」(非営利ブロードバンド報道テレビ局)を立ち上げました。この名称は震災の発生した1995年1月17日の日付にちなんでいます。現在同テレビ局では200を超えるコミュニティー団体の活動の様子を記録するとともに、地震に対する備えや復旧に関する情報のほか、その他の重要な地域に関する情報なども提供しています。

同局は、デジタル番組の編集や、キャプチャーに必要なコンピューターを提供してもらうなど、 コミュニティー・グランツ からとても大きな支援を受けています。
「新しい機器を提供してもらう前は本当に大変でした。実際、ある夜事務所にある唯一のパソコンで深夜までかかって作業をしていたのですが、そのパソコンがオーバーヒートしてしまったために苦労して仕上げた作業がほとんどすべて消えてしまったこともありました」と三好さんは述べています。

117BBTVで取り上げられた団体の多くは、同局が自分たちのメッセージをコミュニティー全体に伝えるための力強い手段であることを認識するとともに、一方で懸念も抱いていました。「私たちはみんなインターネットが子どもたちに与える影響について、十分に認識していました。その時に私は『Internet Safety for Kids』を知り、どうすれば子どもたちにとってよりよい環境を作ることができるかについて話し合うための市民集会を始めました」と三好さんは述べています。

新たな展開 : 新しいパートナーを得て

「117BBTV」のホームページ
「117BBTV」のホームページ
私は今でもIBMで学んだことを活かしており、今はそれを近隣の人々やコミュニティーのために役立てています


まもなく、三好さんがインターネットの安全性に関する講演を開いていることを兵庫県警が聞きつけ、三好さんのもとに相談に訪れました。こうした関係がもとで、「兵庫県インターネット安全安心利用推進協議会」が発足することになりました。三好さんは同協議会の会長を務めており、その活動は今でも「117BBTV」で大きく取り上げています。

三好さんは「Internet Safety for Kids」が彼の成功に重要な役割を果たしたと述べています。「ITの専門家は、よくウィルスだの、セキュリティーだの、ファイアウォールだのといった話をしますが、多くの保護者はそれらが学齢期の子どもとどう結びつくのか理解できません。しかしこのオンデマンド・コミュニティー・ツールを利用すれば、そういった問題を分かりやすい言葉に置き換えてくれます」と三好さんは述べています。

退職者の三好さんにとって、ここに至るまでの10年以上の道のりは、コミュニティーへ貢献しただけでなく、彼自身の支えにもなっています。震災後、三好さんは自宅でおにぎりを作って近所に配っていました。そして今も、三好さんは数々の人脈と自らのブロードバンド・テレビ局を通じて、コミュニティー、そして子どもたちのための安全な環境の構築に力を注ぎ続けています。

「IBMでのセールス・エンジニアとしての仕事を通じて、私は複雑な問題を見出してそれを解決する能力を身に付けました。それは今でも変わっていません。私は今でもIBMで学んだことを活かしており、今はそれを近隣の人々やコミュニティーのために役立てています」と三好さんは述べています。